急な出費への備え方|カードローンを使う前に確認したいこと
急な出費への備え方|カードローンを使う前に確認したいこと
借りるかどうかを決める前に、踏んでおく順番があります。その途中で必要な額そのものが下がることも、実際によくあります。
急にお金が要るとき、最初にやることは借入の申し込みではなく、いつまでにいくら必要なのかという2つの数字を確定させることです。
書き出してみると、期日が思ったより先だったり、一度に全額でなくてよかったりすることが、けっこうあるんです。
そのうえで期日を延ばせないか、分割にできないかを順に確認していくと、必要な額そのものが下がることも少なくありません。
借りるなという話ではなく、借りる前に踏む順番の話です。
期日と金額の確定
急いでいるときほど、自分の状況が正確に把握できていないものです。
ですから最初に、いつまでに必要かと、いくら必要かの2つを紙に書いてください。
たとえば請求書の支払期日が2週間後なら、給料日のほうが間に合う可能性がありますよね。
修理費や医療費も、一度に全額ではなく分割で支払える場合があります。
この確認をせずに借入の手続きを始めてしまうと、本来は必要のなかった金額まで借りることになるんです。
2つの数字が出たら、そこからは順番に確認していくだけです。
確認する順番
- 期日を延ばせないか ── 支払い先に事情を伝えて相談します。断られることもありますが、費用も記録も発生しません。
- 分割にできないか ── 医療費、修理費、税金など、分割の相談ができる場合があります。
- 公的な制度が使えないか ── 該当する制度があるかもしれません。窓口で確認します。
- 手元の資産で対応できないか ── 使っていない預金、解約できる契約など。
- 家族に相談できないか ── 相談しにくい相手なら、無理に選ぶ必要はありません。
- 借入を検討する ── ここまでで足りなければ、金額と期間を決めて検討します。
1つ目と2つ目は、実行する方が少ないわりに効果があります。
相談すること自体には費用がかかりませんし、断られたところで状況が悪くなるわけでもありません。
やらない理由が特にないので、まずはここから始めてみるといいと思います。
公的な制度の窓口
- 市区町村の窓口 ── 生活に関する相談や、各種の支援制度の案内を受けられます。
- 社会福祉協議会 ── 生活に必要な資金の貸付制度などを扱っています。
- 公的医療保険の窓口 ── 医療費が高額になった場合の負担を抑える仕組みがあります。加入している保険の窓口で確認できます。
- 年金や税の窓口 ── 納付が難しい場合の相談ができる場合があります。
制度の内容や条件は自治体や加入している制度によって異なりますし、申請から支給までに時間がかかるものもあります。
ですから急いでいる場合でも、問い合わせだけは先に入れておくといいでしょう。
使えないと分かればその時点で次に進めますし、使えると分かれば借入の金額を減らせます。
どちらに転んでも、確認しておく価値はあると思います。
すでに返済が重なって回らなくなっているなら、金融庁が多重債務の相談窓口を都道府県別に案内しています。

どうしても足りないときの支払いの順番
手元の金額が、すべての支払いには足りないという状況もあります。
このとき何から払うかで、その後の状況はかなり変わってきますよ。
考え方の軸になるのは、遅れたときに何が起きるかという一点です。
- 住まいを失うおそれがあるもの ── 家賃や住宅ローン。生活の土台なので最優先です。
- 止まると生活が成り立たないもの ── 電気、ガス、水道。
- 遅れると記録に残るもの ── 借入の返済、分割払い、携帯電話の端末代金。
- 相談によって期日を動かせる可能性があるもの ── 税金、公的保険料、医療費など。
この順番が絶対というわけではありませんが、判断の出発点にはなるはずです。
そして、いちばん下のものは払わなくていいという意味ではありません。
相談の窓口が用意されている場合があるので、放置せずに連絡してください。
放置と、相談したうえでの猶予は、扱いがまったく違うんです。
どこにも連絡せずに滞納するのが、いちばん選択肢を失う進み方でしょう。
相談するときに伝えること
公的な窓口に相談するとき、何を話せばいいのか分からないという声をよく聞きます。
準備しておくのは、次の4つの情報だけで足ります。
- 収入 ── 手取りの月額。
- 借入の一覧 ── どこから、いくら、毎月いくら返しているか。
- 毎月の固定費 ── 家賃、通信費、保険など。
- いま困っていること ── いつまでに、いくら足りないのか。
この4つが書いてあれば、話はそのまま進みます。
完璧に整理されている必要はありませんし、分からない部分は分からないと伝えて構いません。
そして相談したからといって、その場で何かを強制されることはないんです。
選択肢の説明を受けたうえで、決めるのは自分です。
ここを誤解して相談をためらう方が多いのですが、早い段階のほうが選べる手は多く残ります。
すでに返済が滞っている状態なら、新しい借入を探すより先にこちらへ回してください。
消費生活センター(消費者ホットライン188)、法テラス、日本貸金業協会の相談窓口、日本クレジットカウンセリング協会などが利用でき、いずれも相談そのものに費用はかかりません。
それでも借りると決めたときに決めること
● 期日を延ばす相談を、実際にしたか
● 分割にできないか、支払い先に聞いたか
● 公的な窓口に問い合わせたか
● そのうえで、まだ足りない額はいくらか
4つ目に出てきた数字が、借りる金額です。
急いでいるときは、この確認を飛ばしたくなると思います。
ただ、飛ばして節約できるのは数分で、そのかわりに動くのはその後の数年です。
金額が決まったら、毎月いくら返すかと、いつ返し終えるかも一緒に決めてしまってください。
とくに終わる日付が決まっていない借入は、なかなか終わりません。
毎月の最低返済額を払い続けているかぎり形式的には何も起きないので、そのまま放置されやすいんです。
返済額と期間の決め方は、返済シミュレーションの考え方のほうで詳しく扱っています。
急いでいるときほど避けたいこと
● 複数社に同時に申し込む ── 申し込みの記録は信用情報に残ります。早くなるわけでもありません。
● 必要額を多めに借りておく ── 手元にあれば使ってしまいます。必要な額だけにしてください。
● 「即日」「審査なし」をうたう相手に連絡する ── 正規の貸付では返済能力の調査が義務づけられています。
● 誰にも相談せずに決める ── 公的な相談窓口は無料で使えます。
3つ目は、注意というより警告です。
審査なし、ブラックでも可、必ず借りられるといった表現を掲げているものには、近づかないでください。
困っている状況につけこむ勧誘は、実際に存在します。
不審だと感じたら契約せず、警察や消費生活センターへ相談してください。
次に同じことが起きないための備え
今回のことが片づいたら、備えの側を用意しておくと次が楽になります。
目標は生活費の1か月分で、これがあれば次の急な出費の多くは借入なしで対応できます。
ためかたは、余ったら貯めるのではなく、給与が入った日に決めた額を別の口座へ移す形がいいと思います。
金額そのものは少額で構いませんし、大事なのは生活用の口座と分かれているという点です。
同じ口座にあると残高として見えてしまうので、いつのまにか使ってしまうんですよ。
そして、この口座は緊急用だと決めて、旅行や買い物には手をつけないでください。
固定費の見直しという備え方
貯めるには余りを作る必要がありますが、余りを作る方法としていちばん確実なのは固定費の見直しです。
通信費、保険、使っていないサブスクリプションあたりは、一度手続きをすればその後は何もしなくても毎月効き続けます。
食費を削る方法と比べると、我慢がいらないぶん続きやすいでしょう。
そして下がった分をそのまま緊急用の口座へ回す設定にしておけば、意識しないうちに備えが積み上がっていきます。
この仕組みを作っておくと、次に急な出費が来たときの問いそのものが変わります。
借りるかどうかではなく、いくら取り崩すかという話になるからです。
よくある質問
■ 急な出費に、すぐ借りるのはよくないのですか
借りること自体が悪いわけではありません。
ただ、確認を飛ばすと、本来は必要のなかった金額まで借りることになってしまいます。
期日と金額を確定させることと、期日の相談や分割の可否を確認すること。
この2つだけは、先にやっておきたいところです。
■ どのくらい備えがあれば安心ですか
まずは生活費の1か月分あたりが目安でしょう。
金額の大きさより、生活用の口座と分けてあることのほうが効きますよ。
同じ口座に入っていると、結局は残高の一部として使ってしまいます。
■ 家族に相談しにくい場合はどうすればよいですか
無理に相談する必要はありません。
公的な相談窓口は無料で利用できるので、消費生活センター(消費者ホットライン188)や市区町村の窓口から確認してみてください。
■ 給料日まで数日という場合も、同じ順番でいいですか
その場合は、期日を延ばす相談がいちばん効きます。
数日のずれであれば、支払い先が待ってくれることも珍しくありません。
数日のために借りると、手数料や利息のほうが相談の手間より高くつくこともあるんです。
まとめ
急な出費のとき、最初にやるのは借入の手続きではなく、期日と金額を確定させることです。
そのうえで、期日を延ばせないか、分割にできないか、公的な制度が使えないかを順に確認してください。
この過程で必要な額が下がることは、実際によくあります。
それでも借りると決めたなら、いくら借りて、毎月いくら返し、いつ返し終えるのかを決めてから手続きに進んでください。
そして次に備えるなら、固定費を下げて、その分を別の口座へ移す仕組みを作っておくのがいちばん確実です。
備えがあると、次に急な出費が来たときの問いが、借りるかどうかではなく、いくら取り崩すかに変わります。


