光回線の乗り換え手順|違約金・工事費を抑えるコツ

光回線の乗り換え手順|違約金・工事費を抑えるコツ

出ていくときにかかる費用を4つに分けたうえで、使えない期間を作らない順番をまとめました。

乗り換えを考えるとき、最初に調べるのはたいてい違約金だと思います。
ただ、実際に請求が大きくなりやすいのは工事費の残りのほうなんです。
解約金は近年下がる方向にありますが、工事費の分割は契約した時期と回数でそのまま残ります。
ですから最初にやるのは、出ていくときにかかる金額を4つに分けて合計することです。
その数字が出れば、いま動くべきか、更新月を待つべきかも自然に決まってくるでしょう。

出ていくときにかかる4項目

解約にかかる費用は、ひとまとめの「違約金」ではありません。
性質の違うものが4つ並んでいるだけなので、分けて数えれば全体が見えます。

項目中身どこで確認するか
契約解除料更新月以外に解約したときにかかる費用契約時の重要事項説明書、会員ページ
工事費の分割の残りまだ払い終えていない工事費が一括で請求される毎月の明細にある工事費の項目と残りの回数
撤去の費用設備を外す作業にかかる費用。物件の条件で発生する解約時の案内、賃貸なら管理会社にも確認
機器の返却返却が遅れると相当額を請求されることがある解約時に届く返却キットの案内

このうち、契約解除料は事業者が引き下げる動きを見せている項目です。
月額料金の1か月ぶん程度にとどめている契約も増えてきました。
一方で工事費の残りは、契約した時期と分割の回数によって決まるので、下がりようがありません。
30回や60回の分割にしている契約なら、2年目でもかなりの額が残っていることになります。

▶ 乗り換えるかどうかを決める、1本の式
いま出ていく合計額 = 契約解除料 + 工事費の残り + 撤去費用
乗り換えで得られる額 = 新しい契約の還元 +(いまの月額 − 新しい月額)× 残る契約月数
● 下が上を上回るなら、いま動く判断に無理はありません。
● 差がわずかなら、更新月まで待ってから動くほうが確実でしょう。
● 還元には受け取り条件が付くので、確実に受け取れる金額だけを数えてください。

更新月だけを見ていると足をすくわれる

「更新月に解約すれば無料」という説明は、契約解除料だけを指しています。
工事費の分割が残っていれば、更新月に解約してもその残りは請求されるんです。
ここを同じものだと思っていると、想定より数万円多く出ていくことになりかねません。

「工事費実質無料」と書かれている契約は、たいてい分割払いと同額の割引を毎月当てる形になっています。
つまり払い終わるまで在籍することが条件で、途中でやめれば割引が止まって残額が表に出てきます。
自分の契約がこの形かどうかは、明細に工事費の行と同額の割引行が並んでいるかで見分けられるでしょう。

光回線の乗り換え手順|違約金・工事費を抑えるコツ

使えない期間を作らない順番

手続きの順番を間違えると、ネットのない日ができてしまいます。
次の順で進めてください。

  1. 乗り換え先を申し込む ── 現在の契約はまだ触りません
  2. 工事日または利用開始日を確定させる ── ここが決まるまで解約の連絡はしません
  3. 新しい回線がつながったことを自分で確認する ── 実際に通信できるところまで見ます
  4. いまの回線を解約する ── 解約日は、確認が済んだあとの日付にします
  5. 機器を返却する ── 期限と返却先を控えておきます

重なる期間は1週間から2週間ほど見ておくと安心です。
その分だけ月額が二重にかかりますが、つながらない日を作らないための保険と考えれば高くはないでしょう。
とくに在宅で仕事をしている方は、ここを削らないほうがいいと思います。

工事なしで動ける組み合わせ

乗り換え先によっては、工事も立ち会いも不要で切り替えられます。
いまの回線がどの種類かで決まるので、先に自分の契約を確かめてください。

いまの回線乗り換え先工事の要否
光コラボレーション(大手の光回線)別の光コラボレーション不要なことが多い。承諾番号を取って手続きします
フレッツ光光コラボレーション不要なことが多い。転用の手続きになります
電力系やケーブルテレビの独自回線光コラボレーション新規の工事になることがほとんどです
光コラボレーション独自回線新規の工事になります

承諾番号には有効期限があるので、取得したら早めに申し込みまで進めてください。
工事が不要な組み合わせなら、使えない期間そのものが発生しません。
この場合は重複期間を長く取る必要もないので、費用の面でも有利です。

乗り換え先で先に確かめること

条件は申し込む窓口によっても変わるので、次の点を先に見ておきましょう。

  • 建物が対応しているか ── 住所単位で確認します。ここが外れると先に進めません
  • 還元を受け取る時期と方法 ── 半年後、1年後の申請という条件はめずらしくありません
  • 還元の適用条件 ── 申し込み窓口やオプションの加入が条件になっていることがあります
  • 契約期間と、次の更新月 ── 乗り換えた先でも同じ問題が起きます
  • 割引が終わる時期 ── 数か月後に月額が上がる設計かどうかを見ます
  • 工事費の扱い ── 実質無料なら、また分割が始まると考えておきます

ここを飛ばすと、安くするつもりの乗り換えで次の縛りを作ることになってしまいます。
それでも申し込んだあとに話が違うと分かった場合は、書面を受け取ってから8日以内なら初期契約解除の制度で解約できます(総務省の電気通信消費者保護ルール)。
費用の内訳そのものを整理したい方は、別の記事にまとめました。

▶ 料金の内訳を確かめたい方へ
明細の分け方と実質料金の出し方は光回線の料金相場|戸建て・マンションで比較する目安 で扱っています。

メールアドレスと固定電話の扱い

見落とされやすいのが、回線とセットで使っているものです。
プロバイダから配られたメールアドレスは、解約と同時に使えなくなります。
少額の費用を払って残せる場合もあるので、必要なら解約前に申し込んでおいてください。

固定電話の番号は、条件がそろえばそのまま引き継げます。
ただし切り替えの当日に短い不通の時間ができることがあるので、仕事で使っているなら時間帯を選びましょう。
家族に通知が必要な番号なら、切り替え日を先に共有しておくと混乱しません。

乗り換えても変わらない場合

速度への不満が動機なら、いちど立ち止まったほうがいいかもしれません。
遅さの原因は回線そのものではなく、宅内の機器や電波の届き方にあることが少なくないからです。
その場合は乗り換えても同じ結果になり、費用と手間だけが増えてしまいます。
有線でつないで一度測っておくと、原因がどちら側にあるかの見当がつきます。

▶ まず原因を切り分けたい方へ
遅さの調べ方と対処はインターネットが遅い原因と対処法|Wi-Fiを快適にするコツ にまとめました。
▶ 乗り換え先の条件を見てみる
工事費や還元の条件をまとめたページはこちらの記事 です。

引っ越しと重なるときの考え方

転居の予定があるなら、乗り換えと移転のどちらにするかを先に決めておきましょう。
いまの契約をそのまま新居へ持っていく移転なら、契約解除料も工事費の残りも発生しません。
ただし新居の建物が対応していなければ、結局は解約からのやり直しになってしまいます。

一方で、引っ越しは契約を見直す数少ない機会でもあるんです。
どのみち工事が必要になるなら、そのタイミングで乗り換えたほうが手間はまとまります。
移転の費用と、乗り換えたときの合計額を並べて、安いほうを選べば迷いません。
判断がつかないときは、新居の建物が何に対応しているかを調べるところから始めてください。

切り替えたあとにやること

つながった時点で終わりにせず、あと4つだけ片づけておくと後悔しません。

  1. 旧回線の機器を期限内に返す ── 返却が遅れると相当額を請求されることがあります
  2. 最後の請求を確認する ── 日割りの扱いと、残債が乗っているかを見ます
  3. 還元の申請日をカレンダーに入れる ── 半年後や1年後の申請は、たいてい忘れます
  4. 新しい回線の接続方式を確かめる ── 速くならないときは、ここが原因のこともあります

3つ目は、乗り換えの得を丸ごと失う項目です。
申請できる期間が短いものもあるので、申し込んだその日に予定を入れてしまうのがいちばん確実でしょう。

よくある質問

ネットが使えない期間はできますか

順番を守れば、ほとんどの場合は作らずに済みます。
新しい回線がつながったことを確認してから解約すれば、空白は生まれません。
工事が不要な組み合わせなら、切り替えの当日に短時間の中断があるだけで終わります。

違約金は必ずかかりますか

更新月に解約すれば、契約解除料はかからない契約がほとんどです。
ただし工事費の分割が残っていれば、そちらは更新月でも請求されます。
2つは別のものなので、明細で分けて確認してください。

工事費はどのくらい残っているか分かりますか

毎月の明細に工事費の項目があり、そこに残りの回数が書かれていることが多いところです。
見当たらなければ、会員ページか窓口で「工事費の残債」と伝えれば教えてもらえます。
乗り換えを決める前に、この金額だけは必ず出しておきましょう。

プロバイダのメールアドレスは使えなくなりますか

原則として使えなくなります。
有料で継続できる仕組みを用意している事業者もあるので、必要なら解約前に手続きしてください。
各種サービスの登録に使っている場合は、先に別のアドレスへ変更しておくと安全です。

乗り換えと新規契約では、どちらが有利ですか

還元の条件は乗り換えのほうが厚く設定されていることもあれば、新規のほうが手厚いこともあります。
金額だけで決めず、受け取れる時期と条件まで見て比べてください。
そのうえで、出ていく側の合計額を引いた金額で判断するのが確実でしょう。

手続きは自分で全部やるのですか

乗り換え先の申し込みは自分で行い、解約の連絡もいまの契約先へ自分で入れます。
工事が不要な組み合わせでは、承諾番号を取る一手間が加わるだけです。
なお、解約を代行すると案内された場合は、実際に何をどこまでやってくれるのかを確かめておいてください。

まとめ

乗り換えで損をしやすいのは、違約金だけを見て動いたときです。
契約解除料、工事費の残り、撤去費用、機器の返却。
この4つを足した金額と、新しい契約で確実に受け取れる金額を並べてください。

そして手続きは、必ず新しい回線を先に開通させてから解約します。
この順番を守るだけで、使えない期間という一番やっかいな問題は消えてしまいます。