転居予定を、応募書類のどこに書くか|地方在住からの応募で伝えること

転居予定を、応募書類のどこに書くか|地方在住からの応募で伝えること

伏せるか書くかで迷ったときは、意欲ではなく日付を書く、と考えると決まります。

現住所が勤務地から離れている場合、転居の予定は必ず書いたほうがいいと思います。
書かないほうが有利になる場面は、まずありません。
採用する側は入社日を決めなければ動けないので、そこが読めない応募書類は判断を後回しにされてしまうからです。
ただし、書く内容には向き不向きがあります。
上京への熱意や事情を並べても、相手が知りたいことには届きません。
必要なのは、いつから通えるかという一行だけなんです。

伏せたほうが有利、が成り立たない理由

まず、伏せること自体ができません。
履歴書には現住所の欄がありますし、応募フォームにも郵便番号や都道府県は必ず入ります。
読み手は最初の数秒でそこを見るので、触れていないという事実のほうが目立ってしまうでしょう。

そのうえで、書かないと相手の側に判断できない項目が残ります。
採用担当は面接の日程を組むところから仕事が始まるので、この人が平日に来られるのか、来られるとしたら何時からなのかを知りたがっています。
そこが空白のままだと、日程調整のメールを何往復もすることになってしまうんです。
先に書いてある応募者のほうが、単純に早く進んでいきます。

不利になるのを心配して伏せる人は多いのですが、実際に不利なのは伏せたほうです。
遠方であること自体は減点になりませんが、予定が読めないことは判断の保留につながります。

応募書類に転居の予定を書く

書くのは意欲ではなく、日付

ここがいちばん間違えやすいところだと思います。
「御社で働きたい一心で上京を決意しました」という書き方は、熱意としては伝わっても、日程の判断には使えません。
読み手が知りたいのは気持ちではなく、いつ面接に来られて、いつから出社できるのか、この2つだけなんです。

伝わりにくい書き方そのまま使える書き方
上京を強く希望しております内定後1か月以内に転居できます
できるだけ早く引っ越します6月中に転居し、7月1日から勤務できます
面接には調整して伺います火曜と木曜の15時以降であれば伺えます
オンライン面接も可能です一次はオンラインでの実施を希望します。最終は対面で伺えます

右側はどれも、読んだ人がそのまま予定表に書き込める形になっています。
左側は好意的に読んでもらえたとしても、結局こちらに問い合わせが返ってくるでしょう。
手間が1往復増えるだけでなく、その間に他の候補者の日程が先に埋まってしまうこともあります。

▶ 転居時期は、正確でなくてかまわない
内定も出ていない段階で、日付を確定できるわけがありません。
相手もそれは分かったうえで聞いています。
ですから「内定後◯週間以内」「◯月中」という粒度で足ります。
決まっていないことを空白にするより、幅を持たせて書いたほうがずっと伝わります。

3か所の書き分け

転居の予定を書く場所は3つあって、それぞれ求められている粒度が違います。
同じ文章を3か所に貼ると、くどくなるうえに要点がぼやけてしまうんです。

書く場所書く内容分量の目安
履歴書の本人希望記入欄転居できる時期と、面接に出られる曜日・時間帯2行から3行
職務経歴書の冒頭勤務地の希望と、いつから通えるか1行
応募フォームの備考欄遠方からの応募である旨と、オンライン面接の希望2行

いちばん本文が長くなるのは履歴書の本人希望記入欄です。
この欄は待遇の希望を書く場所だと思われがちですが、実際には日程の連絡欄として機能します。
職務経歴書のほうは経歴を読ませる書類なので、冒頭に一行だけ添えて本題に入ってください。

■ 本人希望記入欄の書き方
現在は◯◯県に在住しております。
貴社の勤務地への転居を前提に応募しており、内定後1か月以内に転居が可能です。
面接は火曜・木曜の15時以降、またはオンラインでの実施を希望いたします。

3行で、居住地と転居時期と面接可能日が全部そろいます。
これ以上足す必要はありませんし、足すとかえって読みにくくなるでしょう。

面接に出られる日を、先に出しておく

遠方からの応募で日程が長引く原因は、候補日のやり取りにあります。
企業から候補日が届いて、こちらの都合が合わずに出し直して、また返事を待つ。
この往復が2回続くだけで、1週間が過ぎてしまうんです。

ですから応募の時点で、出られる曜日と時間帯をこちらから提示してください。
指定するのではなく、選択肢として並べるのがコツだと思います。
複数出しておけば、相手はその中から選ぶだけで済みますし、遠方であることへの配慮も伝わります。

在職中で有給が取りにくいなら、その事情も添えて構いません。
ただし「有給が取れないので」と書くより、「平日は18時以降であれば対応できます」と書いたほうが、相手は動きやすくなります。

▶ 複数社の日程をまとめる進め方
候補日をどう並べるか、1回の上京に何社まで詰められるかは上京転職の面接・日程調整のコツで詳しく扱っています。

オンライン面接の希望を、条件にせずに伝える

遠方からの応募でいちばん助かるのは、一次面接をオンラインで受けられることでしょう。
ただ、これを応募の条件として出してしまうと、受けられる会社がぐっと減ってしまいます。
同じことを伝えるにしても、書き方を少し変えるだけで受け取られ方はずいぶん違ってきます。

避けたいのは「オンライン面接が可能な場合のみ応募します」という形です。
選考の進め方を応募者の側が決めてしまうことになるので、読み方によっては窮屈に見えるかもしれません。
そうではなく、希望として出したうえで、対面にも応じられると添えておいてください。

■ そのまま使える3行
一次面接につきましては、オンラインでの実施が可能でしたら幸いです。
対面をご希望の場合も、日程を調整のうえ伺います。
最終面接は対面で伺う前提で、予定を組んでおります。

3行目まで書いておくと、相手は最終面接の日程を早い段階で押さえられます。
遠方の候補者に対して企業がいちばん気にするのは、最終面接に来てもらえるかどうかなんです。
そこを先に消しておくと、選考は驚くほどすんなり進んでいきます。

書かなくていいこと

逆に、書いても効かない項目もあります。
紙の面積は限られているので、ここを削って日程の情報に回してください。

■ 応募書類には要らない情報
上京したい理由 ── 地元を離れる動機は、志望動機とは別の話です。聞かれたら面接で答えれば足ります。
家族の事情や住宅の事情 ── 転居できるかどうかの結論だけが必要で、経緯は求められていません。
まだ物件を探していないという断り ── 内定前に決めていないのは当然なので、わざわざ書くと不安に見えます。
遠方からの応募をわびる一文 ── 遠方であることは落ち度ではないので、あやまる場面ではありません。

最後の1つは、書いてしまう人がかなり多いところでしょう。
「ご迷惑をおかけしますが」と添えたくなる気持ちは分かりますが、企業側は迷惑だとは思っていません。
むしろ、遠方から応募が来ること自体は歓迎されているんです。

面接に出られる日を先に整理する

予定が変わったときの書き直し方

選考が進むあいだに、転居できる時期が変わることもあります。
退職日が動いたり、家族の予定が入ったりする場合ですね。

このときは、書類を出し直すのではなく、担当者へのメールで更新してください。
先に書いた内容を訂正する形にして、新しい日付と、なぜ動いたのかを一行添えれば十分です。
黙って変えると、内定後の入社日の調整でつじつまが合わなくなってしまいます。

反対に、早められるようになった場合も伝えたほうがいいでしょう。
入社日が1か月早まると分かれば、選考の優先度が上がることもあります。

よくある質問

■ 現住所は、実家と一人暮らし先のどちらを書きますか

いま住民票がある場所ではなく、実際に住んでいて連絡が届く住所を書いてください。
書類の郵送や、まれに届く電報のような連絡がそこに向かうためです。
住民票の住所と違う場合は、その旨を一行添えておけば混乱を避けられます。

■ 転職エージェント経由でも、同じことを書きますか

書類の中身は同じで構いませんが、日程の希望は担当者にも口頭で伝えておいてください。
エージェント経由だと日程調整を担当者が代行するので、書類より先に口頭の情報が使われることが多いんです。
書いてあるからと安心していると、こちらの都合が反映されないまま日程が決まってしまうことがあります。

■ 引っ越し費用を会社が出してくれるかは、応募時に聞けますか

応募の段階で聞くと、条件面から入る印象になってしまうかもしれません。
求人票に赴任手当や引っ越し費用の記載があるかどうかを、まず自分で確認してください。
書かれていない場合は、内定が出て条件を詰める場面で確認するのが自然だと思います。

■ 転居の予定を書いたのに、対面での面接を求められました

転居予定を書くことと、面接がオンラインになることは別の話です。
最終面接を対面で行う会社は多いので、そこは織り込んでおいたほうがいいでしょう。
このときこそ、同じ週に他社の面接を寄せておくと1回の上京で済みます。

■ 複数の会社に出す場合、日程の欄は同じ内容で構いませんか

転居できる時期は同じで構いませんが、面接に出られる候補日のほうは会社ごとにずらしてください。
全社へ同じ候補日を出すと、同じ日時に2社の面接が入って動かせなくなることがあるんです。
第1志望には広めに、それ以外は少し絞った候補日を出す、という配分にしておくと調整がききます。

まとめ

転居の予定は、応募書類に必ず書いてください。
伏せても住所欄で分かりますし、書いていないほうが判断を保留される理由になってしまいます。
書く内容は意欲ではなく日付で、粒度は「◯月中」「内定後◯週間以内」で足ります。
場所は履歴書の本人希望記入欄、職務経歴書の冒頭、応募フォームの備考欄の3か所で、それぞれ書き分けてください。
そして面接に出られる曜日と時間帯を、こちらから先に並べておきましょう。
この一手間だけで、日程のやり取りが何往復も減っていきます。

▶ 職務経歴書そのものの書き方
冒頭の数行をどう作るか、経歴をどの順で並べるかは職務経歴書の書き方にまとめてあります。