無理なく続けるダイエットの基本|食事と運動のバランス
無理なく続けるダイエットの基本|食事と運動のバランス
最初の一歩は、食事のほうにあります。
毎日歩いているのに体重がなかなか動かない、というもどかしさを感じたことはありませんか?
食事と運動のどちらから手をつけるかで迷っているなら、先に動かすのは食事のほうです。
運動がいらないという話ではありません。
体重をはっきり動かす力は食事のほうが大きく、運動はむしろ「戻さない」ために効いてくるんです。
ここを取り違えると、走った距離のわりに数字が動かないことに疲れて、そのままやめてしまいがちです。
続かない原因は、意志の弱さより、期待の置き場所がずれていることのほうが多いのではないでしょうか。
体質や健康状態には個人差があるので、持病がある人や不安のある人は、始める前に医師などの専門家に相談してみてください。
「消費と摂取」という言葉の中身
体重は、大まかに言えば、とったエネルギーと使ったエネルギーの差で動きます。
とるほうが多ければ増え、使うほうが多ければ減る、という単純な関係です。
ここまでは、たいていの人が知っている話だと思います。
見落としやすいのは、この2つが同じくらい動かせるわけではない、という点です。
食事は、選び方ひとつでまとまった量を減らせますが、運動で減らせる量は、同じ時間をかけても思っているほど大きくはありません。
ウォーキングを1時間して、帰りにコンビニで何か買えば差し引きゼロ、ということも起こります。
この差に気づかないまま「運動しているのに減らない」と悩んでいる人は、かなり多いと思います。
運動に期待していい範囲
では運動は無駄なのかというと、まったくそんなことはありません。
期待する場所が違うだけです。
● 筋肉を保つ ── 食事だけで減らしていくと、筋肉のほうも落ちやすくなります。
● 減った状態を維持する ── 戻りにくさに効くのは、食事より運動の習慣です。
● 体調と気分を整える ── 睡眠の質や気分の安定は、そのまま食生活に返ってきます。
数字を落とす力は食事のほうが大きく、落ちた状態を保つ力は運動のほうが大きい。この分担で考えておきましょう。
この分担が分かると、運動の選び方も変わってきて、きつい運動を短い期間だけやるより、続けられるものを長く続けるほうが、「戻さない」という目的にはずっと合っていると気づくはずです。
いきなり走り出さなくて大丈夫です。
階段を使う、一駅分歩く、くらいから始めても十分に意味があります。
そこに軽い筋トレを足していければ、筋肉を保つほうも押さえられるでしょう。

食事で先に見る枠
主食を抜くのは最後で構いません。
食事を見直すとき、いきなり主食から抜く人が多いのですが、先に見てほしいのは、自分の記憶にほとんど残っていない部分のほうです。
- 飲み物 ── 甘い飲料は量のわりに気づきにくく、食事として記憶されません。
- 間食 ── 「少しだけ」の回数が積み上がります。まず回数を数えてみましょう。
- 夜遅い時間の食事 ── 量だけでなく、翌朝の食欲にも影響します。
- 惰性で足しているもの ── ドレッシング、マヨネーズ、追加のごはん。
この4つは、減らしても食事の満足感がそれほど落ちないのがいいところで、逆に主食や主菜を削ると、空腹が強く出て、反動につながりやすくなります。
栄養の偏りも起きるので、続けるという点では不利でしょう。
特定の食品だけを食べる、あるいは完全に抜く、といった方法も、同じ理由でおすすめしません。
何を食べるかの組み立ては、栄養バランスの記事のほうで詳しく扱っています。
食べ方の工夫も、無理なく効くほうです。
よく噛んでゆっくり食べる、野菜から先に手をつける、くらいで構いません。
量をがまんするより、おなかがいっぱいだと感じるまでの時間をかせぐ、という考え方です。
特定の食品を抜くのではなく、全体をそろえるという考え方は、厚生労働省の肥満予防の食事でも同じです。
記録だけで変わる理由
何かを減らす前に、まず記録から始めてみてください。
食べたもの、体重、動いた内容を、簡単に書きとめるだけで構いません。
これが効くのは、多くの人が、自分が何を食べたかを正確には覚えていないからで、「思ったより間食が多い」「夜遅くに食べている」という気づきは、記録がないとなかなか出てこないんです。
そして、その気づきこそが最初の一歩になります。
細かくつける必要はありません。
体重を毎日同じ時間に計るだけでも、変化を落ち着いて見られるようになります。
ただ、体重は水分の量でも動くので、1日ごとの増減で一喜一憂しないようにしましょう。
1週間や1か月という単位で流れを見るほうが、実際に近いはずです。
最初の2週間で決めること
全部を同時に変えようとすると、まず続きません。
順番を決めて、一つずつ足していくほうが現実的だと思います。
- 1週目は記録だけ ── 何も減らさず、食べたものと体重を書くところまで。ここで自分の傾向が見えます。
- 2週目に、飲み物か間食をひとつ減らす ── 記録を見て、いちばん多かったほうから手をつけます。
- 3週目から、活動量を足す ── 階段を使う、一駅歩く。運動らしい運動でなくて構いません。
- 1か月たったら、線で見る ── 日ごとの増減ではなく、1か月の流れで判断します。
この順番にしているのは、最初の週でつまずかないためです。
記録にはがまんがないので、続けること自体のハードルが低いんです。
記録が手元にあると、次に何を減らすかを自分で決められるようになります。
人に決められた制限より、自分で選んだもののほうが、きっと続けやすいですよね。
体重が動かない時期の見方
止まる時期は必ず来ます。
順調に減っていたのに、ある時期からぴたりと止まってしまうのは、珍しいことではありません。
ここで焦って極端な方法に走ると、それまで積み上げてきたものが崩れてしまいます。
止まっている期間も、続けていること自体に意味があるはずです。
数字が動かない時期こそ、体調や睡眠、服を着たときの感覚といった、別の手がかりを見てみてください。
そちらがいい方向に動いているなら、やり方を変える理由はありません。
先に手を出さなくていいこと
● 短期間で結果を出そうとする ── 急いだぶんだけ反動が出ます。落とす速さは緩いほうが結局は早く進みます。
● 主食を最初に抜く ── 空腹が強く出て、間食で取り返す形になりがちです。
● 特定の食品だけを食べる/抜く ── 栄養が偏りますし、そもそも長く続けられません。
● サプリや置き換え食品から入る ── 補助として使う分にはよいのですが、生活を整える前に頼ると何が効いたのか分からなくなります。
● 毎日きつい運動を課す ── 続かない負荷は、休んだ日の罪悪感まで連れてきます。
睡眠とストレスの関わり
食事と運動に目が向きがちですが、睡眠とストレスも体重に関わってきます。
寝不足が続くと生活のリズムが崩れて、食事の時間も中身も乱れやすくなるからです。
睡眠は土台です。
ストレスがたまると、つい食べすぎてしまう人も少なくないでしょう。
食事だけをがんばっても、土台が崩れていると続きません。
夜ふかしを減らす、自分なりの気分の切り替え方を持っておく、といったことを整えるほうが、食事のがまんを増やすより効くこともあります。
続かない原因は、たいてい設計にある
いちばん難しいのは、始めることより続けることです。
そして続かない原因の多くは、意志より、計画の立て方のほうにあると私は思っています。
完璧を目指した計画は、一度崩れた時点で、全部が嫌になってしまいやすいからです。
できない日があっても、翌日からまた続ければ十分です。
「今日は守れなかった」を失敗ではなく、ただの1日として扱えるかどうかが分かれ目になります。
短い期間で結果を出すより、習慣として残すほうを目指してみてください。
医師に相談したほうがいい場合
次のような場合は、自分で調整しようとする前に、相談するのが先です。
- 持病がある、または服薬している
- 食事を減らしていないのに体重が大きく動いている
- 極端な食事制限を繰り返してしまう、食べることに強い不安がある
- めまいや立ちくらみ、強い倦怠感が出ている
体重の増減は、生活以外の原因で起きていることもあります。
自己流で追い込むほど、その可能性に気づくのが遅れてしまうので、不安があるなら早めに医療機関で診てもらいましょう。
よくある質問
■ 食事と運動、どちらが大事ですか
役割が違うので、どちらが大事かという比べ方にはならないと思います。
数字を動かす力は食事のほうが大きく、動いた状態を保つ力は運動のほうが大きいです。
先に手をつけるなら食事、続けるために足すなら運動、という順番で考えてみてください。
■ 短期間で落とす方法はありますか
急いで落とす方法は、栄養の不足や反動を招きやすいので、おすすめできません。
ゆるやかに進めるほうが体への負担も小さく、結果として長く続きます。
「短期で結果」より「習慣として残す」ほうに、目標を置き換えてみましょう。
■ 運動が苦手でも大丈夫ですか
苦手でも問題ありません。
いきなり運動らしい運動をしなくても、階段を使う、こまめに歩く、くらいの活動量から始めれば十分です。
続けられる形で生活の中に置くことのほうが、強さより大事でしょう。
■ リバウンドを防ぐにはどうすればよいですか
極端な制限を避けて、ゆるやかなペースで進めることです。
無理な方法ほど、やめた反動で戻りやすくなります。
落ちたあとを保つのは運動の役割なので、そこは続けておきましょう。
■ サプリや置き換え食品に頼ってもよいですか
補助として使うなら、選択肢の一つになると思います。
ただ、それだけに頼ると偏りが出ますし、何が効いたのかも分からなくなってしまいます。
生活のほうを整えてから、足りない部分に使う、という順番が現実的でしょう。
まとめ
食事と運動は、役割が違います。
数字を動かす力は食事のほうが大きく、動いた状態を保つ力は運動のほうが大きいので、先に手をつけるのは食事、それも主食を抜くより、飲み物や間食のほうからです。
何かを減らす前に、まずは記録をつけてみてください。
自分が何を食べているかは、書き出さないと正確には分かりません。
体重が止まる時期は必ず来ますが、そこで極端な方法に走らないことが大事です。
不安があるときや持病がある場合は、無理をせず、医師に相談してくださいね。

