スマホと光回線のセット割とは|通信費をまとめて見直す考え方

スマホと光回線のセット割とは|通信費をまとめて見直す考え方

得かどうかは、家族の人数で大きく変わります。

スマホと光回線をそろえると安くなる「セット割」が気になっているものの、本当に得なのかよく分からない、という人も多いのではないでしょうか。

仕組みは単純です。
スマホと光回線を同じ系列でそろえると、スマホ側の月額から割引が入ります。
実際に安くなる人もいます。

ただ、割引額だけを見て決めるのは、私はあまりおすすめしません。
金額がはっきりしているぶん、そこで判断が終わってしまいやすいからです。
セット割で本当に効いてくるのは、毎月引かれる額よりも、契約が動かしにくくなることのほうではないでしょうか。
ここを見ないまま決めると、数年後に「選べる範囲がずいぶん狭くなっていた」と気づくことになりかねません。

セット割の仕組みと、割引が付く場所

割引は、多くの場合スマホ側の月額から引かれます。
光回線が安くなるのではなく、スマホが安くなる形です。
対象は同じ系列のサービスに限られ、ここはどの事業者でも共通しています。

違いが出るのは、家族の扱いです。
家族の回線もまとめて割引の対象になる場合、人数が増えるほど効果が大きくなるんです。
一人暮らしと4人家族では、同じセット割でも意味がまるで違います。
この差は、割引額の一覧を眺めているだけではなかなか見えてきません。

割引額ではなく総額で見るための枠

比べるのは合計です。

毎月いくら引かれるかより、契約が終わるまでに支払う合計のほうを見ましょう。
合計は、料金表を眺めているだけでは出てこないので、次の5つを並べて計算します。

▶ 総額を出すための枠
● 月額 × 契約する期間
● − セット割の合計(家族の回線数を含めて数える)
● − キャッシュバック等の特典(受け取れた場合だけ)
● + 工事費(残債が残る契約かどうかも確認)
● + 途中で解約した場合の費用
この5つを並べてから比べてみてください。月額だけの比較は、ほとんど意味がありません。

見落とされやすいのは、下の2つです。

工事費は、分割で請求されて、毎月の割引で相殺される形になっていることがあります。
この形だと、期間の途中で解約したときに、相殺されていない残りがまとめて請求されます。
特典も同じで、受け取れる時期や手続きの条件を確かめないまま計算に入れると、出てきた数字は実際とずれてしまうでしょう。
どちらも、契約してから気づいたのでは間に合いません。

スマホと光回線のセット割とは

見えないコストとしての動きにくさ

セット割を組むと、スマホと光回線が同じ系列に固定されます。
この状態で、片方だけを乗り換えるのは思っているより大変です。

スマホを格安の事業者に替えたくなっても、替えた時点でセット割は消えます。
光回線のほうを替えたときも同じです。
結局、両方を同時に見直すか、そのままにしておくかの二択になり、たいていの人はそのままにしておくことを選ぶのではないでしょうか。

ここが、セット割のいちばん見えにくいコストです。
月々の割引額ははっきり示されるのに、選べる範囲が狭くなることは金額として示されません。
契約の時点でここを織り込んでおけば、あとから「思っていたのと違う」とはならないはずです。
説明と実際が食い違ったときの相談先は、総務省の電気通信消費者情報コーナーにまとまっています。

いま使っているスマホ別の考え方

いま使っているスマホセット割の考え方
ドコモ系列の光回線とそろえると割引の対象になる。家族の回線数が多いほど効果が出やすい
au・ソフトバンク系列にそろえる選択もあるが、他社の安い光回線を割引なしで組むほうが総額で下回る場合がある
格安の通信事業者・オンライン専用プランそもそも対象外であることが多い。光回線は月額の安さで単独に選ぶほうが分かりやすい

使わない選択もアリです。

スマホ側をすでに安いプランにしている人ほど、割引で得られる差は小さくなっていきます。
その場合は、割引のない光回線を月額の安さだけで選ぶほうが、計算も判断もずっと簡単でしょう。

反対に、割引を受けるために高いスマホのプランに戻すのは、順番が逆です。
安くするための手段だったはずの割引が、いつのまにか目的にすり替わってしまっています。
手続きの手間をかけたくない人なら、割引のない分かりやすい料金のほうが、結果として納得しやすいかもしれません。

比較の軸にしなくていいもの

比べる材料は多いほうがいいように思えますが、増やすほど判断が鈍るものもあるんですよね。
次の4つは、優先度を下げて構いません。

■ 時間をかけて比べても、結論はほとんど変わりません
● 割引額だけで比べる ── 期間、工事費、解約時の費用を入れないと総額になりません。
● キャッシュバックを月額から引く ── 受け取りの条件と時期を満たせなければ、その計算は成立しません。
● 家族の回線数を数えずに検討する ── セット割の効果は、ここでいちばん大きく変わります。
● いま使っているスマホを前提から外す ── スマホ側を変える前提なら、そもそもセット割の話ではなくなります。

光回線とプロバイダの関係

セット割を調べていると、光回線とプロバイダが別々に出てくることもあれば、一体になっていることもあります。
ここが分かっていないと、比べているものがずれてしまうんです。

回線の設備を用意する側と、インターネットへの接続を提供する側は、もともと別の役割です。
この2つを別々に契約する形と、まとめて1つの契約にする形があります。
まとめる形は請求も窓口も1つなので、管理の手間がかかりません。
別々に契約する形は組み合わせを選べるぶん、条件を自分で確かめる必要が出てきます。

どちらがいいという話ではありません。
ただ、比べるときは同じ形同士を並べましょう。
一体型の月額と、回線だけの月額を横に並べれば、回線だけのほうが安く見えるのは当たり前です。
割引の条件が「回線」にかかるのか、「プロバイダを含む契約」にかかるのかも事業者によって違うので、申し込む前に、何と何をそろえれば対象になるのかを確かめておくと安心です。

家族で使う場合の確認事項

  1. 割引の対象になる家族の範囲(同居が条件か、別居でも対象か)
  2. 対象になる回線数の上限
  3. 家族それぞれが契約しているプランが、割引の対象かどうか
  4. 申し込みの手続きが必要かどうか(自動では適用されない場合があります)

4つ目は忘れがちです。

条件を満たしていても、申し込まなければ割引が適用されないことがあります。
契約したのに割引が入っていなかった、というのはよくある行き違いではないでしょうか。
申し込んだあとは、最初の請求で実際に割引が引かれているかを確かめておきましょう。
早く気づけば対応してもらえることもありますが、何か月もたってからだと難しくなるかもしれません。

乗り換えの順番と空白期間

セット割を組み直すために回線を乗り換えるなら、順番に気をつけたいところです。

先に解約してしまうと、新しい回線が使えるようになるまで、家にネットがない状態になります。
光回線は申し込みから開通まで時間がかかることがあり、時期によってはさらに延びます。
新しい回線が開通してから、古い回線を解約するのが基本の順番です。
重なる期間の費用はかかりますが、空白を作るよりは安全だと思います。
在宅で仕事をしている人にとって、数日でもネットがない状態は現実的ではないでしょう。

いまの回線を解約するときの条件も、あわせて見ておきましょう。
契約期間の途中かどうか、工事費の残りがあるかどうか、機器の返却が必要かどうか。
とくに機器の返却は忘れられやすく、期限を過ぎると費用を請求される場合があります。
解約の手続きをしたら、その場で返すものと期限をメモしておくと安心ですよ。

見直しのタイミングの決め方

通信費の見直しは、きっかけがないとなかなか動けません。
気づけば数年、ですよね。

なので、見直す時期を先に決めておくのがおすすめです。
契約の更新月、引っ越し、家族構成の変化、スマホの買い替えのどれかが来たら、通信費をまとめて見直すと決めておくのがコツです。
なかでも引っ越しは光回線をいったん解約する場面なので、見直しの負担がいちばん軽く済みます。
逆に、何も起きていない時期に見直そうとすると、手続きの手間ばかりが目について、つい先送りになりがちです。
見直すと決めた月をカレンダーに入れておくだけでも、実際に動けるかどうかはかなり変わります。

よくある質問

■ セット割は必ず使ったほうがいいですか

そうとは限りません。
スマホ側がすでに安いプランなら、差は小さいはずです。
家族の回線数が多いほど効果が出やすく、一人で使うなら効果は限られるでしょう。
割引はあくまで結果なので、それを目的にすると、総額のほうが増えてしまうこともあります。

■ 一人暮らしでもセット割を組む意味はありますか

意味はありますが、優先度は低めです。
回線1本ぶんの割引なので、光回線そのものの月額の差に埋もれてしまうことがあるからです。
まず光回線を単独で比べて、そのうえで割引が乗るなら組む、くらいの順番で十分だと思います。

■ 途中でスマホだけ乗り換えたらどうなりますか

割引が消えます。
セット割の条件から外れるためです。
光回線の契約は、そのまま続きます。
割引のない状態で光回線を使い続けることになるので、そのタイミングで光回線のほうも見直すかどうかを考えることになるでしょう。

■ 工事費が実質無料と書かれていました

相殺の形が多いです。
分割の工事費を、毎月の割引で打ち消しているんですね。
その場合、期間の途中で解約すると、残りの支払いが発生します。
「実質」と付いているときは、何と相殺されているのかと、途中で解約したらどうなるのかを確かめておきましょう。
相殺が終わる時期も見ておけば、いつ解約しても損が出なくなるのかが分かるので、その月を見直しのタイミングとして手帳に書いておくといいですよ。

まとめ

セット割は、割引額より、総額と動きにくさで判断するのがおすすめです。

総額は、月額、期間、割引、特典、工事費、解約時の費用を並べて計算します。
家族の回線数が多いほど効果が出やすく、一人で使うなら差は小さいでしょう。
スマホ側がすでに安いプランなら、セット割を使わないほうが分かりやすいこともあるでしょう。

料金や特典はよく変わるので、ここでは具体的な金額は扱っていません。
金額は、申し込む時点の公式ページで確かめてください。
セット割は、うまく使えばきちんと効きます。
効くかどうかを決めるのは、割引額より、自分の家族構成といまのスマホの契約のほうです。

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