カードローンとキャッシングの違いをわかりやすく解説
カードローンとキャッシングの違いをわかりやすく解説
似た名前ですが、出どころが違います。
カードローンとキャッシングは、名前がよく似ているので同じものだと思っている人も多いのではないでしょうか。
違いは、出どころです。
カードローンは、銀行や消費者金融などが出している「お金を借りるための契約」です。
キャッシングは、ふだん買い物に使っているクレジットカードに、最初から付いている現金の借入枠のことを指します。
片方は借りるためにわざわざ結ぶ契約で、もう片方は買い物用のカードに備わっている機能、と考えると分かりやすいと思います。
カードローンとキャッシングの違い
| カードローン | キャッシング | |
|---|---|---|
| 正体 | 借入のための契約 | クレジットカードに付いた借入枠 |
| 提供元 | 銀行、消費者金融、信販会社 | クレジットカード会社 |
| 手続きの入口 | 新規に申し込む | すでに持っているカードで使える場合がある |
| 限度額 | 契約時に個別に決まる | カードの利用枠の一部として設定される |
| 使いみち | 原則自由(一部の用途を除く) | 原則自由 |
こうして並べると別ものに見えますが、借りたあとの使い勝手はよく似ています。
どちらも決められた限度額の中で何度でも借りられて、返した分だけまた借りられるようになる仕組みです。
違いが出るのは、借りるまでの部分です。
そう押さえておくと、このあとの話も整理しやすいはずです。
提供元による法律の違い
| 提供元 | 主に適用される法律 | 総量規制 |
|---|---|---|
| 銀行 | 銀行法 | 対象外(ただし各行が自主的に上限を設けている) |
| 消費者金融 | 貸金業法 | 対象 |
| クレジットカード会社・信販会社 | 貸金業法 | 対象 |
カードローンは銀行も消費者金融も出しているので、どこと契約するかでかかる法律が変わります。
キャッシングはクレジットカード会社のものなので、貸金業法にもとづく扱いになります。
差が出るのは総量規制ですね。
貸金業者からの借入を、原則として年収の3分の1までに抑える決まりで、銀行のカードローンは貸金業法の適用を受けないため、制度の上ではこの対象から外れています。
ただ、これを「銀行なら3分の1を超えて借りられる」と読むのは、少し危ういと思います。
実際には各行が自主的に上限を決めて運用しているので、対象外であることと、いくらでも借りられることは別の話です。
どちらの法律がかかるかで何が変わるのかは、金融庁の貸金業法のキホンに整理されています。
手続きの入口の違い
実際に借りようとしたとき、いちばん差を感じるのはここかもしれませんね。
キャッシング枠の付いたクレジットカードを持っていれば、あらためて申し込まなくても、そのカードで借りられることがあります。
枠が付いているかどうかは、カード会社の会員ページか利用明細で確かめられます。
一方のカードローンは、新しく契約を結ぶので、申し込みと審査が必要です。
本人確認書類を出しますし、金額によっては収入を証明する書類も求められます。
早いのはキャッシングです。
ただ、それを「キャッシングは審査が甘い」と受け取るのは違うと思います。
カードを作った時点で、枠の設定まで含めた確認が済んでいるので、その分が前倒しになっているだけです。

金利の決まり方の違い
どちらの金利が高いかは、一律には言えません。
決まり方が違うんです。
カードローンの金利は「年◯%〜◯%」という幅で示されていて、契約のときの限度額などによって自分の率が決まる形が一般的です。
限度額が大きいほど低い率になりやすいので、初めての契約でいきなり下限の率が付くことは、あまり期待しないでおいたほうがいいでしょう。
キャッシングは、カードごとに率が決まっていることが多く、会員ページを開けば自分の率がそのまま書いてあるはずです。
事前に数字が分かるのがキャッシング、申し込んでみるまで確定しないのがカードローン、という違いは意外と大きいかもしれません。
なお、どちらも利息制限法で元本の額に応じた上限が決まっている点は同じです。
自分が使うことになるのはどちらか
| 状況 | 関係してくるのは |
|---|---|
| クレジットカードを持っていて、明細に「キャッシング枠」がある | キャッシング |
| カードは持っているが、キャッシング枠が0円または表示がない | 枠を申し込むか、カードローンを検討する |
| カードを持っていない、または借入専用の契約にしたい | カードローン |
| まとまった額を、はっきりした期限で借りたい | カードローンより、一度で完結するタイプのローン |
まずは、いま持っているクレジットカードにキャッシング枠が付いているかを見てみてください。
付いていれば、新しい契約なしで借りられる状態ですね。
付いていない場合は、それも一つの判断材料です。
枠がなければ、借りるまでにひと手続き挟まりますよね。
その手間を、借りすぎないための歯止めとしてあえて残しておく、という考え方もあると私は思います。
リボ払いとの区別
この2つを調べていると、リボ払いという言葉もよく一緒に出てきますよね。
リボ払いは借入ではなく、買い物の代金をあとから分けて払っていくための支払方法です。
それでも混同されやすいのは、毎月ほぼ同じ金額を払い続けるという見え方が、キャッシングやカードローンの返済とよく似ているからではないでしょうか。
見分け方は簡単です。
現金を手にしたかどうかで考えてみましょう。
現金が手元に来たならキャッシングかカードローン、商品を受け取っただけならリボ払いです。
注意したいのは併用です。
明細が別々に届くので、全体でいくら残っているのかがとても見えにくくなります。
一度、紙に合計を書き出してみるのがおすすめですよ。
両方に共通する「枠」の性質
ここまで違いを見てきましたが、実際の暮らしに響いてくるのは、むしろ共通している部分のほうだと思います。
どちらも、返した分だけ枠が戻ります。
必要なときにすぐ使えるのは便利ですが、裏を返せば、残高がなかなか減らない仕組みでもあります。
返して枠が空くと、苦しい月にまたそこから借りてしまい、それを何度か繰り返すうちに、気づけば最初に借りた額を上回っていた、ということも起こり得ます。
一度借りて返し終えれば契約が終わるタイプのローンなら、追加で借りるにはもう一度審査が必要です。
手続きとしては面倒です。
でも、その面倒さが歯止めになってくれる面もあるでしょう。
● 明細で見るのは、今月払った額ではなく残高です。先月より減っているかどうかを確かめます。
● 使う予定のない枠は、解約や縮小を考える余地があります。ただし長く続いている契約は記録としての意味もあるので、急がなくて構いません。
● 借りる前に、いくらを、毎月いくらずつ、いつまでに返すのかを決めておきましょう。
よくある誤解
● 「キャッシングのほうが審査が軽い」 ── すぐ使えるのは、カードを作った時点で確認が済んでいるためです。確認そのものは行われています。
● 「銀行なら総量規制の対象外だから、3分の1を超えて借りられる」 ── 制度上の対象外という意味であり、各行が自主的な上限を設けています。
● 「リボ払いも借金なので、総量規制に含まれる」 ── 買い物のリボ払いは代金の支払方法なので、貸金業法上の借入残高とは扱いが異なります。ただし支払う義務が軽くなるわけではありません。
● 「キャッシング枠は使わなければ何の影響もない」 ── 使っていない枠でも、別の契約を申し込むときに確認の対象になり得ます。
よくある質問
■ キャッシング枠のないクレジットカードもありますか
あります。
申し込みのときに枠を付けないことを選べるカードもありますし、そもそも枠が設定されないカードも珍しくありません。
使う予定がないなら、付けない、あるいは後から外すという選択もできます。
■ 両方を同時に利用してもよいのですか
制度として禁じられているわけではありません。
ただ、契約が増えるほど残高の全体が見えにくくなり、総量規制の計算もややこしくなっていきます。
自分で管理できる数に絞っておくほうが、結局は扱いやすいと思います。
■ どちらのほうが金利は低いのですか
一律には言えません。
カードローンは限度額などに応じて契約ごとに率が決まり、キャッシングはカードごとに率が決まっている、という違いがあります。
自分の率は、キャッシングなら会員ページ、カードローンなら契約書面で確かめられます。
■ キャッシング枠は後から付けられますか
カード会社に申し込めば、後から枠を付けられる場合があります。
ただ、あらためて確認の手続きがあるので、申し込めば必ず付くというものではありません。
使う予定がないなら、付けずにおきましょう。
■ 専業主婦(主夫)でも申し込めますか
貸金業者からの借入では、配偶者の収入と合わせて判断する仕組みが定められている場合があります。
ただ、扱いは提供元によってかなり違うので、条件は各社の公式ページで確認してみてください。
まとめ
カードローンは借りるための契約で、キャッシングはクレジットカードに付いた借入枠です。
違いが出るのは出どころと手続きの入口で、借りたあとの使い勝手はよく似ています。
まずは手元のカードに枠が付いているかを見てみると、自分がどちらの話をしているのかがはっきりするはずです。
そして、どちらを使うにしても気にしておきたいのは、限度額の中で何度でも借りられるという共通の性質のほうで、ここを意識しているかどうかで、数か月後の残高の減り方がかなり変わってくるはずです。
明細を開いたら、今月払った額より残高を見てみてください。
先月と比べて減っていないなら、払ったお金の多くが利息に回っているのかもしれません。
毎月これだけ見ておけば、流れが悪いほうへ変わり始めたときに早めに気づけると思います。
金利がどう決まるのかは金利の仕組み|実質年率とは何かに、年収の3分の1という上限の詳細は総量規制とはにまとめています。
申し込みの前に確認しておくことは、カードローンの審査で見られるポイントで扱っています。


