冷え性対策|体を温める生活習慣

冷え性対策|体を温める生活習慣

靴下もカイロも試したのに変わらない、という方に向けた整理です。足りていないのは、たいてい反対側にあります。

冷え対策として紹介されるものは数え切れないほどありますが、整理すると2種類しかありません。
熱を作る側か、作った熱を逃がさない側かのどちらかです。
そして多くの方は、逃がさない側だけをやっています。
靴下を重ねてカイロを貼り、それでも変わらないと感じているなら、抜けているのは作る側なんです。

冷え以外の原因が疑われる場合

冷えは、それ自体が原因とはかぎりません。
何かの結果として現れていることもあるので、次に当てはまる場合は、生活習慣の話に進む前に医療機関で相談してください。

■ 生活習慣の工夫より先に、相談したほうがよい場合
左右で差がある ── 片側の手足だけが冷たい、色が違う
しびれや痛みをともなう
急に始まった ── これまで気にならなかったのに、ある時期から強くなった
他の不調が一緒にある ── 体重の急な変化、強い疲れ、月経の変化など

これを書いているのは、脅かすためではありません。
冷えは自己対処の対象だと思われやすく、そのぶん受診が遅れやすい領域だからです。
当てはまる方にとっては、靴下の重ね履きの話は時間の無駄になってしまいます。
当てはまらない方だけ、ここから先を読んでください。

冷え性対策

対策は2種類しかない

分類具体例特徴
熱を作る側体を動かす、食事を抜かない、入浴で温まる手間はかかるが、続けると土台が変わる
熱を逃がさない側衣類、靴下、ひざ掛け、カイロ、室温すぐできて効果も早いが、作る量が少なければ限界がある

ここで確認してほしいのは、いま自分がやっていることがどちらに偏っているかです。
紙に書き出す必要はなくて、頭の中で並べてみるだけで構いません。
片側にしかないなら、そちらはもう飽和している可能性があります。
重ね履きを1枚増やすより、抜けている側に1つ足すほうが、変化としては分かりやすく出るはずですよ。

「熱を逃がさない」側で、いちばん多い失敗

靴下の重ね履きで、足を締めつけてしまうことです。
厚手を何枚も重ねると靴の中でゆとりがなくなりますが、締めつけた状態は温めるという目的から見ると逆方向ですよね。
枚数を増やすより、ゆとりのあるサイズで一枚を厚いものにするほうが理にかなっています。
同じことは下着や靴でも起こるので、サイズを一段上げるだけで感じ方が変わることもあります。
それから、覆う場所にも優先順位があるんです。
露出している面積が大きい場所ほど、熱は逃げやすくなります。
手足の先だけを厚くするより、体幹に一枚足すほうが全体としては効率がよくなるでしょう。

手足だけが冷たいときの見方

体は寒くないのに、手足の先だけが冷たいという方は多いと思います。
このとき厚着を足しても、体幹のほうはすでに足りているので、変化を感じにくくなります。
見るのは、末端まで熱が届いているかどうかです。
長時間同じ姿勢でいる、締めつけの強い衣類を着ている、動く機会が少ないといった条件が重なっていないか確認してみてください。
どれも末端に共通する条件なのですが、自分ではなかなか気づきにくい部分なんです。
ただし左右で差がある場合は話が別になるので、冒頭に挙げた項目のほうへ戻ってください。

「熱を作る」側は運動より食事

冷え対策として運動を勧める記事は多いのですが、順番としては食事が先だと思います。
理由は単純で、運動より確実に毎日行われるからです。
とくに朝食を抜いている場合、そこが最も大きな空白になります。
食べるという行為そのものに体を温める側面があるとされていて、抜けばその分だけ機会が減ってしまうんです。
次に見るのは、食事の中身より回数と時間帯のほうです。
何を食べるかの議論は情報が多く、迷いやすいわりに実行へ移りにくい領域ですよね。
一方で、抜かない、極端に減らさないというのは今日から実行できます。
そのうえで運動を足すなら、強度より頻度でしょう。
週に一度の長い運動より、毎日の短い移動のほうが生活の中で崩れにくくなります。
どれくらい動けばよいかの目安なら、厚生労働省の身体活動・運動に年代別の基準が出ています。

試しても変わりにくいもの

■ よく紹介されますが、優先度は高くありません
温かい飲み物だけで対応しようとする ── 飲んだ直後は感じますが、持続する時間は長くありません。飲み物は補助であって、主役ではありません。
特定の食材を買い足す ── 生姜や唐辛子を足しても、食事全体が整っていなければ埋まりません。
夏の冷房を我慢する ── 室温を上げすぎると別の不調につながります。我慢ではなく、風が直接当たらない位置取りと羽織りものです。
高価な冷え対策グッズから始める ── 先にサイズと締めつけを見直すほうが、費用がかかりません。

季節ごとに詰まる場所

季節つまずきやすいところ先に見るところ
重ね着で締めつけているサイズと、体幹を覆えているか
冷房の風が直接当たる席の位置、羽織りもの、足元
春・秋朝晩の差に服装が追いつかない脱ぎ着できる構成にしておく
通年食事を抜く日がある回数と時間帯を先に固定する

冷えの相談で意外に多いのが、夏なんです。
外は暑いのに室内では冷えるという状態は、服装で調整するしかありません。
夏に薄着で我慢して、冬に厚着で締めつける。
この2つが重なると、一年を通して同じ悩みが続くことになります。

入浴は温度より時間帯

湯の温度や入浴時間について、細かい推奨を見かけることがあります。
ただ、多くの方にとってそこは続かない部分でしょう。
決めるなら、時間帯のほうです。
就寝の何時間前に入るかを固定すると、生活のリズムそのものが安定してきます。
熱い湯に短く入るか、ぬるめに長く入るかは好みで構いません。
ただし熱い湯は肌のうるおいを流しやすいという、別の問題を抱えています。
冷え対策として温度を上げた結果、今度は乾燥が気になるようになるのはよくある流れなんです。
温度を上げるより、湯上がりに体が冷えるまでの時間を短くするほうが現実的だと思います。
具体的には、湯上がり後に薄着で過ごす時間を作らないということですね。

デスクワークでいちばん効くこと

座り続けていると、足元から冷えていきます。
ひざ掛けやデスクヒーターは有効ですが、これも逃がさない側の対策です。
作る側で唯一、職場でも実行できるのが立ち上がることでしょう。
一時間に一度立つ、というルールを決めるだけで構いません。
席を離れる用事を意図的に作る、飲み物を遠くに置く、階段を使うといったことなら、道具もいりませんよね。
続けやすさという点では、これに勝るものはあまりないと思います。
足首を回す、かかとを上げ下げするといった小さな動きも、座ったままできる範囲では役に立ちます。

寝るときの冷えは「入る前」で決まる

布団に入っても足先が冷たいまま眠れない、という相談で最初に検討されるのは、たいてい寝具や湯たんぽです。
ただ、見るべきなのは布団に入る前の時間のほうなんです。
入浴から就寝までのあいだに薄着で長く過ごしていると、体はそこで冷えます。
冷えた状態で布団に入れば、布団が温まるまでの時間がそのまま寝つけない時間になってしまいます。
つまり寝具を良くするより、湯上がりから就寝までの過ごし方を変えるほうが直接的です。
具体的には、湯上がりにすぐ寝る服装まで着てしまうこと。
脱衣所に着るものを置いておけば、それだけで実行できますよ。
靴下をはいて寝るかどうかについては意見が分かれますが、締めつけの強いものを長時間はくのは避けたほうがよく、はくなら緩いものを選んでください。
足先だけを覆うより、腹部や腰まわりに一枚足すほうが、全体としては効きやすい配分です。
それから、寝室の室温そのものも確認しておいてください。
寝る直前に暖房を切ると、明け方にいちばん冷え込みます。

よくある質問

■ 冷えは体質なので、変わらないのではないですか

体質という言葉は便利なのですが、そこで止めてしまうと確認できることまで確認しなくなります。
まずは自分の対策が「作る」「逃がさない」のどちらに偏っているかだけ見てみてください。
両方をやったうえで変わらないのであれば、それは自己対処の範囲を超えている可能性があり、そのときこそ相談する意味があります。

■ 冷えとむくみは関係がありますか

両方を同時に感じる方は少なくありません。
ただし、どちらかがどちらかを引き起こしていると単純に決めつけないほうがいいでしょう。
長時間同じ姿勢でいる、締めつけの強い衣類を着ているなど、共通する背景があることもあります。
気になる場合は、まず共通しそうな条件のほうを見直してみてください。

■ 運動が苦手でも、できることはありますか

運動として構えると、開始のハードルが一気に上がります。
ですから移動として考えてください。
一駅分歩く、階段を使う、席を立つ用事を作るといったことなら、運動の時間を確保する必要がなく、すでにある予定の中に混ぜられます。
続けやすさという点では、専用の時間を作る方法よりずっと有利ですよ。

■ 冷え対策によい食材はありますか

特定の食材に絞って考えるのは、あまり効率がよくありません。
食材の話は情報が多く、比較しているうちに実行が後回しになりがちですからね。
それよりも、食事を抜かない、極端に量を減らさないという点を先に固定してください。
食材の選択は、そのあとで検討しても遅くないと思います。

まとめ

冷え対策は、熱を作る側と逃がさない側の2つに分けられます。
多くの方は逃がさない側に偏っていて、そこを厚くしても頭打ちになってしまうんです。
まず自分の対策がどちらに寄っているかを確認して、抜けている側に1つ足してください。
そして締めつけは、温めることと両立しません。
枚数を増やす前に、サイズのほうを見てみてください。
左右差、しびれ、急な発症がある場合は、この記事の範囲ではなく医療機関の範囲です。

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