肌の乾燥・くすみの原因と毎日のケア

肌の乾燥・くすみの原因と毎日のケア

くすみの入口は、鏡の前で絞り込めます。

くすみというのは肌の状態を指す言葉ではなく、顔が暗く見えるという見え方につけられた呼び名です。
要因は一つではないんです。
同じ「くすみ」でも、その手前にあるものは人によってまったく別物です。
乾燥が関わっていることもあれば、角質、血色、メイクの厚み、照明、あるいは化粧品の範囲を超えたものが関わっていることもあります。
入口を取り違えたまま化粧品を買い替えても変わらないので、まずは切り分けから始めてみませんか。

くすみという言葉が指しているもの

くすみという診断名は、そもそも存在しません。
あるのは印象だけです。
顔全体が暗く見える、透明感がない、疲れて見えるといった印象を、まとめて呼ぶための言葉なので、出発点が「症状」ではなく「見え方」であるという点で、他の肌悩みとは性質が違います。
乾燥やニキビはその場所を見れば分かりますが、くすみは見る側の条件でも変わってしまうんです。
照明の色、距離、隣に誰がいるか、その日に着ている服の色と、どれも肌とは無関係なのに、見え方のほうは動いてしまいます。
だから「くすみ 化粧品 おすすめ」の上位から選んで買っても、当たりだったかどうかがはっきりしませんよね。
変化がないのか、変化はあるけれど別の要因が勝っているのか、区別する手段がないからです。
最初に手をつけたいのは、商品選びより、自分の見え方がどこから来ているのかを絞り込むことでしょう。

あなたのくすみは、どの入口から来ているか

道具はいりません。
次の3つを、順に確かめてみてください。

  1. 湯上がりの顔を見る。入浴直後に明るく見えて、しばらくすると戻るなら、水分と血流の影響が大きい入口です。
  2. 顔と手の甲を並べる。同じ照明の下で顔だけが濃く見えるなら、日々受けてきた紫外線の蓄積や、角質の要因が絡んでいます。
  3. 濃い部分に境界があるか見る。全体がぼんやり暗いのか、輪郭のはっきりした濃い部分があるのか。後者は化粧品の話ではありません。
▶ 判断の軸は「時間で変わるかどうか」
● 朝と夕方で違う/湯上がりで違う/季節で違う = 動く要因(水分・血流)
● いつ見ても同じ/輪郭がある = 動かない要因(色素の蓄積)
前者は毎日のケアで向き合う対象です。
後者は、医療機関に相談するかどうかを判断する対象で、化粧品を買い替えても答えは出ません。
うるおい・水のイメージ

乾燥した肌が暗く見える理由

乾燥に色はありません。
それでも乾燥した肌が暗く見えるのは、肌表面の光の返し方が変わるからなんです。
角層に水分が足りているとき、表面のキメは細かく整っていて、当たった光を細かく散らして返し、その散らし方が均一なとき、人の目にはやわらかい明るさとして映ります。
ところが水分が不足するとキメの溝が深く不揃いになり、光が同じようには返らず、影の面積が増えていきます。
同じ絵を、光沢紙ではなくつや消しの紙に刷ったようなもので、色が濃くなったわけではないのに、暗く見えてしまうわけです。
化粧品の世界で「乾燥による肌のくすみ」という限定つきの言い方をするのは、この光の話をしているからです。
逆にいえば、保湿で変えられるのはここまでで、色そのものを変える話ではありません。

化粧品の守備範囲

見え方の入口化粧品の守備範囲現実的な打ち手
乾燥でキメが乱れている範囲内保湿の量と、洗顔後の時間を詰める
古い角質が残っている一部頻度を上げず、月単位で様子を見る
血色・疲れ範囲外睡眠と、体を冷やさないこと
メイクの色や厚み範囲外化粧品を替えるのではなく使い方を変える
輪郭のはっきりした濃い部分範囲外皮膚科に相談するかを検討する

「範囲外」というのは、あきらめるという意味ではなく、打ち手が化粧品ではない、という意味です。
ここを混ぜたまま化粧品を買い替え続けることが、いちばんお金と時間を使ってしまいます。
5つのうち上2つだけが、スキンケア売り場で解決を探していい領域だと私は考えます。
それから、すでにできているシミについても線を引いておきます。
化粧品は薬ではありません。
薬用の美白化粧品にできると定められているのは「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」ことで、これは予防の表現です。
できてしまったものを消すという話ではないんです。
輪郭のはっきりした濃い部分、左右に広がる部分、短期間で増えた部分といったものは、自己判断の対象から外して、皮膚科で相談してみてください。
そのほうが早いこともあります。
化粧品が何をうたえるかは法令で範囲が決まっていて、日本化粧品工業会がその改正の経緯を公開しています。

順番として先ではないこと

■ よく勧められますが、優先度は高くありません
● 角質ケアの頻度を上げる ── 落とす方向を強めると、乾燥由来のくすみは逆に目立ちます。増やすなら月単位で様子を見てからです。
● 化粧水の重ね付けを増やす ── 与える回数より、与えたあとに逃がさないかどうかで差がつきます。
● いま使っているものに高価な美容液を足す ── 何が効いたのか分からなくなり、次に判断できません。
● 口コミの星の数で決める ── 肌質も、照明も、比較対象も違う人の点数です。

この4つに共通しているのは、やっても悪くはないけれど順番として先ではない、という点です。
先にやるべきことが残っている状態でこれらに手を出すと、効いたかどうかの判定ができなくなります。
判定できない試行は、何度繰り返しても知見が残らないんですよね。

商品より先に見直す3つ

  1. 量 ── 規定量を使っているか。ポンプ何回、パール粒大といった目安は、その製品が想定している使い方です。
  2. 時間 ── 洗顔から最初の保湿までの時間。ここが長いほど不利になります。
  3. 摩擦 ── タオル、コットン、指。押さえる、置く、往復させない。

この3つは、出費ゼロです。
商品を替える前に、ここを1か月固定してみてはいかがでしょうか。
そのうえでまだ足りないと感じたときに、はじめて次に替えるものが見えてきます。
順番を逆にすると、いい商品を買っても効果が埋もれてしまうんです。
それぞれの具体的なやり方は、40代からのスキンケアの見直し方のほうで詳しく扱っています。

スキンケアをする女性

ファンデーションが暗く見せている場合

自分の肌より暗い色を選んでいる、厚く重ねている、粉の量が多い、のどれかに当てはまると、素肌の状態と関係なく顔は暗く映ります。
とくに乾燥している肌に粉を重ねると、粉が溝に溜まって影を強調してしまうんです。
スキンケアを変えても写真写りが変わらないという場合、要因が化粧品の下ではなく上にある可能性を疑ってみてください。
確かめ方は簡単で、ノーメイクの状態を窓際の自然光で見るだけです。
そこで気にならないなら、見直す対象はスキンケアではありません。
色の合わないファンデーションを一年使い続けるより、そちらを替えるほうが早く、そして安く済みますよ。

生活習慣の効き方が遅い理由

睡眠、食事、冷えは、くすみの記事には必ず並ぶ項目ですが、書いてあるとおりにしても翌朝に変わらないので、多くの方がここで離脱します。
無関係ではありません。
現れ方が遅く、そして効いていること自体が本人には分かりにくいだけなんです。
肌が入れ替わる周期は一般に4週間前後が目安とされ、年齢とともに長くなる傾向があるとされます。
40代で始めた見直しが2週間で見えないのは、むしろ当たり前ということになりますよね。
ここで結論を出さないことが、生活習慣でいちばん大事な部分だと思います。
判定は最低でも1か月、できれば季節をまたいで見ておきたいところです。
同じ期間に化粧品まで替えるのは、避けましょう。
判定ができなくなります。

よくある質問

■ 角質ケアはしたほうがいいですか

人によって分かれます。
顔と手の甲を比べて顔だけが濃く、かつ肌がごわつくと感じるなら、取り入れる余地があるでしょう。
一方で、洗顔後につっぱる、季節の変わり目に赤くなるという方は、まず保湿を優先したほうが安心です。
落とす方向のケアは、足りないところにさらに負荷をかけることがあります。

■ 化粧水は重ねるほどいいですか

回数より、量です。
規定量を1回で使い切るほうが確実です。
重ね付けが無意味なわけではありませんが、そのあとに乳液やクリームで閉じていなければ、与えた分の多くは逃げていってしまいます。
増やす順番としては、化粧水の回数より先に、最後のフタのほうを見直してみてください。

■ 保湿しても夕方には戻ってしまいます

日中の環境かもしれません。
空調の風が直接当たる席、乾燥した室内、外気との出入りといった条件ですね。
この場合、朝のスキンケアを強化するより、日中に補える手段を1つ持つほうが現実的だと思います。
ただし塗り直しの回数を増やすとメイクが崩れやすくなるので、ここは好みで決めて構いません。

■ 照明で見え方が変わるなら、どこで確認すればいいですか

場所と時間帯を1つ決めて、そこだけで見るのがおすすめです。
窓際の自然光で、朝と夕方の決まった時刻に見るのがいちばん条件をそろえやすいでしょう。
毎回違う場所で見ていると、ケアの効果より照明の差のほうが大きく出てしまいます。

まとめ

くすみは見え方の名前であって、原因の名前ではないので、最初にやることも商品選びより入口の切り分けになります。
時間で動くもの(水分・血流)は毎日のケアの対象、動かないもの(色素の蓄積)は医療機関に相談するかどうかの判断対象です。
この線を引くだけで、買わなくていいものがかなり減るはずですよ。
そして化粧品を替えるのは、量・時間・摩擦を固定したあとです。
順番さえ守っておけば、次に何を試すかも自分で決められるようになります。

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年齢を重ねてから同じケアが物足りなくなったと感じている方は、40代からのスキンケアの見直し方もご覧ください。
くすみ・透明感ケアという切り口で商品を検討したい方は、こちらの記事で効果と注意点を整理しています。