金利の仕組み|実質年率とは何か

金利の仕組み|実質年率とは何か

広告に出ている「年3.0%〜18.0%」のような表示は、範囲であって自分の数字ではありません。自分の率がどこで決まり、どこを見れば分かるのかが本題です。

実質年率とは、利息だけでなく、その借入にかかる手数料などもまとめて年あたりの割合に換算したものです。
「実質」という言葉が付いているのは、利息以外の負担も含めたうえでの率だという意味で、商品どうしを同じものさしで比べられるようにするために使われているんです。
たとえば利息を低めに設定して、そのぶん別の手数料を取る商品があったとしたら、利息だけを見比べても意味がなくなってしまいますよね。
そこで、負担をまとめて年率で示す形に統一されているわけです。

広告が範囲で表示される理由

カードローンの広告では「年3.0%〜18.0%」のように幅を持たせた表示が使われていますよね。
これは、適用される率が契約ごとに決まるためで、申し込む前の段階では確定していないからです。
一般に、限度額が大きい契約ほど低い率が適用される傾向があるため、範囲の左端に近い数字が出てくるのは、まとまった額を借りる契約に限られることが多いんです。
初めて申し込んで、いきなり下限が適用されると考えるのは、あまり現実的ではないと思います。
返済の計画を立てるときは、上限のほうで計算しておいてください。
上限で組んでみて実際にはそれより低ければ余裕が出るだけですが、下限で組んで上限が適用されてしまうと、計画そのものが成り立たなくなりますよね。

法律で決まっている上限

金利は自由に決められるものではなく、利息制限法によって元本の額に応じた上限が定められています。

元本の額利息制限法による上限
10万円未満年20%
10万円以上 100万円未満年18%
100万円以上年15%

この上限を超える部分については、その超えた部分の契約が無効とされます。
さらに出資法のほうでは、年20%を超える貸付に刑事罰まで定められているんです。
かつてはこの2つの法律のあいだに差があり、いわゆるグレーゾーン金利と呼ばれる領域が存在しましたが、法改正によって解消されました。
したがって現在は、正規の貸付で年20%を超える条件が提示されることはありません。
もし年20%を大きく超える条件を持ちかけられたのであれば、正規の貸付ではない可能性があるため、契約せずに警察や消費生活センターへ相談してください。
上限金利そのものと改正の経緯は、金融庁の貸金業法のキホンで確かめられます。

上限の区分と元本の関係

見落とされやすいのが、表にある区分は限度額ではなく元本、つまり実際に借りている金額で決まるという点です。
限度額が100万円に設定されていても、借入残高が50万円であれば、その部分に対応する上限は年18%のほうなんです。
この違いが効いてくるのは、限度額の増額を検討するときです。
限度額が上がっても借入残高が変わらなければ、適用される上限の区分も変わりません。
だから「限度額を上げれば金利が下がる」という理解は、じつは正確ではないんです。

金利の仕組み

自分の率が確定するタイミング

では、自分に適用される率はいつ分かるのかというと、契約の内容が決まった時点です。
申し込みの結果として限度額と金利が提示され、契約書面に記載されます。
広告の範囲表示ではなく、この書面に書かれた数字が自分にとっての金利です。
すでに契約している場合は、会員ページや契約時の書面で確認できます。
見当たらないときは、契約先の窓口に問い合わせれば教えてもらえますよ。
なお、契約の内容によっては途中で率が変わる場合があり、その条件も書面に定められています。
借入残高が区分をまたいだ場合には、上限の区分そのものが変わることもあります。

遅延損害金という別の利率

契約書には、通常の金利とは別に遅延損害金の利率が記載されています。
これは返済が遅れた期間について適用されるもので、営業として行われる貸付では年20%が上限とされています。
つまり、ふだんは年15%で借りていても、遅れた期間についてはそれより高い率が適用されるかもしれません。
金利を比べるときに、ここまで確認する人はあまり多くありません。
しかし、実際に負担が重くなるのは遅れたときなので、契約前に一度は目を通しておいてください。
そして、遅れそうだと分かった時点で、遅れてから連絡するのではなく事前に契約先へ連絡してください。
対応の選択肢は、遅れる前のほうがずっと多く残っているんです。

無利息期間の位置づけ

一定の期間だけ利息がかからないサービスが用意されていることもありますが、これを金利の有利さとして受け取ってしまうのは、ちょっと危ないと思います。
無利息期間が意味を持つのは、その期間内に返し終える見込みがある場合だけで、期間を過ぎればそこから通常の金利が適用されるからです。
そして、期間内に返し終えられるほどの金額であれば、そもそも借りずに済ませられる場合も少なくありません。
考える順番としては、無利息かどうかよりも、いつ返し終えるかのほうが先でしょう。
返し終える時期が決まっていればそれを助ける条件になりますが、決まっていなければ、利息が始まる時期を後ろにずらすだけの条件です。
なお、適用の条件は商品によって異なるため、公式ページで確認してください。

契約前に受け取る書面のどこを見るか

契約の前後には、条件を記載した書面が交付されます。
分量があるので読み飛ばされがちですが、金利に関して確認したいのは、じつは次の4か所だけなんです。

  • 実質年率 ── 範囲ではなく、自分に適用される率が一つの数字で書かれています。
  • 限度額 ── いくらまで借りられるか。
  • 遅延損害金の利率 ── 通常の金利とは別の数字です。
  • 返済金額と返済期日 ── 毎月いくらを、いつまでに払うのか。

この4か所を確認したうえで、事前に立てた計画と合っているかを見比べてください。
計画を上限で組んでいれば、たいていは想定の範囲に収まるはずですよ。
もし想定より条件が厳しければ、その場で契約を進めずに、金額を減らすなどの見直しをする余地は残っているんです。
書面を受け取ってからでも、契約を結ぶ前ならまだ止められますよ。

金利以外に確認する条件

  • 返済方式 ── 残高に応じて毎月の返済額が変わる方式なのか、一定額なのか。
  • 最低返済額 ── その額だけを払い続けた場合、いつ返し終わるのか。
  • 繰り上げ返済 ── 余裕のある月に多く返せるか、手数料はかかるか。
  • 遅延損害金の利率 ── 遅れたときに適用される率。
  • 限度額の見直し ── 増額や減額が自動的に行われることがあるか。

金利を1%比べることに時間をかけるより、この5項目を確認するほうが、結果として支払う総額への影響はずっと大きいんです。
とくに返済方式は、同じ金額を同じ金利で借りても終わる時期が変わってくる部分なので、契約前に見ておいてください。

金利を下げる方法があるかどうか

いま契約している金利を下げられないか、という点はどうしても気になるところだと思います。
残念ながら、こちらから働きかけて確実に下がる方法というものはありません。
金利は契約時に決まり、その後の見直しも契約先の判断によるためです。
ただ、率が変わる可能性のある場面は、いくつかあるんです。
ひとつは限度額の増額を申し込んだときで、審査の結果として条件が見直されることがあります。
もうひとつは、借入残高が利息制限法の区分をまたいだときです。
ただし、いずれも下がることを前提に計画を立てるべきものではありません。
それよりも確実なのは、借りている期間を短くすることです。
利息は残高に対して日ごとに発生するため、率が同じでも期間が短ければ支払う総額は小さくなります。
率を0.1%下げようとするより、返済額を月に数千円増やすほうが、はるかに大きく効いてくると思います。

金利にまつわる誤解

■ 比較のときに判断を誤りやすいところ
「広告の下限が自分にも適用される」 ── 限度額が大きい契約に適用されることが多い数字です。計画は上限で立ててください。
「金利が低いほど審査に通りやすい」 ── 金利の水準と審査の結果は別のものです。
「限度額を上げれば金利が下がる」 ── 上限の区分は元本の額で決まります。
「無利息期間が長いほど得」 ── その期間内に返し終える計画がなければ、判断材料になりません。

よくある質問

■ 金利は途中で変わることがありますか

契約の内容によっては変わる場合があり、その条件は契約書に定められています。
また、借入残高が利息制限法の区分をまたぐと、上限の区分そのものが変わります。

■ 実質年率とは別に手数料はかかりますか

実質年率は、その借入にかかる手数料などを含めて年率に換算したものですが、提携ATMの利用手数料や振込手数料など、別に発生する費用がある場合があります。
一回あたりは少額でも回数が重なれば積み上がるため、手数料のかからない方法を先に確認しておくと無駄が出ません。

■ 契約したあとで金利が高いと気づいた場合はどうなりますか

契約後に率そのものを下げることは基本的にできませんが、支払う総額を減らす方法は残っています。
返済額を増やす、余裕のある月に繰り上げ返済をするといった方法で、借りている期間を短くすれば、利息はその分だけ減っていきます。
複数の契約がある場合は、年率の高いものから優先して返していくと、同じ金額を返していても減り方が変わってきますよ。

■ 銀行と消費者金融で金利は違いますか

一般に銀行のほうが上限は低めに設定されている傾向がありますが、実際に適用される率は契約ごとに決まるものです。
提供元の種類だけで判断せず、提示された条件で比べてください。

まとめ

実質年率は、利息に手数料などを含めて年あたりの割合に換算したもので、商品どうしを同じものさしで比べるための数字です。
広告の表示は範囲であって自分の数字ではないので、計画を立てるときは上限で計算しておいてください。
その上限は利息制限法で定められており、元本の額に応じて年20%、年18%、年15%と区分されます。
限度額ではなく元本で決まるという点は、いちばん見落とされやすいところだと思います。
そして、自分の率が確定するのは契約の内容が決まった時点で、契約書面に記載されます。

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