実質年率(金利)の計算の考え方|返済総額のイメージをつかむ

実質年率(金利)の計算の考え方|返済総額のイメージをつかむ

覚える式は1つだけで、あとはそこに数字を入れるだけです。毎月の返済額をいくらにするかで、総額は数万円の単位で変わってきます。

利息は「利息 = 借入残高 × 実質年率 ÷ 365 × 日数」という式ひとつで出せます。
たとえば10万円を年18%で30日借りていれば、利息はおよそ1,479円という計算になります。
1か月だけを切り取ると、思ったより少ないと感じるかもしれません。
ところが毎月の返済額を下げると、この積み重ねで総額のほうは何十万円という単位で増えていくんです。

覚える式は1つだけ

▶ 利息の計算式
利息 = 借入残高 × 実質年率 ÷ 365 × 日数
利息は、借りている残高に対して日ごとに積み上がります。
ですから残高が減れば利息も減りますし、日数が短ければ利息も少なくなります。
式に出てくる変数は、残高・年率・日数の3つだけです。

ここで大事なのは、利息が「借りた金額」ではなく「いま残っている残高」にかかるという点です。
返済を進めて残高が減っていけば、同じ年率でも利息は自然に減っていきます。
逆にいえば、残高が減らないかぎり利息は毎日発生し続けるということでもありますよね。
毎月払っているのに残高が減らないという状態は、支払額の多くが利息に充てられていることを意味しているんです。

30日ぶんの利息の実額

借入残高実質年率日数利息(概算)
10万円年18%30日1,479円
10万円年15%30日1,233円
50万円年18%30日7,397円

10万円を年18%で30日借りた場合、利息はおよそ1,479円です。
年率が3%下がっても、1か月あたりの差は250円弱にしかなりません。
一方、残高が5倍になれば利息もそのまま5倍で、7,397円ほどです。
つまり1か月単位で見るかぎり、効くのは年率よりも残高のほうだと分かるはずです。
そして問題は、この利息が毎月続くという点でしょう。
毎月の返済額が小さいと、利息を払うだけで返済が終わってしまい、残高がほとんど減りません。
年率の上限が法律でどう決まっているかは、金融庁の貸金業法のキホンに元本の区分ごとに載っています。

▶ 自分の明細で内訳を出してみる
残高に年率を掛けて365で割り、前回の返済日からの日数を掛けると、その月の利息が出ます。
たとえば残高20万円・年18%・30日なら、200,000×0.18÷365×30でおよそ2,959円
毎月10,000円を返しているなら、残りのおよそ7,041円が元金に充てられている計算です。
明細の数字と大きくずれていれば、日数の数え方か年率のどちらかを見直してみてください。

毎月の返済額を下げると何が起きるか

借入30万円、実質年率18%。
毎月の返済額だけを変えると、概算はこうなります。

毎月の返済額返し終わるまで支払総額うち利息
5,000円155回(約12年11か月)約773,000円約473,000円
10,000円41回(約3年5か月)約401,000円約101,000円
15,000円24回(約2年)約359,000円約59,000円
20,000円18回(約1年6か月)約342,000円約42,000円
30,000円11回約327,000円約27,000円

いちばん上の行を見てください。
毎月5,000円ずつ返す場合、利息の合計が借りた金額そのものを超えてしまいます。
30万円を借りて47万円以上の利息を払い、しかも返し終わるまでに13年近くかかるという計算です。
一方、毎月2万円にすれば1年半で終わって、利息は4万円ほどで済みます。
同じ金額を同じ金利で借りているのに、これだけの差が出るわけです。
変わっているのは、毎月の返済額だけなんですね。
なお、この数字は月ごとに計算した概算で、実際の商品は日割りで計算されますし、返済額が残高に応じて変わる方式も多くあります。
ですから実際の金額は、必ず契約先の返済シミュレーションで確認してください。
それでも、返済額を下げると総額が大きく増えるという関係のほうは変わりません。

実質年率(金利)の計算の考え方

「毎月◯円だけ」という見方の危うさ

借入を検討するとき、多くの方は毎月の返済額で考えます。
毎月5,000円なら払える、という判断のしかたですね。
家計への負担を見るという意味では正しいのですが、それだけで決めると、先ほどの表のいちばん上の行に入ります。
必ずセットで見てほしいのが、返し終わるまでの回数です。
毎月の額と回数を並べて初めて、その借入が何であるかが見えてきます。
そして回数が長くなるほど、そのあいだに別の出費が起きる確率も上がっていきます。
13年もあれば、収入が変わることも、想定外の出費が来ることもありますよね。
期間が長いというのは、それだけ計画が崩れる機会が多いということでもあるんです。

毎月確認するのは返済額の内訳

返済を始めたあとに毎月見てほしいのは、支払った金額そのものではなく、その内訳のほうです。
明細には、支払った金額のうち、いくらが利息でいくらが元金に充てられたかが記載されています。
ここを見れば、自分の返済がどの段階にあるのかが分かりますよ。

  • 元金に充てられた額が支払額の半分以上 ── 順調に進んでいます。
  • 半分に届かない ── 期間が長くなります。返済額を増やせないか検討してください。
  • ほとんど利息 ── 残高がほぼ減っていない状態です。このままでは終わりません。

この確認は毎月1分あれば終わるのですが、やっている方はあまり多くありません。
毎月の請求額だけを見て、払えたかどうかで判断してしまうからでしょう。
払えたかどうかはその月の話で、終わるかどうかは内訳を見ないと分からないんです。
内訳が悪化しているなら、早く気づくほど選べる手が多く残ります。
3つ目の状態が続いているのであれば、計算より先に相談へ回したほうがいいと思います。
消費生活センター(消費者ホットライン188)、法テラス、日本貸金業協会の相談窓口などが利用でき、いずれも相談そのものに費用はかかりません。

残高スライドという仕組み

多くのカードローンでは、毎月の最低返済額が借入残高によって決まります。
残高が多ければ返済額も多く、残高が減れば返済額も下がるという形で、これを残高スライド方式などと呼びます。
一見すると親切な仕組みなのですが、注意しておきたい性質があるんです。
残高が減ると返済額も下がるので、返済のペースそのものが遅くなっていきます。
結果として、終わりが近づくほど進みが遅くなるという妙なことが起こります。
対策は単純で、最低返済額が下がっても、これまでと同じ金額を払い続けるだけです。
差額はそのまま元金に充てられるので、終わる時期が前倒しになりますよ。
追加の負担なしにできる工夫としては、これがいちばん効きます。

繰り上げ返済が効く理由

余裕がある月に多めに返すと、その分は元金に充てられます。
元金が減れば翌月以降に発生する利息が減り、利息が減れば、毎月の返済のうち元金へ回る割合が増えます。
この連鎖が起きるので、繰り上げ返済は早い時期に行うほど効果が大きくなるんです。
借入直後の1万円と返済終盤の1万円では、同じ金額でも意味がまるで違います。
ボーナスなどまとまった収入が入ったときの使い道としては、かなり有力な選択肢でしょう。
ただし繰り上げ返済に手数料がかかる場合や、手続きの方法が決まっている場合があるので、条件は契約前に確認しておいてください。

借りる日と返す日の間隔

式に日数が入っている以上、日数を短くすれば利息はそれだけ減ります。
たとえば給料日の直前に借りて給料日に返せば、日数は数日で済みます。
一方、給料日の直後に借りて翌月の給料日に返すと、日数は30日近くまで延びます。
同じ金額、同じ金利でも、ここで差が出るわけです。
ただしこれは、借りるなら日数を短くという話であって、借りることを勧める話ではありません。
数日で返せる見込みがあるのなら、その数日をしのぐ別の方法がないかを先に考えてみてください。

計算まわりでよくある誤解

■ 数字の見方を誤りやすいところ
「端数まで手計算しないと分からない」 ── 実際の商品は日割りで計算されるので、手計算は概算にしかなりません。傾向をつかめば十分です。
「毎月の返済額だけで判断できる」 ── 必ず回数とセットで見てください。
「最低返済額は推奨額だ」 ── 最低限これだけは払う必要がある額であって、それが適切な額という意味ではありません。
「金利は0.1%単位で比べる価値がある」 ── 返済額を月5,000円増やすほうが、はるかに大きく効きます。

よくある質問

■ 利息はいつ計算されますか

一般には借入残高に対して日ごとに計算され、返済日にまとめて精算されます。
そのため、返済日までの日数が長いほど利息は増えることになります。
具体的な計算方法は契約によって異なるので、契約書で確認してみてください。

■ 毎月の返済額は少ないほうがいいですか

家計への負担という点では少ないほうが楽ですが、そのぶん支払総額は増えます。
この記事の表のとおり、差は決して小さくありません。
無理のない範囲で、できるだけ多く返す。
その両立点を探すのが、返済額の決め方だと思います。

■ 繰り上げ返済をすると利息は減りますか

元金が減るので、その後に発生する利息は減っていきます。
早い時期に行うほど効果が大きくなりますよ。
ただし手数料や手続き方法が定められている場合があるため、契約内容を確認してください。

■ 返済額を増やしたいときは、どうすればいいですか

多くの場合、毎月の約定返済に加えて、随時返済という形で追加の入金ができます。
手続きの方法はアプリ、提携ATM、振込など契約先によって異なります。
方法によっては手数料がかかるので、手数料のかからない経路を先に確認しておくと続けやすくなります。

まとめ

覚える式は1つで、利息は残高に対して日ごとに積み上がります。
そして毎月の返済額を下げると、返す総額のほうは大きく増えます。
30万円を年18%で借りた場合、毎月5,000円なら利息が元金を超えますが、毎月2万円なら利息は4万円ほどで終わる計算です。
ですから毎月の額だけでなく、必ず回数とセットで見てください。
そして残高が減っても返済額を下げない。
これが、追加の負担なしにできるいちばん効果の大きい工夫なんです。

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