「◯種類の栄養素」表示の読み方|種類数は量を意味しない

「◯種類の栄養素」表示の読み方|種類数は量を意味しない

健康食品のうたい文句でよく見かける、種類の数。あれが何を数えているのか、そして比べるならどこを見るのか。答えはどちらもパッケージの裏側にあります。

種類数というのは、入っているものを数えた結果であって、量を表したものではないんです。
1日にごくわずかしか摂れないものでも1種類、しっかり入っているものでも同じく1種類として数えられます。
だから種類数どうしを並べても、どちらが多く摂れるのかは判断できないんです。
量を知りたいなら、見る場所はパッケージの裏側になります。

食品の表示を確かめるイメージ

「200種類の栄養素」が数えているもの

この手の数字は、分析して検出できたものを数え上げた結果であることが多いようです。
食品はもともと複雑な混合物なので、細かく分析すればするほど検出される種類は増えていきます。
つまり数が大きいこと自体は、分析の細かさを表しているとも言えるわけです。

そして数え方の基準は、製品や分析の方法によって変わります。
ある製品が別の製品より数字が大きいとしても、同じものさしで測った結果とはかぎりません。
比べる相手として使えないのは、ここが理由でしょう。

■ 種類数で比べようとすると起きること
数えた基準がそろっていないので、大小に意味を持たせられない
目当ての成分が「その1種類」に入っているかどうかは分からない
入っていたとしても、量が足りているかは別の話になる

量が分かるのは、栄養成分表示の欄

パッケージの裏や側面に、小さな表が付いています。
食品表示法にもとづくもので、熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5つは書くことが決まっています。
鉄やビタミンといった成分は義務ではありませんが、書いてある製品も多いところです。

ここで最初に確かめたいのが、何に対する量なのかという点になります。
「100gあたり」「1食あたり」「1袋あたり」では、同じ数字でも意味がまるで違いますよね。
表示の単位をそろえないまま比べると、濃く見えるほうをつい選んでしまいがちです。

▶ 量を読み取る3つの手順
1. 単位を確かめる(100gあたりか、1回分か、1日分か)
2. 自分が1日に摂る量へ換算し直す
3. 「栄養素等表示基準値に対する割合」の記載があれば、そこを見る

3つめの割合表示は、1日に必要とされる量に対してどのくらいかを示したものです。
この記載があると換算の手間が省けるので、あればまずそこを見ると早いと思います。
ただし基準値は成人向けの数値なので、年齢や状況によっては目安が変わってくる点だけ頭に置いてください。
表示の欄そのものの読み方なら、消費者庁の消費者向けの解説が分かりやすいでしょう。

健康食品と呼ばれるものの4つの区分

ひとくちに健康食品と言っても、制度のうえでは立場が違います。
何を言ってよいかが区分ごとに決まっているので、ここを知っておくと表示の重みが読み分けられるでしょう。

区分誰が確認しているか表示できること
特定保健用食品国が製品ごとに審査して許可する許可された特定の保健の用途
栄養機能食品国が定めた基準量を満たせば表示できる決められた文言での栄養素の働き
機能性表示食品事業者が根拠を届け出る(国の審査はない)届け出た範囲の機能性
その他の健康食品制度上の位置づけはない機能性の表示はできない

注意したいのは、3つめと1つめが見た目で区別しにくいことです。
どちらもパッケージに機能性らしき言葉が並ぶので、区分の記載を探さないと判別しにくいでしょう。
国が審査したのか、事業者が届け出たのか。ここは同じ重さではないと考えています。

原材料表示は、量の多い順に並ぶ

原材料名の欄は、使った重量の多い順に書くことになっています。
ということは、期待している素材が後ろのほうに出てくるなら、量としては少ないと読めるわけです。
「◯◯エキス配合」と大きく書いてあっても、裏の並びで最後のほうにいることは珍しくありません。

さらに、原材料の並びの途中にある斜線より後ろは添加物になります。
甘みや香りを足しているものがどこまで含まれているかも、この並びから読み取れるでしょう。
味が気になる方は、ここを先に見ておくと想像がつきやすいと思いますよ。

2つの製品を比べる手順

ここまでを踏まえると、比べる作業はかなり単純になります。

  1. それぞれの表示を、1日に摂る量へそろえる
  2. 目当ての成分が、ミリグラムなどの単位でどれだけ入っているかを書き出す
  3. 1日あたりの価格を出す(定期の条件があるなら、続けたときの価格で)
  4. 味・形状・手間が、自分の生活に置ける形かを見る

この4行を紙に書けば、うたい文句を読む必要はほとんどなくなります。
種類数も、受賞歴も、この表には入ってきませんよね。
比較の軸を自分の側で決めてしまうと、売り場で迷う時間はかなり短くなるはずです。

■ 表に書いたときに見えてくること
量あたりの価格が、思っていた順位と入れ替わる
安いほうは1日量が少なく、そろえると差が縮まる
目当ての成分が、そもそも表示されていない製品がある

うたい文句をどこまで信じるか

表側に並ぶ言葉は、売るための言葉です。
それが悪いわけではありませんが、判断の材料としては裏側の表のほうが強いと思っています。

■ そのままでは判断に使えない表示
調査の概要が書かれていない満足度の数字
いつ、誰を対象に、どんな方法で選ばれたのか分からない順位
何年前のものか書かれていない受賞歴

こうした表示は、注記のほうを探すと中身が分かります。
小さく書かれた調査の概要に、対象人数や時期が載っているはずです。
そこに何も書かれていないなら、判断からは外してしまって構わないでしょう。

体験談についても、置き方は同じだと思います。
その方に起きたことであっても、条件がそろわなければ自分に同じことが起きるとはかぎりません。
読むのであれば、良かった話より「どういう人には合わなかったか」が書いてあるもののほうが役に立ちますよ。

定期購入の条件も、表示の一部として読む

健康食品は定期購入の形で売られていることが多く、価格の見え方がここで大きく変わります。
初回だけ安い設定になっている場合、1日あたりの価格を初回で計算すると実態からずれてしまいます。
続けるつもりで選ぶなら、2回目以降の価格で計算し直しておいたほうが確実でしょう。

  • 2回目以降の価格と、送料が別かどうか
  • 最低何回は続ける約束になっているか
  • 休みたいときの連絡期限(次回発送日の何日前までか)
  • 解約の連絡方法(電話のみか、画面上でできるか)
  • 届く間隔を変えられるか

とくに3つめは、忘れたころに効いてくる条件です。
期限を過ぎると次の1本が出荷されてしまうので、届いた時点でカレンダーに入れておくと安心だと思います。
最初の1回で判断がつかない種類のものは、間隔を延ばせるかどうかも見ておくと無理なく続けられますよ。

食品に置いていい期待の範囲

健康食品は食品であって、薬ではありません。
不足しているものを補う位置にはあっても、症状を扱う道具にはならないという線は引いておきたいところです。
体調そのものに心配があるなら、先に医療機関で相談するほうが順番として早くなります。

▶ 受診の線引きから確かめたい方へ
調子が出ない状態が続いているなら、「なんとなく不調」を4つに分ける|受診の線引きと2週間の記録を先に読んでみてください。

よくある質問

種類が多い製品のほうが、栄養バランスはよくなりますか

そう言い切れる根拠は、種類数からは出てきません。
足りていないものが補えるかどうかで見るほうが、判断としては実際的だと思います。

栄養成分表示に書かれていない成分は、入っていないということですか

必ずしもそうではありません。
義務のある5項目以外は、書くかどうかが事業者の判断にゆだねられているためです。
ただ、書かれていないものを期待して選ぶのは避けたほうがいいでしょう。

機能性表示食品は、国が効果を認めた製品ですか

国の審査を受けたものではありません。
事業者が根拠となる資料を消費者庁へ届け出る仕組みで、審査を経て許可される特定保健用食品とはここが違います。

「無添加」と書いてあれば安心ですか

何が入っていないのかは、その言葉だけでは決まらないんです。
原材料の並びを見て、斜線の後ろに何が並んでいるかを確かめたほうが確実です。

割合の表示がない製品は、どう比べればいいですか

1日に摂る量へそろえたうえで、数字をそのまま並べてください。
手間はかかりますが、単位をそろえてしまえば比較は成立します。

複数の製品を同時に飲んでも問題ありませんか

同じ成分が重なることがあるので、そこは確認したいところです。
とくに脂溶性のビタミンやミネラルは、重ねた分だけ増えていきます。
薬を飲んでいる場合は、飲み合わせも含めて薬剤師に聞くのが早いと思います。

定期便の初回価格で比べるのは間違いですか

続けるつもりがあるなら、判断の軸としては弱いと思います。
初回はどの製品も安く設定されるので、そこで並べても差が出にくいためです。
2回目以降の価格でそろえると、順位が入れ替わることがあります。

表示を写真に撮って持ち帰っても構いませんか

店によって扱いが違うので、そこは店頭の案内に従ってください。
通信販売であれば、商品ページに同じ表を載せている場合が多いところです。

価格が高いほうが品質もよいと考えていいですか

価格には原料以外の要素も乗るので、そのまま品質の順位にはなりません。
1日あたりの量と価格をそろえてから見ると、印象とは違う並びになることもありますよ。

まとめ

種類数は、数えられるものを数えた結果にすぎません。
量を知りたいなら栄養成分表示、素材の多さを知りたいなら原材料の並び。見る場所はどちらも裏側です。
そのうえで1日あたりの量と価格をそろえれば、比較の作業はほとんど終わります。
表側の言葉は、そのあとで読んでも遅くないと思いますよ。

▶ 鉄が気になっている方へ
不足しているかどうかを確かめる手順は、鉄分が足りているかを確かめる方法|健診で見ている項目と、見ていない項目にまとめています。
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1本が何日もつかを計算した例として、豊潤サジーは1本で何日もつのか|飲む量で変わる日数と、月あたりの費用が参考になります。