肌の乾燥対策|季節別の保湿ケアの基本

肌の乾燥対策|季節別の保湿ケアの基本

乾燥が起きる仕組みから、季節ごとに変わる原因と、保湿の順番までを整理しました。

肌の乾燥は、水分が足りなくなるというより、与えた水分が逃げていく問題です。
ですから対策の中心は、化粧水を足すことより、逃がさないための蓋をするほうへ寄っていきます。
そしてもうひとつ、逃げ方は季節によって変わるんです。
冬は空気そのものが乾き、夏は冷房と紫外線、春は寒暖差と外からの刺激で肌がゆらぎます。
同じケアを一年続けていると、どこかの季節で必ず合わなくなってきます。
仕組みと季節の違いを押さえたうえで、順番と量を決めていきましょう。
なお肌の状態には個人差があります。
強い症状が続くようなら、自己判断せず皮膚科などへ相談してください。

乾燥の正体は「逃げている」こと

肌の表面には、水分を抱えたまま外からの刺激を防ぐ働きがあります。
これがきちんと働いているあいだは、うるおいは肌の中にとどまってくれます。
ところがこの働きが弱まると、与えた水分がそのまま蒸発していってしまうんです。
つまり乾燥とは、水が足りない状態というより、抱えていられなくなった状態に近いでしょう。
この見方に切り替えると、やることの優先順位がはっきり変わってきます。
化粧水を増やすより先に、逃がしている原因を減らすほうが効くからです。

逃がす原因としてよく挙がるのは、次のあたりです。
空気そのものの乾燥、年齢にともなう皮脂や水分量の変化、洗いすぎやこすりすぎ、そして睡眠や食事の乱れ。
どれも心当たりがあるようなら、全部を一度に直そうとしなくて構いません。
いちばん頻度が高いもの、たとえば毎日の洗顔から見直すほうが早く変わります。

保湿の3ステップと、順番が決まっている理由

保湿の流れは「やさしく洗う・水分を与える・うるおいを閉じ込める」の3つです。
順番が決まっているのには、それぞれ理由があるんです。
乾燥が皮膚炎に近い状態まで進んでいる場合は、日本皮膚科学会の診療ガイドラインが一般にも公開されています。

  • やさしく洗う ── 強くこすらず、ぬるま湯で。洗いすぎると必要な皮脂まで落ちてしまいます。
  • 水分を与える ── 洗ったあとは時間を置かず、化粧水などで水分を入れます。
  • うるおいを閉じ込める ── 乳液やクリームなど油分を含むもので、入れた水分に蓋をします。
▶ 「与える」と「閉じ込める」はセットで考える
化粧水で水分を入れただけでは、時間とともに蒸発していきます。
油分を含むもので蓋をして、はじめてうるおいが肌にとどまります。
べたつきが苦手でさっぱり系だけで終える方は多いのですが、乾燥が気になる時期はここがそのまま原因になります。
量を増やすより、蓋の工程を飛ばしていないかを先に確かめてください。
肌の乾燥対策|季節別の保湿ケアの基本

季節ごとに変わる乾燥の原因

ここがこの記事のいちばん伝えたいところです。
乾燥という現象は同じでも、水分を奪っているものは季節ごとに入れ替わります。
奪っている相手が違うのですから、手当てをする場所も当然変わってくるわけです。

季節水分を奪っているもの手当ての重心
秋冬空気そのものの乾燥、暖房油分での蓋を厚くする。室内の加湿
寒暖差、花粉などの外からの刺激刺激の少ないものへ。摩擦を減らす
冷房、紫外線さっぱりした使い心地でも蓋は省かない

■ 秋冬 ── 空気に奪われる

空気が乾くほど、肌の水分は外へ引っ張られていきます。
この時期はクリームなど油分を含むもので、しっかり蓋をするのが基本でしょう。
それに加えて、室内では暖房がさらに空気を乾かしてしまうんです。
加湿器を足すだけでも、肌にかかる負担はずいぶん軽くなるはずです。

■ 春 ── 刺激でゆらぐ

気温の上下や花粉など、外からの刺激が増える時期です。
肌の調子が日によって変わりやすくなるので、いつも使っているものが急に染みることもあります。
そういうときは品数を増やさず、刺激の少ないものへ一時的に寄せてください。
調子が戻ってきてから、元のケアへ少しずつ戻していけば十分だと思います。

■ 夏 ── べたつくのに内側は乾く

汗や皮脂で表面はべたつくのに、冷房と紫外線で内側は乾いていく季節です。
表面の感触だけで判断すると、保湿を省いてしまいがちなんです。
使い心地はさっぱりしたもので構いませんから、蓋の工程だけは残しておきましょう。
冷房の風が直接当たる席にいる方は、そこも一度見直してみてください。

顔のなかで先に乾く場所

保湿の量を考えるとき、顔全体へ同じだけ塗る前提になっている方は多いと思います。
ですが乾き方は場所によってかなり違うので、そこを揃える必要はありません。
目元と口元は皮膚が薄いうえに、まばたきや会話でよく動きます。
そのぶん先に乾きますし、乾いた状態のまま動くので刺激も受けやすい場所です。
頬の高い位置は面積が広く、外の空気にも紫外線にも当たり続けます。
一方で額と鼻は皮脂が出るほうなので、同じ量を重ねると重くなってしまうでしょう。

ですから、全体に薄く伸ばしてから、乾く場所にだけ足すという順番が現実的です。
とくに目元と口元は、指の腹で押さえるように置くだけで十分だと思います。
こすって伸ばすと、いちばん薄い場所に摩擦をかけることになってしまうんです。
どこが先に乾くかは人によって違うので、しばらく自分の顔で確かめてみてください。

同じケアを一年続けると合わなくなる

「去年まではこれで足りていたのに、最近つっぱる」という感覚には、たいてい理由があります。
季節が動いたか、体調や年齢で肌そのものの状態が変わったか、たいていはそのどちらかです。
ケアが急に悪くなったのではなく、相手のほうが動いたということなんです。
ですから固定のケアを続けるより、季節ごとに重心を寄せ直すほうが現実的だと思います。
乾燥が強い時期は蓋を厚く、落ち着いている時期はシンプルに。
そのくらいの幅を持たせておくと、毎年同じところでつまずかずに済みます。

新しいものを使うときは、少量から試して様子を見てください。
合わないものを一度に顔全体へ広げてしまうと、何が原因だったのかを切り分けられなくなってしまいます。

乾燥を招いている習慣

よかれと思ってやっていることが、そのまま乾燥の原因になっていることがあります。

■ 心当たりがあれば、まずここをやめる
熱いお湯で洗う ── さっぱりしますが、必要な皮脂まで流れます。洗顔はぬるま湯が基本です。
洗顔やクレンジングの回数が多い ── 落とすたびに蓋の材料も減っていきます。
ゴシゴシこする ── 摩擦は肌の表面を傷めます。タオルで拭くときも押さえるだけにしてください。
さっぱり系だけで終える ── 蓋がないので、入れた水分がそのまま逃げます。
高い化粧品を足して解決しようとする ── 価格と乾燥への効き方は比例しません。習慣のほうを先に見てください。

スキンケアの外側でできること

  • 室内を加湿する ── 暖房や冷房を使う時期はとくに、湿度を保つだけで肌の負担が減ります。
  • 水分をこまめにとる ── 体の内側が足りていないと、外から入れても追いつきません。
  • 睡眠と食事を整える ── 肌の調子は生活の状態を映します。
  • 洗いすぎ・こすりすぎをやめる ── ここは化粧品を変えるより効きます。

スキンケアだけで乾燥をどうにかしようとすると、どうしても品数が増えていきます。
ですが実際には、部屋の湿度と洗い方のほうが効くこともあるんです。
手を出しやすいところから、ひとつずつ変えてみてください。

皮膚科に相談したほうがいい場合

セルフケアの範囲を超えている状態もあります。
次のようなときは、市販のもので粘るより早く相談したほうが確実です。

  • かゆみが続く、かいてしまう
  • 赤みや湿疹が出ている
  • つっぱりが強く、日常生活で気になる
  • いつものケアを続けても悪くなっていく

乾燥に見えて、別の原因が隠れていることもあります。
そして自己判断で市販のものを重ねるほど、何が合っていないのか分からなくなってしまうんです。
早めに診てもらったほうが、結果として回り道が短くなります。

よくある質問

■ 化粧水だけでは足りませんか

水分を入れただけでは、時間とともに蒸発していきます。
乳液やクリームなど油分を含むもので蓋をして、はじめてうるおいがとどまります。
「与える」と「閉じ込める」はセットだと考えてください。

■ 夏でも保湿は必要ですか

必要です。
表面は汗や皮脂でべたつきますが、冷房と紫外線で内側は乾いていきます。
使い心地はさっぱりしたもので構わないので、蓋の工程は残しておきましょう。

■ 洗顔は1日に何回がよいですか

一般的には朝と夜の2回が目安とされているようです。
ただし回数そのものより、お湯の温度と手の力加減のほうがずっと効いてきます。
ぬるま湯で、こすらずに洗ってください。

■ 高い化粧品のほうが乾燥に効きますか

価格の高さと効き方が比例するわけではないと思います。
洗いすぎない、水分を入れる、油分で蓋をする。
この3つを続けるほうが、高価なものを足すより変化が出やすいと思います。
選ぶ基準は価格ではなく、自分の肌に合うかどうかです。

■ 体の乾燥も同じように考えてよいですか

考え方は同じで、洗いすぎと蓋の不足が原因になりやすい部分です。
とくにすねや腕の外側は皮脂が少ないので、入浴後に早めに塗るだけで違ってきます。
お湯の温度を下げることも、顔と同じように効きます。

まとめ

肌の乾燥は、水分が足りない状態というより、抱えていられなくなった状態です。
ですから何かを足すより、逃がしている原因を減らすほうが先でしょう。
保湿は「やさしく洗う・水分を与える・うるおいを閉じ込める」の順番で、蓋の工程を飛ばさないでください。
そして水分を奪っているものは、季節ごとに入れ替わります。
秋冬は空気と暖房、春は寒暖差と刺激、夏は冷房と紫外線。
同じケアを一年続けるより、季節ごとに重心を寄せ直すほうが無理がありません。
かゆみや湿疹が続くようなら、早めに皮膚科へ相談してください。

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