職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる書き方のコツ

職務経歴書の書き方|採用担当に伝わる書き方のコツ

どこに時間を使い、何を書き、何を書かなくていいのかを順に整理しました。

職務経歴書でいちばん時間をかけるべきなのは、書式でもレイアウトでもなく、冒頭にある職務要約の数行です。
ここが実質的にいちばん読まれるので、全体の印象がほとんど決まってしまいます。
読み手は採用担当者で、限られた時間のなかで多くの応募書類に目を通しています。
その方が知りたいのは、あなたが何をやってきたかそのものではないんです。
この人を呼んで話を聞く価値があるかどうか、という一点になります。
つまり職務経歴書は経歴の記録ではなく、その判断を助けるための書類だと考えてください。

いちばん読まれるのは冒頭の数行

職務経歴書の先頭には、職務要約という数行の欄があります。
多くの方はここを最後に、余った時間で書いていると思います。
その順番を逆にして、全体にかける時間の半分をこの数行へ使ってみてほしいんです。
極端に聞こえるかもしれませんが、読まれる量から逆算すれば妥当な配分なんです。
職務要約に入れる要素は3つで、どの分野で何年やってきたか、いま何ができるか、そして応募先で何ができそうか。
この3つが3行で伝われば、その先も読んでもらえます。

▶ 職務要約の型
1行目 ── 分野と年数(例:法人向けの営業を7年、うち3年はチームの取りまとめ)
2行目 ── 具体的にできること(例:新規開拓と既存顧客の対応を両方担当)
3行目 ── 応募先との接点(例:貴社が強化されている分野と、経験が重なる)
3行目だけは、応募先ごとに書き換えてください。ここ以外は使い回して構いません。

成果ではなく規模の数字

職務経歴書には数字を入れる、とよく言われますが、そこで成果の数字を探しはじめて手が止まってしまう方が多いんです。
売上を何%伸ばした、という話が出てこない職種はいくらでもあります。
成果が出せなかったのではなく、そもそも数字で測る種類の仕事ではないだけでしょう。
その場合は、規模の数字を書いてください。
扱っていた金額、担当した件数、関わった人数、期間。
これなら、どんな職種からでも出てきます。
そして読み手にとっては、これで十分すぎるほど情報になるんです。
月に何件を扱っていたのか、何人のチームだったのか、この2つが分かるだけで仕事の密度は伝わります。
成果の数字がないことを気にして、書けるはずの規模の数字まで落としてしまうのが、いちばんもったいない書き方だと思います。

職務経歴書の書き方

読み手が持つ疑問への先回り

採用担当者は、書類を見ながらいくつも疑問を持ちます。
その疑問が解けないまま読み終わると、確認のために呼ぶ理由が減ってしまうでしょう。
そして持たれる疑問は、職種が違ってもだいたい決まっています。

読み手が持つ疑問書類側で先回りする方法
なぜ辞めたのか職歴の各社に、退職の背景を一行添える
この空白期間は何か期間と、その間に何をしていたかを書く
転職が多いが定着するのか一貫して積み上げてきたものを職務要約で示す
うちで何ができるのか職務要約の3行目で接点を書く
この用語は何を指すのか社内用語や業界用語に短い説明を添える

この5つに先回りできていれば、書類としては十分だと思います。
逆に、ここを空白にしたまま経歴だけを並べると、読み手は疑問を抱えたまま読み終わります。
面接で説明すればいいと考えがちですが、その面接に呼ばれなければ説明する機会そのものがありません。

時間をかけなくていい部分

■ 時間をかける価値が薄いもの
応募先ごとに全部書き直す ── 書き換えるのは職務要約の3行目と、強調する経歴の順番だけで足ります。
テンプレートを探し続ける ── 書式そのもので差はつきません。中身に時間を使ってください。
すべての職歴を均等に書く ── 応募先に関係の薄い経歴は、短くまとめて構いません。
自己PRを長くする ── 職務要約と内容が重なりやすい欄です。短くて構いません。

書式3種類の選び方

書式並べ方向いている人
編年体古い順一貫した経歴を積んできた人
逆編年体新しい順直近の経験を評価してほしい人。迷ったらこれ
キャリア式職種・分野ごと転職が多い人、複数分野を経験している人

逆編年体を基本にしていい理由は単純で、読み手がいちばん知りたいのは直近だからです。
10年前の経験より、去年何をしていたかのほうが判断に使われます。
ただし転職の回数が多い場合、時系列で並べると回数の多さのほうが目立ってしまうでしょう。
そのときはキャリア式にして、分野ごとにまとめてください。
書式の選択は、実質この2択で決まると思います。
形式に迷ったら、ハローワークの職務経歴書の作り方に3種類ぶんの見本があります。

分量とレイアウトの目安

  • A4で2枚まで ── 3枚を超えると、読まれない部分が出ます。
  • 1社あたり数行から十数行 ── 直近を厚く、古いものを薄く。
  • 箇条書きを使う ── 文章で埋めると、拾い読みができません。
  • 専門用語には一言添える ── 社内用語は、外に出ると通じません。

レイアウトに凝る必要はないので、読み手が拾い読みできるかどうかだけを基準にしてください。
装飾に時間を使うより、見出しと箇条書きを整えたほうがずっと効きます。

書きにくい経歴の扱い方

書きにくい部分を空白にすると、そこがそのまま疑問として残ります。
短くて構わないので、必ず何かを書いておきましょう。

  • ブランク期間 ── 期間と、その間にしていたことを一行で。療養や介護など、詳細を書きたくない事情は「家庭の事情により」といった書き方で構いません。
  • 複数の職種を経験 ── キャリア式にして、分野ごとにまとめます。応募先に近い分野を先に置きます。
  • フリーランス・業務委託 ── 契約形態を明記し、案件の規模と期間まで添えます。屋号がある場合はそれも。
  • 職歴が1社だけ ── 社名より、担当した業務の幅で見せます。部署異動や役割の変化があれば、それを区切りにします。

どれも、隠すより書いたほうが有利に働きます。
書かないでおくと、読み手はいちばん不利な想像で埋めてしまうからです。

転職面接でよくある質問と回答のポイント

職種ごとに変わる重心

職種厚く書く部分薄くてよい部分
営業扱っていた商材、顧客の規模、担当件数使用ツールの列挙
事務・管理担当していた範囲、月次の処理量、改善した手順抽象的な心がけ
技術・開発関わった工程、規模、担当範囲経験年数の羅列
販売・接客店舗の規模、担当した業務の幅、教育の経験接客の心構え

共通しているのは、右の列がどれも抽象的だという点です。
心がけ、意識、姿勢。
こうした言葉は誰でも書けてしまうので、読み手にとっては情報になりません。
書くなら、それが表れた具体的な行動のほうでしょう。
そして左の列は、どれも「どれくらいの規模で、何を担当したか」に行き着きます。
職種が違っても、伝えるべきことの構造は同じなんです。

添削の頼み方

書き上げたら誰かに読んでもらうわけですが、頼み方しだいで返ってくるものがまるで変わります。
「どうですか」と渡すだけだと、たいてい感想しか返ってきません。
代わりに、次の3つを聞いてみてください。

  • 「読んで、何をやってきた人だと思いましたか」 ── 意図した像と一致しているかが分かります。
  • 「読んでいて、疑問に思ったところはどこですか」 ── 先回りできていない部分が見つかります。
  • 「意味が分からなかった言葉はありますか」 ── 社内用語の残りが見つかります。

この3つを聞けば、直すべき箇所が具体的な形で出てきます。
読んでもらう相手は、業界の外にいる方のほうが向いていると思います。
同じ業界の人だと、社内用語がそのまま通じてしまうからです。
転職エージェントに添削を頼む場合も、この3点を聞くつもりで臨むと得られる情報が増えるでしょう。

提出前に確認する5つ

  1. 職務要約の3行目が、応募先向けになっているか
  2. 数字が1つ以上入っているか ── 成果でなくても、規模で構いません。
  3. 社内用語が残っていないか
  4. 他社向けの記述が残っていないか ── 使い回しで最も起きやすい事故です。
  5. 2枚に収まっているか

4つ目は実際によく起きる事故で、前に応募した会社の名前が残ったまま提出してしまう。
この一点だけで判断が変わることもあるので、送る前に必ず社名で検索して確かめてください。

書類を磨き続けることの限界

職務経歴書は面接に呼ばれるための書類であって、それ自体で採否が決まるものではありません。
ですから時間をかけて磨き続けるより、8割の状態で応募して、結果を見ながら直すほうが早く進むと思います。
2社、3社と送るうちに、どこで引っかかっているのかが見えてきます。
それともうひとつ、書類で経歴の弱さを補おうとするのはやめておきましょう。
書類にできるのは、いま持っているものを伝わる形に整えるところまでなんです。
ないものを作り出す手段ではありませんし、面接で必ず具体的に聞かれます。

よくある質問

■ 職歴が1社しかなく、書くことが少なくなります

社数ではなく、担当した業務の幅で書いてください。
部署の異動、役割の変化、担当範囲の広がり。
これらを区切りにすると、書ける内容はかなり増えるはずです。
1社で長く続けたということ自体も、読み手にとっては情報のひとつなんです。

■ アルバイトや派遣の経験は書いてよいですか

応募先の仕事に関係があるなら、書いてください。
そのとき契約形態は明記しますが、関係の薄いものについては簡潔にまとめて構いません。

■ 手書きとパソコン作成、どちらがよいですか

職務経歴書は、指定がなければパソコンでの作成が一般的です。
分量が多く、あとから修正も入るためです。
手書きが有利に働く場面は、ほとんどないでしょう。
なお履歴書のほうは、会社によって指定がある場合があります。

■ 提出はPDFと文書ファイル、どちらがよいですか

指定があればそれに従うとして、ない場合はレイアウトが崩れないPDFが無難だと思います。
ファイル名に氏名と書類名を入れておくと、受け取る側でも扱いやすくなります。

まとめ

職務経歴書は経歴の記録ではなく、読み手の判断を助けるための書類です。
時間の半分は冒頭の職務要約に使い、数字は成果でなくても規模で十分に伝わります。
そのうえで、読み手が持つ疑問に先回りしておきましょう。
なぜ辞めたのか、この空白は何か、うちで何ができるのか。
空白のまま出せば、読み手はいちばん不利な想像でそこを埋めてしまうんです。
完璧を目指すより、先回りできているかどうかで見直したほうが早いと思います。

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