転職面接でよくある質問と回答のポイント
転職面接でよくある質問と回答のポイント
聞かれることの中身と、限られた時間で何を用意しておけばいいのかをまとめました。
転職の面接で聞かれることは、突き詰めると「なぜ辞めるのか」「なぜうちなのか」「来たら何ができるのか」の3つに集約されます。
自己紹介も強みも逆質問も、たどればこのどれかにぶら下がっているんです。
ですから、想定問答を100個そろえる必要はありません。
模範回答を暗記しても、少し言い方を変えて聞かれただけで使えなくなりますし、暗記したものは声に出した瞬間に分かってしまいます。
代わりに用意するのは、自分の具体的な出来事を5つ。
素材さえ手元にあれば、聞かれ方が変わっても、その場で組み立て直せると思います。
3つの意図と代表的な質問
| 意図 | 代表的な質問 | 確かめられていること |
|---|---|---|
| なぜ辞めるのか | 退職理由、前職の課題 | 同じことがうちでも起きないか |
| なぜうちなのか | 志望動機、他社の選考状況 | 調べたうえで来ているか、すぐ辞めないか |
| 来たら何ができるのか | 自己PR、強み、入社後にやりたいこと | いまいる人と何が違うか |
たとえば「短所を教えてください」という質問は、3つ目の裏側から聞いているだけなんです。
できないことを自分で把握していて、それにどう対処しているかを見ています。
この構造が頭に入っていれば、初めて聞かれる質問が来ても、どの意図に答えればいいのかを判断できるでしょう。
逆に構造を持たないまま臨むと、一問ごとに正解を探すことになって、時間も気力も足りなくなります。
回答ではなく素材5つ
素材というのは、自分が実際に経験した具体的な出来事のことです。
いつ、何があって、自分はどうして、結果どうなったか。
これを5つほど用意しておけば、たいていの質問には対応できます。
同じ出来事が、複数の質問に使い回せるからなんです。
たとえば担当を引き継いだときの話は、強みにも、課題への対処にも、入社後の貢献にも使えます。
切り口を変えているだけで、材料は同じです。
逆に質問ごとに別々の回答を用意しようとすると、いくら作っても数が足りません。
素材を人に当てて試したい場合は、ハローワークが面接の受け方のセミナーを無料で開いています。
● 状況 ── いつ、どこで、何が起きたか
● 自分の役割 ── そのとき自分は何を担当していたか
● やったこと ── 具体的な行動を1つか2つ
● 結果 ── どうなったか。数字があれば入れる
これを5つ。紙1枚に収まります。
退職理由の分け方
いちばん答えにくいのが、退職理由だと思います。
正直に言えば不満に聞こえてしまうし、取り繕えば嘘になる。
この板挟みで詰まってしまうわけです。
ここは、事実と方向の2つに分けてしまいましょう。
起きたことそのものと、そこから何を求めるようになったか、という2段構えにします。
事実のほうは変えられませんが、そこに方向を足すかどうかは自分で決められるんです。
たとえば担当が固定されていて幅が広がらなかった、という事実があるとします。
そこで止めずに、だから複数の領域に関われる環境を探している、と続けてください。
これは取り繕いではなく、事実を述べたうえで次に求めているものを言っているだけです。
そして面接官が本当に聞きたいのは、たいてい後半のほうなんです。

志望動機と、調べる3か所
なぜうちなのか、という質問への答えは、準備した量にきれいに比例します。
ここだけは素材ではなく調べる作業が要りますが、見るところは3か所で足ります。
- 採用ページの、求める人物像 ── そこに書かれている言葉が、その会社の課題です。
- 直近1年のニュースリリース ── いま何に力を入れているかが分かります。
- 募集している他の職種 ── どの部門を増やそうとしているかが見えます。
この3つを見ておけば、会社が何をしようとしているのか、おおよその見当はつきます。
そこに自分の経験が重なる部分を1つ見つけて、志望動機の中心に置いてください。
理念に共感した、成長できそう、といった言い方はどの会社にも当てはまってしまうので、まず効きません。
具体的な事業や取り組みの名前が入っているかどうかが、そのまま差になると思います。
30分調べるだけで変わる部分なので、時間がないときこそここから手を付けてください。
準備しなくていいこと
● 模範回答を暗記する ── 聞かれ方が変わると使えません。素材から組み立ててください。
● 逆質問を10個用意する ── 3つで足ります。多く用意しても、聞ける時間はありません。
● 服装を何日も悩む ── 指定がなければ、清潔で落ち着いたものであれば問題になりません。
● すべての質問に完璧に答えようとする ── 1問詰まっただけで決まることは、あまりありません。
用意する逆質問3つ
- 入社後の具体像を確かめるもの ── 「入社後、最初の3か月はどのような業務からになりますか」
- 働き方の実態を確かめるもの ── 「この部署の方の1日の流れを教えていただけますか」
- 相手が話しやすいもの ── 「この仕事のいちばん面白いところは何だとお感じですか」
逆質問は意欲を示す場だとよく言われますが、それだけではないと思っています。
こちらが相手を判断するための時間でもあるからです。
とくに2つ目は、入社後の生活にそのまま直結します。
制度があるかどうかを尋ねるより、実際の1日を尋ねたほうが実態は出てくるでしょう。
なお、待遇や条件を聞くことは失礼ではありません。
最終面接や内定後の面談で確認すれば十分ですが、聞かないまま入社して困るのは自分のほうです。
オンライン面接で実際に差がつくところ
オンライン面接の注意点として、通信環境や背景の話がよく挙げられます。
それらは前提として済ませておくとして、実際に印象を左右するのは間の取り方のほうなんです。
オンラインではわずかな遅延があるので、相手が話し終わったと思って口を開くと重なってしまいます。
対策は単純で、相手が話し終わってから一拍おいてから話し始めること。
この一拍があるだけで、会話がぶつからなくなります。
もう1つは、カメラを見る時間でしょう。
画面に映る相手の顔を見ていると、相手からは視線が下を向いて見えてしまいます。
話すときだけカメラを見る、と決めておくと自然になります。
この2つ以外は、対面の面接と大きく変わりません。
段階ごとに変わる相手と重心
| 段階 | 相手 | 見られやすいこと |
|---|---|---|
| 一次 | 人事、現場の担当者 | 経歴の事実確認、基本的なやり取り |
| 二次 | 配属先の責任者 | 実務が務まるか、チームに入れるか |
| 最終 | 役員、経営層 | 長く働く見込みがあるか、方向が合っているか |
相手が変われば、同じ話でも重心を変えたほうがいいでしょう。
現場の責任者には、具体的な業務の話がそのまま通じます。
一方、最終面接で細かい業務の話をしても、相手の判断材料にはなりません。
最終で見られているのは、多くの場合、方向が合っているかどうかなんです。
なぜこの業界なのか、これからどうしたいのか。
ですから素材の5つのうち、どれを前に出すかを段階ごとに入れ替えてください。
すべての面接で同じ話をしていると、後半で出せる情報が尽きてしまいます。

集団面接とグループディスカッション
複数人で行われる形式では、見られているものが少し違います。
集団面接でまず効いてくるのは、一人が話す長さでしょう。
一人が長く話せば、その分だけ他の人の時間が減ってしまいます。
他の応募者の回答を聞いたうえで長さを合わせる、くらいの意識で十分でしょう。
グループディスカッションのほうは、結論を出すことより議論が進むかどうかを見られます。
発言量が多ければいい、というものではないんです。
意見が割れたときに整理する、時間を見て次に進める、発言していない人に話を振る。
こうした役割のほうが、実際の仕事に近いからでしょう。
なお、これらの形式が中途採用で使われることはあまりありません。
案内があったときにだけ、準備すれば足ります。
前日と直前の使い方
面接が数日後に迫っているなら、やることを絞ってください。
前日にできるのは、素材5つを声に出して読むところまでだと思います。
黙読では気づかないのですが、声に出すと必ず言いにくい箇所が出てきます。
そこだけ言い方を変えれば、当日つかえる可能性はかなり下がるでしょう。
当日の朝は、志望動機の中心に置いた具体的な事業名だけ確認しておきます。
それ以上詰め込んでも、緊張した状態では出てきません。
あとは会場までの経路と、受付に着く時刻を決めておけば準備は終わりです。
当日の運用
- 到着は10分前 ── 早すぎると先方の準備が終わっていないことがあります。近くで時間を調整してください。
- 持ち物は3つ ── 応募書類の控え、筆記具、身分証。
- 複数社を受けていることは、聞かれたら答えて構いません ── 隠す必要はありません。
- 面接後の礼状は必須ではありません ── 送っても構いませんが、結果を左右する要素ではありません。
当日にできることは、思っているより限られています。
ほとんどは準備の段階で終わっている話なので、当日は運用に徹してしまいましょう。
よくある質問
■ 答えに詰まってしまったらどうすればよいですか
黙り込んでしまうより、考える時間をくださいと伝えたほうがよく、その一言があるだけで沈黙の意味が変わります。
それでも出てこないようなら、いま整理できていないので後ほど補足させてください、と伝えて次に進んで構いません。
■ 前職の不満を聞かれたら、正直に答えてよいですか
事実は述べて構いませんが、そこで止めずに、だから次に何を求めているのかまで続けてください。
事実だけで終わってしまうと、不満の表明として受け取られてしまうんです。
■ 複数社の選考を受けていることは伝えてよいですか
聞かれたら答えて構いませんし、転職活動で複数社を受けるのはごく一般的なことです。
ただし社名まで細かく話す必要はなく、同じ業界を中心に見ている、といった伝え方で足ります。
■ 面接会場に早く着きすぎた場合はどうすればよいですか
建物の外か近くの店で時間を調整して、受付に着くのは10分前を目安にしてください。
早く着きすぎると、先方の準備を急がせることになってしまうからです。
まとめ
面接の質問は、3つの意図に集約されます。
なぜ辞めるのか、なぜうちなのか、来たら何ができるのか。
覚えるのは回答ではなく、具体的な出来事の素材5つです。
退職理由は事実と、そこから何を求めるようになったかの方向に分けてください。
志望動機のほうは、調べた量がそのまま出ると思ってください。
採用ページ、直近のニュースリリース、他の募集職種。
この3か所を見てから臨めば、話す中身はずいぶん変わってくるはずです。
答えに詰まりやすい特定の質問への向き合い方は面接で答えに詰まりやすい質問5選で扱っています。
書類の段階でつまずいている場合は職務経歴書の書き方を、面接の練習相手が必要な場合はこちらの記事もご覧ください。


