正しいスキンケアの手順とありがちな間違い
正しいスキンケアの手順とありがちな間違い
見直したいのは、「やりすぎ」のほうです。
スキンケアの順番がこれで合っているのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。
手順は、落とす・与える・足す・閉じる・守るの順です。
迷ったら、軽いものから重いものへ置けば終わりです。
ここに時間をかけても、得られるものはあまり多くありません。
むしろ見直す価値があるのは、手順の違いより、洗いすぎ、こすりすぎ、重ねすぎ、変えすぎのほうだと私は考えています。
手順そのものより、「やりすぎていないか」を見るほうが、ずっと効いてくるはずです。
スキンケアの手順
- 落とす ── クレンジング(メイクをした日)、洗顔
- 与える ── 化粧水
- 足す ── 美容液(使う場合のみ)
- 閉じる ── 乳液またはクリーム
- 守る ── 日中は日焼け止め
並べ方の基本は、水分の多いものを先に、油分の多いものを後に置く、というだけです。
例外は、導入用として作られたものや、オイルを最初に使う前提のものくらいでしょう。
そこは製品の指定に従っておけば大丈夫です。
手順は、これでほぼ全部です。
差がつくのは、むしろこの先の「やりすぎ」のほうなんです。
間違いは4種類の「すぎ」
| 分類 | 具体例 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 強すぎる | 洗浄力の強いクレンジング、熱いお湯 | 洗顔後につっぱる |
| 多すぎる | アイテム数、重ね付けの回数 | 何が効いているか説明できない |
| 長すぎる | クレンジングの時間、シートマスクの放置 | 指定時間を超えている |
| 頻繁すぎる | 角質ケア、新製品の導入 | 前回からの間隔を覚えていない |
まずは、自分がどれに当てはまるかを見てみてください。
いくつか当てはまる人もいると思いますが、その場合は「強すぎる」から直していきましょう。
ここが直っていないと、ほかを直しても、土台のほうが崩れ続けてしまうからです。

いちばん影響が大きい「落とす」工程
スキンケアの中で、肌に触れる時間が長く、力もかかるのが「落とす」工程なのに、この工程だけは何年も見直されないまま、同じクレンジングを使い続けていることが多いんですよね。
メイクの濃さも季節も年齢も変わっているのに、落とし方だけはずっと同じまま、ということもよくあります。
確かめたいのは3つです。
いまのメイクの濃さに対してクレンジングが強すぎないか、クレンジングと洗顔で実質的に二度洗いになっていないか、そしてお湯の温度が高すぎないか、という3点を順番に見てみてください。
とくに温度は見落とされがちですが、熱いお湯は短い時間でも影響が出ます。
ぬるいと感じるくらいで十分です。
落としすぎている状態でどれだけ与えても、片方で注ぎながら、もう片方で穴を広げているようなものでしょう。
手順を変えても荒れが引かないなら、それは洗い方の問題ではないかもしれないので、日本皮膚科学会の一般向けの案内で受診の目安を見てみてください。
朝の洗顔料を使わない選択
朝も洗顔料を使うべきかどうかは、意見が分かれるところです。
答えは、人によります。
朝起きたときに肌がべたつくなら使う理由がありますし、逆に朝からつっぱるなら、ぬるま湯だけにして様子を見てみる価値があるでしょう。
どちらが正解というより、自分がいまどちらの状態かで決める話なんです。
試すなら、2週間ずつ片方だけを続けてみるのがおすすめです。
比べる相手がないまま切り替えても、判断のしようがありませんからね。
なお、朝に日焼け止めを塗るなら、夜のクレンジングは必要です。
やらなくていいこと
● 角質ケアを毎日行う ── 頻繁すぎる側の典型です。増やすなら月単位で様子を見てからにしましょう。
● 新製品を同時に複数試す ── 合わなかったときに、どれが原因か分からなくなります。
● シートマスクを指定時間より長く貼る ── 乾いてくると、かえって水分を持っていかれます。
● 強いパッティング ── 浸透のために叩く必要はありません。刺激のほうが気になります。
アイテムを減らす順番
「多すぎる」に当てはまった人は、外していく順番を決めておくと楽です。
いきなり半分にしなくて構いません。
次の順に外していくと、判断しやすくなります。
- 役割が重なっているもの ── 同じ工程に複数使っているなら、片方を止めます。閉じる工程に乳液とクリームの両方を使っているなら、まず片方だけにしてみましょう。
- いつから使っているか思い出せないもの ── 惰性で残っているものは、止めても気づかないことがあります。
- 効いている実感がないもの ── ただし、止めてから2週間は様子を見ます。すぐ戻すと判定できません。
- 季節限定で足したもの ── 季節が変わったのに残っている場合があります。
減らすときも、1回に1つずつです。
まとめて止めてしまうと、何が必要だったのかが分からなくなってしまいます。
減らしてみて何も変わらなかったなら、それはむしろいい発見です。
そのぶんのお金と時間が、これから毎月浮くことになりますからね。
日焼け止めの位置づけ
日焼け止めは、出かける日だけのものだと考えている人も少なくないと思います。
ただ、紫外線の影響は積み重なっていくものなので、1日ずつ見れば小さくても、年単位では差がついてきます。
ここで大事なのは、完璧を目指さないことではないでしょうか。
毎日きちんと塗り直す、という計画は、たいてい続きませんよね。
続けるための現実的な線は、朝の手順そのものに組み込んでしまうことです。
化粧水、乳液、日焼け止めという並びで置いておけば、そのつど判断する必要がなくなります。
塗り直しは、できる日に、できる範囲で構いません。
塗り直せないから朝も塗らない、というのがいちばんもったいない選び方です。
開封後の期限と置き場所
見落としやすいのが、開けてからの扱いです。
化粧品には未開封のときの期限の考え方がありますが、開けたあとは、使い始めた時点から状態が変わり始めます。
とくに、指を直接入れて使う容器のものは注意しておきましょう。
目安としては、開けてから数か月のうちに使い切れる量を選ぶといいと思います。
半年以上かけて使い切るような大容量を少しずつ使うのは、あまり相性がよくありません。
置き場所も大事です。
直射日光が当たる窓際、温度が上がりやすい場所、湿気のこもる浴室あたりは、避けたほうが無難です。
洗面所は便利ですが、湿気と温度の変化が大きい場所でもあるんです。
色やにおいが明らかに変わったものは、期限内でも使わないようにしましょう。
肌に合わなくなったのではなく、単に中身の状態が変わっているだけのこともあります。
そこを見極めないまま使い続けると、製品との相性の判断そのものが狂ってしまいます。
季節の変わり目に崩れる理由
同じケアを続けているのに、急に合わなくなる時期があります。
たいていは季節の変わり目で、このとき多くの人が「製品を替えよう」と考えます。
まずは量です。
同じ製品でも、必要な量は季節によって変わってきます。
替えるのは、量を調整しても合わないときで構いません。
それに、季節の変わり目は、新しい製品を試すのに向かない時期でもあります。
肌の状態が動いているときに新しいものを入れると、合わなかったのが製品なのか季節なのか、区別がつかなくなってしまうからです。
試すなら、状態が落ち着いている時期を選びましょう。
合わなかったときの切り分け
肌の調子が急に変わったとき、多くの人は最後に使い始めた製品を疑います。
その見当はたいてい正しいのですが、確かめる手順を持っておくと、さらに精度が上がりますよ。
- いつから変わったか ── 日付をはっきりさせます。記憶が曖昧なら、写真の日付や購入履歴が手がかりになります。
- その前後で変えたもの ── 化粧品だけでなく、洗濯洗剤、枕カバー、飲んでいるものも候補に入れましょう。
- 季節の変わり目ではなかったか ── 製品ではなく時期の影響であることがあります。
- その時期の生活 ── 睡眠不足、体調の変化が重なっていないか。
ただし、刺激がある場合は、切り分けを待たずに、まず使うのをやめてください。
原因を探すのは、落ち着いてからで構いません。
赤みやかゆみ、痛みが続いているなら、手順の見直しより、皮膚科への相談が先です。
その状態で自己判断のまま製品を替えると、原因がさらに分かりにくくなってしまいます。
そもそも化粧品にできるのは、うるおいを与える、乾燥を防ぐ、肌を整えるといった範囲までです。
その線引きについては、肌の乾燥・くすみの原因と毎日のケアのほうで詳しく扱っています。
よくある質問
■ スキンケアは何歳から始めるべきですか
年齢で区切らなくて大丈夫です。
洗って、与えて、閉じる、という3つは、年齢に関係なく共通しています。
変わってくるのは製品そのものより、必要な量のほうでしょう。
■ メイクをしない日もクレンジングは必要ですか
日焼け止めを塗った日は必要です。
何も塗っていない日は、洗顔料だけで構いません。
必要のない日までクレンジングを使うのは、「強すぎる」側に寄ってしまいます。
■ 新しいアイテムを試すときの注意点はありますか
1回に1品だけにして、季節の変わり目は避けましょう。
肌の状態が動いている時期に試すと、合わなかったのが製品なのか時期なのか、区別できません。
刺激を感じたら、期間にかかわらず、すぐに使うのをやめてください。
■ 手順を1つ飛ばしてしまう日があります
気にしすぎなくて平気です。
毎日きちんと全部やるより、落とす工程を丁寧にするほうが効いてくると思いますよ。
疲れている日に省くなら、残したいのは落とす工程と、閉じる工程です。
与える工程だけを省いた日があっても、それほど大きな問題にはならないでしょう。
まとめ
手順は、軽いものから重いものへ置くだけです。
見直す価値があるのは、強すぎる・多すぎる・長すぎる・頻繁すぎるの4つで、その中では「強すぎる」から直していくのがおすすめです。
落とす工程は、スキンケアの中でいちばん影響が大きいところです。
季節の変わり目に製品を替える前には、まず量を調整してみてください。
スキンケアで差がつくのは、いいものを見つけたかどうかより、余計なことをしていないかどうかだと思います。
減らしてみて何も変わらなかったなら、それは損ではなく、発見ですよ。


