車のサブスクと購入はどっちが得?費用と使い方で考える選び方

車のサブスクと購入はどっちが得?費用と使い方で考える選び方

同じ土俵に乗せる計算式を先に置いたうえで、乗る年数によって答えがどう変わるかを整理しました。

この2つのどちらが得かという問いには、条件抜きの答えがありません。
答えを決めているのは、何年乗るつもりかという一点だけです。
短い期間なら定額サービスが有利に出やすく、長く乗るほど購入のほうへ傾いていきます。
ですから比べるときは、自分が乗るつもりの年数をそろえて総額を出す必要があるんです。
年数さえそろえられれば、答えは自分で出せます。

同じ土俵に乗せる計算

月額の数字だけを並べても、比較としては成り立ちません。
購入には税金や車検が別にかかりますし、手放すときにお金が戻ってくる可能性もあるからです。
次の式で、どちらも同じ年数ぶんの総額に直してください。

▶ 総額を出す式
購入した場合 = 初期費用 + 月々の支払い × 月数 + 税金・車検・整備の合計 − 売却額
定額サービスの場合 = 初期費用 + 月額 × 月数 + 含まれない費用(任意保険など)
年数をそろえる ── 5年なら5年で、両方を計算します。
売却額は購入だけに入る ── 返却が前提の契約では、ここがゼロになります。
燃料代と駐車場代は両方にかかる ── 差が出ないので、省いて構いません。

この式でいちばん効いてくるのが、いちばん右の売却額です。
購入した車は、乗り終わったあとに売ればいくらかが戻ってきます。
一方で定額サービスは返却が前提なので、その分が戻ってきません。
つまり車が値崩れしにくいほど、購入の側が有利になっていくわけです。
そのかわり購入の側には2年ごとの車検が乗ってくるので、更新の仕組みを踏まえて式に入れておいてください。

乗る年数で答えが変わる

年数を変えて計算してみると、どちらへ傾くかがはっきりしてきます。
おおまかな傾向を並べておくので、自分の想定と照らしてみてください。

乗る年数傾向理由
3年ほど定額サービスが有利に出やすい購入は初期費用の回収が進まないうちに手放すことになります
5年ほど条件しだいで入れ替わるここが分かれ目になりやすい長さです
7年ほど購入が有利に寄っていくローンが終わったあとは維持費だけで乗れます
10年以上購入がはっきり有利支払いが終わった車に乗り続ける形になります

この傾向を知っておくと、比較サイトの数字にも振り回されずに済みます。
定額サービスが高く見える記事も、購入が高く見える記事も、たいてい前提の年数が違うだけなんです。
ですから自分の年数で計算し直したものが、いちばん確実な判断材料だと思います。

車のサブスクと購入はどっちが得?費用と使い方で考える選び方

費用以外で差が出るところ

総額が近い数字になったときは、使い勝手の差で決めるしかありません。
ここは金額に表れにくいぶん、乗り始めてから効いてくる部分でもあるんです。

購入定額サービス
走る距離制限なし上限があり、超えると精算されます
改造や部品交換自由原状回復が前提なので制限されます
途中でやめる売却すれば可能原則できず、違約金が発生します
税金や車検の手続き自分で行う含まれる契約なら任せられます
急な出費修理や車検でまとまって来る契約の範囲内なら平らになります
終わったあと車が残る返却が基本です

上の3行は、生活の自由度に関わる項目です。
年に何度も遠出をする方や、車をいじるのが好きな方には、この制限が思ったより重く感じられるでしょう。
反対に下の3行が関わってくるのは、手間と気持ちの負担のほうです。
どちらを重く見るかは人によって違うので、ここは金額と切り離して考えてみてください。

走る距離を先に計算する

定額サービスを検討しているなら、この計算だけは避けて通れないところです。
上限を超えたぶんは返却のときに精算されるので、あとから効いてきます。

▶ 年間の走行距離を出す
年間の距離 = 通勤の片道 × 2 × 出勤日数 + 週末の移動 × 52 + 帰省や旅行の分
片道10km・月20日通勤なら ── それだけで年に4,800kmになります。
週末に片道30kmの買い物なら ── 年3,100kmが上乗せされます。
帰省が年2回で片道300kmなら ── さらに1,200kmです。
この例だと合計で年9,000km台。月1,000kmの契約では足りない計算になります。

見積もりが上限を超えるなら、距離の枠が広いプランを選ぶか、購入を検討してください。
ここを甘く見積もって契約すると、返すときにまとまった精算が来てしまうんです。
いまの車の走行距離を年数で割ると、実績から出せるので確実でしょう。

「得か」より「合うか」で決める

これは私の意見ですが、総額の差が数万円という範囲に収まったなら、そこで悩む時間はもったいないと思います。

この2つの選択は、お金の話である以上に、生活の見通しをどう扱うかという話でもあります。
この先5年の生活が読める方なら、購入して長く乗るほうが素直に有利でしょう。
一方で、転勤や家族構成の変化が控えているなら、動けることそのものに値打ちが出てきます。
見通しが立たない時期に長い契約を結ぶと、そのぶん身動きが取りにくくなってしまいます。

迷ったときの3つの質問

条件が入り混じって決まらないときは、次の3つに順番へ答えてみてください。

  1. 何年乗るつもりか ── 7年以上なら購入、3年程度なら定額サービスに寄ります
  2. 年に何km走るか ── 1万kmを超えるなら、距離の制限が効いてきます
  3. 途中で生活が変わる予定はあるか ── あるなら、期間を区切れるほうが安全です

3つとも同じ方向を指したなら、そちらで決めて問題ありません。
答えが割れた場合は、1つ目を優先して決めてください。
総額をいちばん大きく動かしているのが、乗る年数だからです。

▶ 仕組みから確かめたい方へ
残価の考え方と月額に含まれる範囲はカーリースとは|仕組み・メリット・デメリットをわかりやすく解説 にまとめました。

第3の選択肢としての中古車

この話は2択で語られがちですが、中古車を現金で買うという道も残されています。
総額をいちばん低く抑えたいなら、実はこれが有力なことも多いんです。

値下がりの大きい部分をすでに他人が負担してくれているので、買った金額と売る金額の差が小さくなります。
そのかわり故障のリスクは自分で引き受けることになりますし、まとまった現金も要ります。
総額を最優先するのか、支出の読みやすさを優先するのか。
この軸で3つを並べると、自分がどれに向いているかが見えてくるでしょう。

▶ 定額プランの条件を見てみる
購入やローンとの比較を含めた解説はこちらの記事 で扱っています。

維持費の把握が判断の前提になる

ここまでの計算をするには、購入した場合の維持費を自分で見積もる必要があります。
税金、車検、保険、そして消耗品の4つです。
この4つの年額が出ていないと、購入側の総額が空欄のままになってしまいます。

いま車をお持ちなら、直近2年の支出を集計するのがいちばん早い方法でしょう。
これから初めて持つ方は、車種ごとの目安から積み上げていく形になるでしょう。
どちらにしても、この数字が出ればあとは式に入れるだけです。

▶ 維持費の内訳を確かめたい方へ
項目ごとの目安と、まとまって来る出費の並びは車の維持費の内訳|年間いくらかかるか(税金・保険・車検)を整理 で扱っています。

値下がりしにくい車かどうかも効いてくる

購入を選んだ場合、総額を左右するのは売却の金額です。
ここは車種によってかなり差が出るので、買う前に見ておいてください。

需要の多い車種は、数年乗ったあとでも一定の金額で引き取ってもらえる傾向があります。
反対に、珍しい仕様や人気の落ちた車種だと、思ったほど戻ってこないことも起こりえます。
この差が数十万円という単位になることもあるので、総額の計算では無視できない項目でしょう。

調べ方は単純で、いま検討している車種の5年落ちがいくらで売られているかを見るだけです。
新車価格に対してどのくらい残っているかが分かれば、それがそのまま見積もりに使えます。
定額サービスの残価も同じ考え方で決まっているので、この数字を知っておくと両方の判断に役立ちます。

よくある質問

結局どちらが安いのですか

乗る年数によって、有利なほうは入れ替わります。
3年程度なら定額サービス、7年以上なら購入が有利に出やすいところです。
5年前後は条件しだいなので、自分の数字で計算してみてください。

月額だけを比べてはいけませんか

購入には税金や車検が別にかかるので、月額の比較では土俵がそろいません。
同じ年数の総額に直して、そこから売却額を引く形にしてください。
そうすると、月額では見えなかった差が出てきます。

走行距離の制限はどのくらい厳しいですか

月1,000kmから1,500kmという設定が一般的です。
毎日の通勤で往復20km走るだけで、年間5,000km近くになります。
帰省や旅行を足すと超える方もいるので、必ず実績から計算してください。

定額サービスは審査がありますか

支払い能力を確認するための審査が用意されています。
基準は会社によって違うので、一社の結果だけで判断する必要はありません。
結果が出るまで数日かかるので、納車の時期から逆算して申し込んでください。

途中で解約したくなったらどうなりますか

原則として中途解約はできず、やむを得ない場合も違約金が発生してしまいます。
購入なら売却して整理できるので、この点は大きな差になるでしょう。
見通しが立たない時期は、契約期間を短めにしておくと逃げ道を残せます。

長く乗るなら購入一択ですか

費用だけを見るのであれば、たしかにそうなりやすいところです。
ただ、税金や車検の手配を自分でやる手間と、まとまった出費が来る不便さは残ります。
その負担をどう評価するかで、判断が変わる方もいると思います。

まとめ

どちらが得かは、乗る年数によって決まってきます。
期間が短ければ定額サービス、長ければ購入という傾きになります。
この傾きを頭に入れたうえで、同じ年数の総額に直して比べてください。

そして総額が近い数字になったときは、金額ではなく暮らしの見通しで決めていいと思います。
この先が読めるなら購入、変わりそうなら期間を区切れる形。
走る距離の計算だけは、契約する前に必ずやっておいてください。

▶ そもそも持たない、という選択肢もある
週に何度かしか乗らないのであれば、カーリース・レンタカー・カーシェアの使い分けのほうが近い話をしています。
サブスクとリースの呼び方の違いはカーリースとカーサブスクは何が違うのかで扱っています。