転職エージェントは1社?複数?メリット・デメリット
転職エージェントは1社?複数?メリット・デメリット
エージェント選び、悩む人も多いはず。それぞれのメリット・デメリットを整理しました。
転職サイトの登録フォームをスクロールしていくと、必ずと言っていいほど出てくる案内があります。
「エージェントのサポートも一緒にいかがですか」というあれです。
とりあえず1社だけにするか、それとも念のため何社かまとめて登録しておくか。
しばらく画面の前で固まってしまった経験がある方は、決して少なくないはずです。
「1社に絞るか、複数登録するか」。
これは転職活動を始めた人が、比較的早い段階でぶつかる悩みの一つです。
どちらの選択にもメリットとデメリットがあり、何が正解かは人によって、そして状況によって変わってきます。
どちらが自分に合うかは、動き出してみるまで見えにくいものです。
最初は「多いほうが得だろう」と3社登録してみる。
ところが想像以上の連絡量に、途中でパンクしかけた。そんな方もいるのではないでしょうか。
どちらが向いているかは、連絡にどれだけ対応できるかと、情報を自分で比べたいかどうかで決まってきます。
1社に絞るメリット・デメリット
1社だけに絞ってしまうと、まず担当者とのやり取りが驚くほどシンプルになります。
情報が一本化されるので、面談や書類のスケジュール管理もぐっとしやすくなりますよね。
また、担当者との関係が自然と深まりやすく、ときにはじっくりと本音で相談に乗ってもらえることもあります。
「この人になら遠慮なく本音で話せる」。
そう思える相手にめぐり会えれば、転職活動全体の安心感は大きく変わってきます。
一方で、当然デメリットもあるんです。
紹介される求人が、その担当者の得意とする分野に、どうしても偏ってしまう可能性があることです。
「他にもっと自分に合う求人があったのかもしれない」。
この取りこぼしの可能性が、1社集中という選択の弱点でしょう。
また、その担当者と相性が合わなかった場合、他に頼れる選択肢がなくなってしまう点にも注意が必要です。
いわば「一点賭け」に近いやり方です。
そこが当たれば強いんですが、外れると立て直しにやや時間がかかります。
担当者一人の情報網だけに頼ることにもなります。
その人がたまたま知らない業界の求人には、そもそも出会う機会がない。これは見えにくいリスクです。
「担当者ガチャ」という言葉があるくらいで、最初にどんな人に当たるかで満足度は大きく変わります。
これも1社集中型の、避けられない性質かもしれません。
外れを引いたと感じても、担当者の変更を申し出れば済む話ではあります。
ただ、それを言い出すタイミングに悩んで、ずるずる我慢し続けてしまう人も少なくないようです。
なお人材紹介は厚生労働大臣の許可を受けた職業紹介事業で、担当者の交代を求めること自体は正当な申し出です。

複数社を併用するメリット・デメリット
複数のエージェントに同時に登録すると、紹介される求人の幅そのものが大きく広がっていきます。
一社だけでは決して出会えなかったであろう求人に、思いがけず巡り会える可能性も高まるはずです。
また、複数の担当者それぞれの意見を聞くことで、より客観的な視点を自然と得やすくなりますよ。
一方で、こちらもデメリットを無視することはできません。
まず、やり取り全体の管理そのものが、かなり煩雑になっていきます。
気がつけば、通知欄に3社分のメッセージが重なって並んでいる。
どれにまだ返信していないのか、分からなくなってしまう。
そんな経験をしたことがある人も、実は少なくないのではないでしょうか。
まったく同じ求人が、複数のエージェント経由で別々に紹介されてくる。
それで頭が混乱してしまう、というのもよく聞かれる話です。
「これさっきA社から来た求人じゃないか?」と、脳内で照合作業が発生する羽目になりますよね。
さらに、それぞれの担当者との面談や電話対応に時間を取られ続け、次第に疲弊してしまう人も見られます。
スケジュール調整の連絡が同時に重なり、返信が追いつかなくなってしまうケースも珍しくありません。
極端な例では、3社の面談を同じ日に組んでしまう方もいます。
似たような自己紹介を、1日に3回繰り返すことになるわけです。
併用する場合は、2〜3社程度にとどめておくのが、現実的な落としどころだといわれています。
それ以上の数まで増やしてしまうと、管理にかかる負担のほうが、得られるメリットを上回ってしまうことがありますよ。
まずは2社程度から始めてみて、様子を見ながら必要に応じて増減させていく方法もおすすめです。
情報が食い違ったときの対処法
複数のエージェントを併用していると、同じ企業について、まったく違う情報を聞かされることも出てきます。
「A社では良い評判だと聞いていたのに、B社ではまったく違う話をされた」。
こうした食い違いは、実際によく起こります。
どちらの情報を信じればいいのか分からなくなってしまうこともありますよね。
まるで二人の占い師に同じ質問をして、正反対の答えが返ってきたときのような、あの困惑に近いかもしれません。
このとき、どちらか一方を鵜呑みにしないでください。
あくまで参考程度の情報として受け止めておくほうが賢明です。
最終的には、自分自身の手で企業研究を行い、実際の面接を通して肌で感じた印象を大切にしたいですね。
エージェントから得られる情報は、あくまで数ある判断材料のひとつにすぎません。
むしろ複数の情報を照らし合わせてみる。
そうすると、その企業の実態がより立体的に浮かび上がってくることもありますよ。
口コミの評価が星3.5でも、実際に行ってみたら美味しかった。そんな店はありますよね。
エージェント経由の評判も、一つの目安として扱うくらいでちょうどいいと思います。
担当者との相性、どう見極める?
エージェント選びで最も重要なのは、会社そのものの知名度ではありません。
「担当者との相性」だといわれています。
同じ会社に所属している担当者であっても、対応の丁寧さや提案の質は、人によって大きく変わってくるものです。
初回の面談で、こちらの話を最後まで聞いてくれるかどうか。
質問に誠実に答えてくれるかどうか。この2つを注意深く見てみましょう。
「なんとなく話しづらいな」という、その場の違和感。
後になって振り返ると、これが意外と的中していることは多いようです。
違和感を覚えた場合は、担当者の変更を申し出ることも十分に可能ですよ。
「せっかく担当してもらっているのに悪いかな」と遠慮する必要はまったくありません。
返信の速さも判断材料になります。
こちらの希望条件をどれだけ丁寧に聞き取ってくれるか、という点も同じです。
こちらの都合を無視して、求人を大量に送りつけてくるタイプもいます。
それより、話をじっくり聞いたうえで数を絞って提案してくれるタイプのほうが、満足度は高くなりやすいようです。

結局どちらが向いている?タイプ別の考え方
普段から忙しく、やり取りに時間を割けない。
そういう方には、1社に集中するやり方が向いているかもしれません。
一方で、じっくり比べたい方や、まだ方向性が定まっていない方はどうでしょうか。
こちらは複数社を併用するやり方のほうが、合っている場合もあります。
最初は複数社に登録して、幅広く情報を集める。
そして途中から信頼できる1社に絞り込む。この進め方も現実的な選択肢のひとつです。
どちらか一方だけが絶対的な正解、というわけではありません。
自分自身の性格や、今の転職活動にどれだけの時間をかけられるかと相談しながら決めていくのがよさそうです。
迷ったときは、まず気軽に登録できる範囲から、実際に試してみるのも一つの方法ですよ。
やってみて「これは自分には合わない」と感じることもあるでしょう。
そのときは途中で減らすなり増やすなり、柔軟に調整すればいいだけの話です。
最初に決めたやり方に、固執する必要はまったくありません。
走りながら微調整していく、くらいの気軽さで臨んでみてください。
エージェントを「卒業」するときの角の立たない断り方
複数のエージェントを併用していると、いずれこう思う瞬間が来ます。
「もうこの担当者とはやり取りしなくていいかな」というタイミングです。
このとき地味に悩ましいのが、断りの連絡です。
無視を決め込んでフェードアウトしたい気持ちも分かりますが、これはあまりおすすめできないやり方です。
担当者も人間ですから、返信のないまま放置されれば気になります。
「あれ、この人どうしたんだろう」と、地味に思い続けることになるわけです。
一番角が立たないのは、「他社経由で内定をいただき、そちらでお世話になることにしました。ここまで丁寧にご対応いただき、ありがとうございました」といった、シンプルで前向きな一言です。
理由を細かく説明する必要はなく、感謝の一言さえ添えれば、それ以上深掘りされることはまずありません。
電話が苦手なら、メールやチャットで一言送るだけでも十分に礼儀は尽くせますよ。
逆に「実は御社の対応が微妙で」といった正直すぎる感想はどうでしょうか。
聞かれてもいないのに、自分から差し出す必要はないと思います。
円満に終わらせておくと、後々の利点もあります。
また別のタイミングで転職を考えたときに、気まずさなく再登録できるからです。
転職の世界は、思っている以上に狭いところです。
同じ担当者と数年後にまた縁がある、ということも実際にありえます。
まとめ
転職エージェントの使い方に、絶対的な正解というものは存在しません。
1社に集中すれば管理のしやすさが手に入り、複数を併用すれば選択肢の広さが手に入ります。
大切なのは、自分自身の状況に合わせて、柔軟にやり方を調整していくことです。
どちらを選んでも一長一短があると割り切ってしまえば、選ぶこと自体への迷いもいくらか軽くなるはずですよ。
まずは気になる担当者と一度話してみて、そこから自分に合ったスタイルを判断してみてはどうでしょうか。
1社でも複数でも、構いません。
最終的に「この人になら任せられる」と思える相手が見つかれば、それが一番の正解だと思います。


