正しいスキンケアの手順とありがちな間違い

正しいスキンケアの手順とありがちな間違い

手順そのものは数分で確認が終わります。実際に困りごとにつながっているのは、ほぼすべて「やりすぎ」の側です。

スキンケアの手順は、落とす・与える・足す・閉じる・守るの順で、迷ったら軽いものから重いものへ置けば終わりです。
ここに時間をかけても、得られるものはあまり多くありません。
実際に相談として多いのは、手順が違うことではなく、洗いすぎ、こすりすぎ、重ねすぎ、変えすぎのほうなんです。
ですから手順そのものより、やりすぎていないかを見直すほうがずっと効いてきます。

スキンケアの手順

  1. 落とす ── クレンジング(メイクをした日)、洗顔
  2. 与える ── 化粧水
  3. 足す ── 美容液(使う場合のみ)
  4. 閉じる ── 乳液またはクリーム
  5. 守る ── 日中は日焼け止め

並べ方の原則は、水分の多いものを先に、油分の多いものを後に置くというだけです。
例外は、導入用として設計されたものと、オイルを最初に使う設計のものくらいでしょう。
このあたりは製品側の指定に従ってください。
手順そのものは、これでほぼ全部です。
差がつくのはむしろ、この先の「やりすぎ」のほうなんです。

間違いは4種類の「すぎ」

分類具体例見分け方
強すぎる洗浄力の強いクレンジング、熱いお湯洗顔後につっぱる
多すぎるアイテム数、重ね付けの回数何が効いているか説明できない
長すぎるクレンジングの時間、シートマスクの放置指定時間を超えている
頻繁すぎる角質ケア、新製品の導入前回からの間隔を覚えていない

まずは自分がどれに当てはまるかを確認してみてください。
複数に当てはまる方もいると思いますが、その場合は「強すぎる」から先に直します。
ここが直っていないと、他を直しても土台のほうが崩れ続けてしまうんです。

正しいスキンケアの手順とありがちな間違い

いちばん影響が大きい「落とす」工程

スキンケアの中で肌に触れる時間が長く、力もかかるのが落とす工程です。
それなのに、この工程だけは何年も見直されないことが多いんですよね。
メイクの濃さも季節も年齢も変わっているのに、落とし方だけが同じまま、ということがよくあります。
確認するのは3点で、いま使っているメイクの濃さに対してクレンジングが強すぎないか、クレンジングと洗顔で実質的に二度洗いになっていないか、そしてお湯の温度が高すぎないかです。
とくに温度は見落とされがちですが、熱いお湯は短時間でも影響が出ます。
ぬるいと感じるくらいで十分ですよ。
落としすぎている状態でどれだけ与えても、片方で注ぎながらもう片方で穴を広げているようなものです。
手順を変えても荒れが引かないなら、それは洗い方の問題ではないので、日本皮膚科学会の一般向けの案内で受診の目安を見てみてください。

朝の洗顔料を使わない選択

朝も洗顔料を使うべきかどうかは、意見が分かれる部分です。
結論からいえば、これは人によります。
朝起きたときに肌がべたつくと感じるなら使う理由がありますし、逆に朝からつっぱると感じているなら、ぬるま湯だけにして様子を見る価値があるでしょう。
どちらが正解かというより、自分がいまどちらの状態かで決める話なんです。
決め方も具体的にしておくと、2週間ずつ片方だけを試すのがおすすめです。
比べる対象がないまま切り替えても、判断のしようがありませんからね。
なお、朝に日焼け止めを塗るのであれば、夜のクレンジングは必要になります。

やらなくていいこと

■ よく勧められますが、優先度は高くありません
角質ケアを毎日行う ── 頻繁すぎる側の典型です。増やすなら月単位で様子を見てからにしてください。
新製品を同時に複数試す ── 合わなかったときに、どれが原因か分からなくなります。
シートマスクを指定時間より長く貼る ── 乾いてくると、かえって水分を持っていかれます。
強いパッティング ── 浸透のために叩く必要はありません。刺激のほうが気になります。

アイテムを減らす順番

「多すぎる」に当てはまった方には、外していく順番があります。
いきなり半分にする必要はなくて、次の順に外していくと判断しやすくなります。

  1. 役割が重なっているもの ── 同じ工程に複数使っているなら、片方を止めます。閉じる工程に乳液とクリームの両方を使っているなら、まず片方だけにしてみてください。
  2. いつから使っているか思い出せないもの ── 惰性で残っているものは、止めても気づかないことがあります。
  3. 効いている実感がないもの ── ただし、止めてから2週間は様子を見てください。すぐ戻すと判定できません。
  4. 季節限定で足したもの ── 季節が変わったのに残っている場合があります。

減らすときも、1回に1つずつです。
まとめて止めてしまうと、何が必要だったのかが分からなくなります。
そして減らした結果、何も変わらなかったのなら、それはむしろ良い発見でしょう。
そのぶんの費用と時間が、これから毎月浮くことになりますからね。

日焼け止めの位置づけ

日焼け止めを、外出する日だけのものと考えている方は少なくありません。
ただ、紫外線の影響は蓄積していくものなので、一日単位で見れば小さくても、年単位では差がついてきます。
ここで大事なのは、完璧を目指さないことだと思います。
毎日きちんと塗り直すという計画は、たいてい続きませんよね。
続けるための現実的な線は、朝の手順そのものに組み込んでしまうことです。
化粧水、乳液、日焼け止めという並びで置いておけば、そのつど判断する必要がなくなります。
塗り直しについては、できる日にできる範囲で構いません。
塗り直せないから朝も塗らない、というのがいちばんもったいない選び方です。

開封後の期限と置き場所

見落とされやすいのが、開封してからの扱いです。
化粧品には未開封での期限の考え方がありますが、開封後は使い始めた時点から状態が変わり始めます。
とくに、手を直接入れる容器のものは注意しておいてください。
目安としては、開封後は数か月のうちに使い切ることを想定して選ぶといいでしょう。
半年以上かけて使い切るような大容量を少量ずつ使うのは、あまり相性が良くありません。
置き場所も一度見てみてください。
直射日光が当たる窓際、温度が上がりやすい場所、湿気のこもる浴室あたりは避けたほうが無難です。
洗面所は便利なのですが、湿気と温度の変化が大きい場所でもあるんです。
そして、色やにおいが明らかに変わったものは、期限内でも使わないでください。
合わなくなったのではなく、単に状態が変わっているだけの場合があります。
ここを見極めないまま使い続けると、製品との相性の判断そのものが狂ってしまいます。

季節の変わり目に崩れる理由

同じケアを続けているのに、急に合わなくなる時期があります。
たいていは季節の変わり目で、このとき多くの方が製品を替えるという判断をします。
ただ、先に試してほしいのは量の調整のほうです。
同じ製品でも、必要な量は季節によって変わってきますからね。
替えるのは、量を調整しても合わないときで構いません。
そして季節の変わり目は、新しい製品を試すのには向かない時期でもあるんです。
肌の状態が動いているときに新しいものを入れると、合わなかったのが製品なのか季節なのか区別がつかなくなります。
新しいものを試すなら、状態が落ち着いている時期を選んでください。

合わなかったときの切り分け

肌の調子が急に変わったとき、多くの方は最後に使い始めた製品を疑います。
その見当はたいてい正しいのですが、確認の手順を持っておくと精度が上がりますよ。

  • いつから変わったか ── 日付をはっきりさせます。記憶が曖昧なら、写真の日付や購入履歴が手がかりになります。
  • その前後で変えたもの ── 化粧品だけでなく、洗濯洗剤、枕カバー、飲んでいるものも候補に入れてください。
  • 季節の変わり目ではなかったか ── 製品ではなく時期の影響であることがあります。
  • その時期の生活 ── 睡眠不足、体調の変化が重なっていないか。

ただし刺激がある場合は、切り分けを待たずにまず使用を中止してください。
原因の特定は、症状が落ち着いてからで構いません。
そして赤みやかゆみ、痛みが続いている場合は、手順の見直しより皮膚科への相談が先です。
その状態で自己判断のまま製品を替えると、原因の切り分けがさらに難しくなってしまいます。
そもそも化粧品にできるのは、うるおいを与える、乾燥を防ぐ、肌を整えるといった範囲までです。
その線引きについては、肌の乾燥・くすみの原因と毎日のケアのほうで詳しく扱っています。

よくある質問

■ スキンケアは何歳から始めるべきですか

年齢で区切る必要はありません。
洗って、与えて、閉じるという3つは年齢に関係なく共通しています。
変わってくるのは製品そのものより、必要な量のほうなんです。

■ メイクをしない日もクレンジングは必要ですか

日焼け止めを塗った日は必要です。
何も塗っていない日は、洗顔料だけで構いません。
必要のない日にまでクレンジングを使うのは、「強すぎる」側に寄る行為になってしまいます。

■ 新しいアイテムを試すときの注意点はありますか

1回に1品だけにして、季節の変わり目は避けてください。
肌の状態が動いている時期に試すと、合わなかったのが製品なのか時期なのかを区別できません。
刺激を感じた場合は、期間にかかわらずすぐに使用を中止してください。

■ 手順を1つ飛ばしてしまう日があります

毎日きちんと全部やることより、落とす工程を丁寧にするほうが効いてくると思いますよ。
疲れている日に省くなら、優先して残したいのは落とす工程と、閉じる工程のほうです。
与える工程だけを省いた日があっても、そこまで大きな問題にはなりません。

まとめ

手順は軽いものから重いものへ、それだけで終わりです。
実際に見直す価値があるのは、強すぎる・多すぎる・長すぎる・頻繁すぎるの4つで、この中では「強すぎる」を最初に直してください。
落とす工程は、スキンケアの中でいちばん影響が大きい部分です。
そして季節の変わり目に製品を替える前に、まず量の調整を試してみてください。
スキンケアで差がつくのは、良いものを見つけたかどうかより、余計なことをしていないかどうかだと思います。
減らして何も変わらなかったのなら、それは損ではなく発見ですよ。

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