個人信用情報とは|審査に関わる基礎知識
個人信用情報とは|審査に関わる基礎知識
自分に何が記録されているかは、推測しなくても数百円で取り寄せて確認できます。3つの機関の役割から、開示請求のしかたと結果の読み方までまとめました。
個人信用情報とは、クレジットカードやローンの契約と、その支払いがどう進んでいるかを記録したもので、専門の機関が保管しています。
審査のときに各社が参照しているのは、基本的にこの記録です。
名前だけ聞くと自分では見られないもののように思えますが、じつは本人が手数料を払えば取り寄せられるんです。
しかも費用は数百円から千円程度なので、落ちた理由を何日も推測しているより、たいてい早く片がつきます。
記録している3つの機関
| 機関 | 主に加盟しているところ |
|---|---|
| CIC | クレジットカード会社、信販会社、消費者金融など |
| JICC | 消費者金融、信販会社など |
| 全国銀行個人信用情報センター | 銀行、信用金庫など |
どの機関に記録が残るかは、契約した相手がどこに加盟しているかで決まるので、こちらから選べるものではありません。
そのうえ機関のあいだでは一部の情報が交流される仕組みがあるため、1つを見れば全部が分かるとはかぎらないんです。
心当たりのある契約がカードと銀行の両方にまたがっているなら、複数の機関へ請求しておいたほうが確実でしょう。
なお、加盟している会社や交流される情報の範囲は変わることがあるので、最新の内容は各機関の公表情報で確認してください。
請求の手順そのものは、たとえばCICの情報開示のページに流れが出ています。
記録される情報の中身
- 本人を特定する情報 ── 氏名、生年月日、住所、勤務先など
- 契約の内容 ── 契約日、契約の種類、契約額や限度額
- 返済の状況 ── 残高、入金の有無、遅れの有無
- 申し込みの記録 ── いつ、どこに申し込んだか
- 本人からの申告 ── 本人が申し出た内容が登録されることがあります
この中でいちばん見落とされやすいのが、4つ目の申し込みの記録でしょう。
契約に至らなかった申し込みも記録として残るので、短期間に何社も出すと、その事実がそのまま並んでいくんです。
比較のつもりで手当たり次第に申し込む方は多いのですが、記録の側から見ると、それは短期間に何社もあたる必要があった状況として読めてしまいます。
申し込みは1社ずつ、結果を見てから次へ進むほうが安全ですよ。

借入だと思っていない支払い
信用情報に残るのはカードローンやキャッシングだけではなく、分割払いの契約も同じように対象になります。
とくに見落とされやすいのが、携帯電話やスマートフォンの端末代金でしょう。
端末を分割で購入していれば、それは分割払いの契約として扱われるのが一般的で、毎月の通信料と一緒に引き落とされている金額の中に、記録の対象になる支払いが混ざっていることになります。
ここで問題になるのが、引き落としの失敗です。
本人の認識としては通信料の支払いが遅れただけでも、記録の上では分割払いの遅れとして扱われる場合があるんです。
借りたつもりがないので自覚も薄いのですが、記録のほうはきちんと残ります。
同じことは家電や自動車の分割払い、教育費のローン、一部の保証契約についても起こります。
つまり、自分が何を契約しているのか把握できていない状態が、いちばん危ないわけです。
開示請求をすると、この把握漏れが一度に片づきますよ。
自分の記録を取り寄せる手順
- どの機関に請求するかを決める ── 心当たりのある契約先が加盟している機関を選びます。分からなければ、複数に請求しても構いません。
- 請求方法を選ぶ ── 機関によって、インターネット、郵送、窓口などの方法が用意されています。
- 本人確認書類を用意する ── 方法によって必要な書類が異なります。
- 手数料を支払う ── 各機関が定めた手数料がかかります。
- 結果を受け取る ── 方法によって、即時に見られる場合と、郵送で届く場合があります。
具体的な請求方法、必要書類、手数料は各機関の公式ページに掲載されていて、変更されることもあるので、請求前に必ず確認してください。
費用は数百円から千円程度に設定されていることが多く、審査の結果を推測して何日も悩む時間と比べれば、かなり安い出費ではないでしょうか。
インターネットからの請求に対応していて、その場で結果を見られる機関もありますよ。
開示結果で見る3か所
届いた書類はそれなりに分量がありますが、全部を理解しようとしなくて大丈夫です。
見るのは、次の3か所だけで足ります。
- 身に覚えのない契約がないか ── 見覚えのない契約があれば、機関や契約先に問い合わせてください。
- 入金状況の欄 ── 記号で毎月の入金の有無が示されています。記号の意味は同封の説明書に書かれています。
- 申し込みの記録 ── 短期間に集中していないかを見ます。
記載内容に誤りがあると思われる場合は、各機関に調査を申し出る手続きが用意されています。
ただしこれは、事実として記録された内容を消してもらうための手続きではありません。
この2つを混同させたうえで近づいてくる勧誘があるので、そこは注意しておいてください。
記録を消せるとうたう業者に費用を払っても、事実として登録された記録が消えることはありません。
開示請求が効くタイミング
- 大きな借入を検討する前 ── 住宅ローンや自動車ローンの前に確認しておくと、想定外の事態を避けられます。
- 審査に通らなかった直後 ── 推測する前に、記録を見てください。
- 過去に支払いが遅れた記憶がある場合 ── いつの記録がどう残っているかが分かります。
- 身に覚えのない請求や連絡があった場合 ── 自分名義の契約が作られていないかを確認できます。
このうち1つ目は、意外と実行されていません。
住宅ローンの申し込みで初めて過去の記録が問題になり、そこで初めて自分の状況を知るという順番になってしまうと、対応にあてられる時間がほとんど残りません。
記録は数年単位で残るものなので、確認は早いほど打てる手が増えます。
記録が残る期間
記録には保有される期間が定められていて、その長さは機関ごとに、また情報の種類ごとに違います。
一般には、契約や返済に関する情報が契約終了から5年程度、申し込みの記録は数か月程度とされることが多いようです。
ただし運用によって異なりますし、変更されることもあるので、正確な期間は各機関が公表している内容で確認してください。
ここで大事なのは、期間が有限だという点です。
過去に返済が滞ったことがあっても、その記録が永久に残るわけではありません。
ただ、期間が過ぎるのを待つあいだに何もしなければ、状況はそのままですよね。
待つことと整えることは、別の作業です。
記録を整えるためにできること
残念ながら、短期間で記録を良くする方法というものはありません。
できるのは、これから積み上がっていく記録を、良い状態で積んでいくことだけです。
- 支払いの期日を守る ── 携帯電話の端末代金の分割払いなど、借入という自覚のないものも記録の対象になっている場合があります。
- 引き落とし口座の残高を確認する ── 遅れの多くは、意図的なものではなく残高不足です。
- 使っていない契約を整理する ── ただし、長く続いている契約を急いで解約する必要はありません。
- 住所や勤務先の変更を届け出る ── 連絡が届かないことが、別の問題につながることがあります。
4つとも特別なことではなくて、結局は期日を守り続けるという一点に集約されます。
審査に通る裏技のようなものを期待していた方には物足りないかもしれませんが、審査の基準は各社が定めていて公開されていないので、裏技を書いてあるものがあれば、まず疑ってください。
そのかわり、期日を守れた月も、同じように記録として積み上がっていきます。
返済が遅れている場合の優先順位
いま実際に返済が遅れているのであれば、記録の仕組みを理解するより先に、相談したほうがいいと思います。
消費生活センター(消費者ホットライン188)、法テラス、日本貸金業協会の相談窓口、日本クレジットカウンセリング協会などが利用でき、いずれも相談そのものに費用はかかりません。
早い段階であれば、返済条件の見直しを含めて選べる手が多く残っています。
記録を気にして相談を先送りにしているあいだにも、遅れのほうは記録として積み上がっていくんです。
信用情報にまつわる誤解
● 「短期間に何社も申し込めば、どこかは通る」 ── 申し込みの記録が並びます。1社に絞り、結果を見てから次を考えてください。
● 「信用情報は、費用を払えば消してもらえる」 ── 事実として登録された記録が、費用と引き換えに消えることはありません。
● 「ブラックリストという名簿がある」 ── そういう名簿は存在しません。あるのは各機関の記録と、それをどう見るかという各社の判断です。
● 「落ちた理由は、考えれば分かる」 ── 理由は開示されません。推測を重ねるより、自分の記録を取り寄せるほうが確実です。
よくある質問
■ 一度遅れると、二度と借入できませんか
記録の保有期間は有限なので、遅れがそのまま一生ついて回るということはありません。
判断の基準も各社が定めるもので、記録の内容だけで一律に決まるわけでもないんです。
ただし、遅れがない状態のほうが有利であることは確かでしょう。
■ 家族の記録は自分に影響しますか
信用情報は個人ごとに管理されるので、家族の記録がそのまま自分の記録になることはありません。
ただし、自分が保証人になっている契約があれば、それは自分の情報として扱われます。
■ 開示請求をすると、審査に不利になりますか
本人が自分の情報を確認したという事実は、審査の対象になる記録とは扱いが異なります。
不利になることを心配して確認をためらう必要はないと思いますよ。
詳しい取り扱いは、各機関の公表内容で確認できます。
■ 記録に問題がないのに通らなかった場合はどう考えますか
記録以外の要素が関わっている可能性があります。
収入と返済額のバランス、他社からの借入の合計、申込内容と書類の食い違いなど、各社が見ている項目は記録だけではないからです。
ただし基準は公開されていないため、こちらで確定できるのは、申込内容を正確にそろえるところまででしょう。
まとめ
個人信用情報は3つの機関が記録していて、そのどれも、本人であれば数百円から千円程度で取り寄せられます。
落ちた理由を推測している時間があるなら、開示請求をしてしまったほうが早いと思います。
届いた書類で見るのは、身に覚えのない契約、入金状況、申し込みの記録という3か所だけで足ります。
そして記録を良くする裏技はなく、できるのは期日を守り続けることだけです。
携帯電話の端末代金のように、借入という自覚のない支払いも対象になっているので、自分が何を契約しているのかを一度まとめて把握しておくと、想定外の事態はかなり減らせますよ。


