20代女性の転職、いつ動く?タイミングとキャリアの考え方
20代女性の転職、いつ動く?タイミングとキャリアの考え方
動く時期を、年齢や結婚・出産の予定ではなく、自分の側にある材料で決めるための考え方をまとめました。
いつ動くかは、「いまの会社であと1年働いたら何が増えるか」で決めるのがいちばん確実だと思います。
増えるものがはっきり言えるなら、まだ動かなくて構いませんが、言えないならそれが動く合図になります。
20代のうちに、結婚する前に、産休が取れる会社へ。
こうした言い方はあちこちで見かけますし、どれも善意から出ているのですが、共通する問題があるんです。
タイミングを、自分の外にある予定で決めさせようとしている点でしょう。
外の予定を軸にすると締め切りが先に決まってしまい、締め切りのある転職活動は条件を下げる方向にはたらきます。
「20代のうちに」という言葉の中身
20代のうちに動いたほうがいい、という言い方には、いくつかの理由が混ざっています。
未経験の分野へ移りやすい、という話。
長く働ける前提で見てもらえる、という話。
そして単に、若いほうが有利だろうという漠然とした印象。
このうち最初の2つには、たしかに根拠があります。
未経験で新しい分野に入る場合は育成の期間を見込む必要があるので、年齢が判断に影響することはあるでしょう。
ただ、これは「20代のうちに何でもいいから動け」という意味ではないんです。
未経験の分野に移るつもりがないなら、この理由は自分には当てはまりません。
自分に当てはまらない理由で急ぐ必要はないので、まずはここを切り分けてください。
ライフイベントを軸にすると条件が下がる理由
結婚や出産の予定を理由に転職の時期を決めると、活動そのものに締め切りができてしまいます。
締め切りがあると、次の3つが起きます。
- 受ける社数が増える ── 落ちる余裕がないので、志望度の低い会社まで受けることになります。
- 最初に出た内定を受けやすくなる ── 比較する時間がありません。
- 条件の交渉をしにくくなる ── こちらに時間の余裕がないことは、姿勢に出ます。
そして、この状態で決めた転職先が、そのあとの数年を左右します。
ライフイベントに備えるために動いたはずが、備えとして機能しない環境を選んでしまう。
これがいちばん避けたい結果だと思っています。
急ぐ理由があるときほど、判断の質は落ちてしまうんです。
代わりに見る3つの問い
● いまの会社であと1年働いたら、何が増えるか ── 増えるものがあるなら、まだ動かなくていい
● いまの経験は、社外に出したときに説明できる形か ── 社内でしか通じない業務ばかりなら、形にする作業が先
● いま辞めたら、同じ環境をもう一度得られるか ── 得にくいものを手放そうとしていないか
この3つのうち、とくに効いてくるのが2つ目です。
同じ年数を働いていても、社外に説明できる形になっているかどうかで、選べる範囲がまるで変わります。
説明できる形になっていないなら、いま必要なのは転職活動ではなく、いまの仕事のなかで担当範囲を広げることかもしれません。
半年あれば書ける内容はきちんと変わってきますから、思っているほど時間はかからないんです。
会社側がどんな数字を公表しているかは、厚生労働省の女性活躍推進法の特集ページから企業データベースをたどれます。

面接で、結婚や出産の予定を聞かれたら
これは意見ではなく、決まっている話です。
採用選考においては、応募者の適性と能力に関係のない事項で採否を決めないことが求められています。
結婚や出産の予定は、本来、採否の判断に用いるべき事項ではありません。
つまり、こうした質問をすること自体が、選考のあり方として適切ではないとされているんです。
そのうえで、実際に聞かれたときの対応です。
答える義務はありませんが、その場で指摘するかどうかは、その会社に入りたいかどうかで決めてください。
そして、聞かれたという事実そのものを、こちらの情報として扱いましょう。
この質問が出る会社は、入社したあともその前提で人を見る可能性があります。
選ばれる場であると同時に、こちらが判断する場でもあるんです。
● 聞かれてもいないのに、結婚や出産の予定を伝える必要はありません。
● 「しばらく結婚の予定はありません」と言う必要もありません。予定は変わるものです。
● 逆に、育児と両立できる環境かどうかは、制度ではなく使われている実績を聞いて確かめてください。
判断を狂わせる4つの物差し
● 年齢で区切る ── 29歳と30歳のあいだに、実務上の断絶はありません。
● 「今しかない」で決める ── その焦りが、そのまま条件を下げます。
● まだない予定に合わせて動く ── 予定は変わります。変わったときに残るのは、下げた条件のほうです。
● 周囲の転職報告に反応する ── 職種も状況も違う人の話です。
キャリアプランを先に作らなくていい理由
転職の相談をすると、5年後10年後をどう考えているかと必ず聞かれます。
それが答えられないから動けない、という方は多いと思います。
ただ、10年後の姿を明確に描けている人のほうが、実際には少数でしょう。
そして描けていないことは、動かない理由になりません。
必要なのは長期の計画ではなく、次の1歩の方向だけなんです。
いまより担当範囲を広げたいのか、専門を深めたいのか、働き方を変えたいのか。
この3つのうちどれかが選べれば、方向としては十分に決まります。
そして1歩進んだ地点に立って、はじめて次の景色が見えてきます。
計画を先に完成させようとすると、いつまでたっても着手できません。
面接で将来の話を聞かれたときも同じで、壮大な構想を語る必要はなく、次の数年で何を身につけたいかが言えれば足ります。
それでも、早めに動いたほうがいい場合
- 未経験の分野に移りたい ── 育成の期間を見込む必要があるため、年齢が判断に影響することがあります。
- いまの環境で心身の負担が大きい ── これはタイミングの話ではありません。優先して動いてください。
- 会社の状況に不安がある ── 選べるうちに動くほうが、条件を保てます。
- 1年働いても増えるものがないと分かっている ── 待つ理由がありません。
2つ目は、タイミングの話ではありません。
心身に負担が出ているなら、そもそもキャリアの最適なタイミングを考えている場合ではないので、先に環境を変えることを優先してください。
そしてその状態が続いているなら、医療機関や、都道府県の労働局・労働基準監督署の相談窓口を使ってください。
一人で判断しなければならない理由は、どこにもないんです。
20代前半と後半で変わる見られ方
同じ20代でも、前半と後半では判断のされ方が違ってきます。
前半は、これから何を身につけるか、という見方をされやすいでしょう。
社会人としての基礎ができているか、伸びる余地があるか。
ですから経験の量より、姿勢や理解の速さのほうが見られる傾向があります。
後半になると、何ができるか、という見方に寄っていきます。
任せられる範囲があるか、一人で回せるか。
この変化を知っておけば、準備する内容もおのずと決まります。
前半なら、なぜその分野を選ぶのかを語れるようにしておく。
後半なら、担当してきた範囲を具体的に説明できるようにしておく。
そして、この移り変わりは連続的なもので、ある年齢を境に扱いが切り替わるわけではありません。
だからこそ、年齢で区切って焦る意味がないんです。
動く前から始める情報収集
転職するかどうかを決める前に、情報だけ集めておくことはできます。
これをやっておけば、いざ動くときの速度がまるで違ってきます。
やることは3つです。
求人を定期的に見て、自分の分野の相場感を知っておく。
職務経歴書を、いまの時点の内容で一度書いてみる。
そして書いてみて足りないと感じた部分を、いまの仕事のなかで埋めていく。
この3つは、転職しないと決めたとしても無駄になりません。
いまの会社で交渉するときの材料にもなるからです。
とくに2つ目は半年に一度更新しておくと、必要になったときに慌てずに済むでしょう。
書けることが増えていないと気づいたなら、それ自体が判断の材料になります。
よくある質問
■ 結婚の予定がある場合、転職は避けたほうがよいですか
避ける必要はありませんが、予定に合わせて急ぐ必要もありません。
判断の軸は、いまの会社であと1年で何が増えるか、のほうに置いてください。
なお入社の直後に長期の休みが必要になる見込みがあるなら、内定後の面談で相談しておくと、入社後の調整が進めやすくなります。
■ 育児と両立できる会社かどうか、どう見分けますか
制度の有無ではなく、使われている実績を聞いてください。
「制度はありますか」ではなく「直近で利用された方はいますか」と尋ねます。
制度が用意されていても、実際には使われていない会社がめずらしくないんです。
■ 20代で転職回数が多いと不利になりますか
回数そのものより、説明できるかどうかで見られます。
一貫して積み上げてきたものがあれば、それを職務経歴書の冒頭に置いてください。
回数を隠そうとするより、方向性を示すほうがずっと伝わります。
■ 周囲が次々と転職していて、焦ってしまいます
職種も、会社の状況も、本人が置かれた事情も違います。
比べる対象として、そもそも成り立っていないんです。
焦りを感じたときこそ、この記事の3つの問いに戻ってみてください。
あと1年で何が増えるか、経験は社外に説明できる形か、いま手放そうとしているものは得にくいものか。
この3つに答えられるなら、周囲の動きは判断に影響しなくなります。
まとめ
転職のタイミングを、年齢やライフイベントで決めないでください。
外の予定を軸にすると締め切りができ、締め切りは条件を下げる方向にはたらきます。
代わりに、いまの会社であと1年で何が増えるか、経験が社外に説明できる形か、この2つで判断してみてください。
説明できる形になっていないなら、いま必要なのは転職活動ではなく、担当範囲を広げることかもしれません。
ただし、心身の負担が大きい場合はまったく別です。
そのときはタイミングなど考えずに、先に動いてしまってください。
働きやすい会社を求人票と面接から見分ける方法は女性が働きやすい会社の見分け方に、エージェントの使い方は女性の転職でエージェントを活用するメリットと選び方にまとめています。
年齢ではなく賞与や有給の付与日から時期を決めたい場合は転職のタイミングを、時期で考えるを、求人サイトと人材紹介の使い分けは人材紹介と求人サイトは何が違うのかをご覧ください。
20代向けのエージェントについては、こちらの記事もご覧ください。


