着圧アイテムの選び方|サイズを下げてはいけない理由
着圧アイテムの選び方|サイズを下げてはいけない理由
ソックス、スパッツ、ガードル。着圧と名の付くものを選ぶとき、いちばん間違えやすいのがサイズです。強さとサイズは、別の話になります。
着圧の強さは製品の設計で決まっていて、小さいサイズを選んでも強さが上がるわけではありません。
起きるのは、想定より狭い場所に圧が集まって、その一点だけが食い込むという状態です。
つまりサイズを下げる行為は、強くする方法ではなく、設計を崩す方法なんです。
選ぶときに見るのは、まず自分の実測とサイズ表の対応になります。

買う前に相談したほうがいい場合
次に当てはまる方は、市販品を選ぶ前に医師へ相談してください。
- 糖尿病がある、あるいは足の血流について指摘を受けたことがある
- 心臓や腎臓の病気で治療を受けている
- 足に傷や皮膚炎、かぶれがある
- 血栓の既往がある、または家族に指摘された経験がある
- 妊娠中である、または産後で傷の痛みが残っている
- 足のしびれや感覚の鈍さがある
これらの状態では、締め付けが不利に働く場面があります。
市販の着圧衣類は、医師の指示で使う医療用の弾性ストッキングとは別のものです。
目的も、想定している使い手も違うので、同じ感覚で選ばないほうがいいでしょう。
「着圧」という言葉が指しているもの
着圧という言葉は、生地が体を押す力の強さを指しています。
製品によってはこの強さが数値で書かれていますが、書かれていないものも多いところです。
数値がある場合も、測っている部位が製品ごとに違うことがあるので、単純な大小の比較にはなりません。
もうひとつ知っておきたいのが、段階着圧という作り方です。
足首側を強く、上に向かうほど弱くする。勾配をつけたこの作り方を、そう呼びます。
ガードルやスパッツでも、部位ごとに生地の強さを変えている製品があるでしょう。
サイズを下げると、設計が崩れる
ここがこの記事でいちばん伝えたい部分になります。
製品に書かれた強さというのは、表示されたサイズの体型に合わせて着けたときにはじめて成り立つ数字なんです。
ひとつ小さいものを履くと、生地が想定より強く引き伸ばされるので、圧が全体に均等に増えるのではなく、細い部分に集中してしまいます。
ウエストや太もものつけ根に、深く食い込む帯ができる
段階着圧の勾配が崩れ、上のほうだけがきつくなる
脱ぎ履きに時間がかかり、生地が傷んで寿命が短くなる
かゆみや跡が残るようになり、結局着けなくなる
とくに2つめは、見た目に出ないぶん気づきにくい変化です。
下を強く、上を弱くという勾配が前提の設計なのに、上だけが締まると、狙いとは逆向きの形になってしまうわけです。
「きついほうが効いている気がする」という感覚は、ここでは当てになりません。
しびれや色の変化が出たときは使用をやめて、国民生活センターの相談事例にある窓口へ持って行ってください。
▶ 2つのサイズにまたがったら、大きいほうを選ぶ
▶ 身長とヒップが別の欄にまたがるなら、ヒップを優先する
▶ 迷う理由が「細く見せたい」なら、それはサイズの話ではない
▶ 履いたときに指1本が入らないほど食い込むなら、サイズが合っていない
数値が書かれていない製品の見方
市販の着圧衣類では、圧の数値が書かれていない製品も珍しくないんです。
表示の義務があるわけではないので、書いていないこと自体が不誠実というわけでもないんです。
ただ、数値がないぶん、こちらは別の手がかりで判断することになります。
- サイズ表の刻みが細かいか(細かいほど、体型に合わせる前提で作られている)
- 部位ごとの生地の違いが説明されているか
- 着ける時間帯の想定(日中用か、夜用か、兼用か)が書かれているか
- 洗濯の方法と、交換の目安に触れているか
この4つが書かれている製品は、使い方まで想定して作られていると読めます。
逆に、見た目の変化ばかりが並んでいて使い方の記載が薄いものは、判断の材料が足りません。
数値の有無そのものより、こうした情報の厚みのほうが見分けの手がかりになると思いますよ。
実測の取り方
サイズ表はメーカーごとに刻みが違うので、自分の数字を持っていないと選べません。
測るのは次の3か所で足ります。
- ウエスト(いちばん細い位置。息を吸って止めない)
- ヒップ(いちばん出ている位置を水平に)
- 身長(サイズ表に欄がある製品の場合)
測る時間帯は、夕方より朝のほうが安定します。
一日の中でも数字は動くので、同じ時間帯に2回測って近い値を採用してください。
メジャーを引っ張りすぎると小さく出るので、指が1本入るくらいの緩さで当ててください。
着ける時間の決め方
日中に着けるものと、就寝時に着けるものでは、そもそも設計の前提が違っています。
夜用として売られていない製品を寝るときに使うと、寝返りの少ない時間帯にずっと同じ場所が押され続けることになります。
兼用と書かれていないなら、分けて考えるほうが無難でしょう。
一日中着けたままにするのも避けたいところです。
外して肌を見る時間を作っておくと、跡の残り方や赤みの変化に気づけます。
着け始めの数日は短い時間から試して、体が慣れる幅を見ておくと失敗しにくいと思いますよ。
1日目は数時間だけ着けて、外したあとの肌を見る
跡が30分ほどで引くなら、翌日は時間を延ばす
跡が長く残る、または痛みが出るなら、サイズを見直す
服の下での見え方と、生地の選び方
毎日着けるものなので、着心地と見え方の折り合いも選択の一部になってきます。
とくに縫い目の位置は、薄い服のときに線として出てしまうことがあるところです。
| 見るところ | 確かめ方 | 合わないと起きること |
|---|---|---|
| 縫い目の位置 | 脚の外側を通っているか、前面に来ていないか | 薄い服に線が出る |
| ウエストの高さ | 着けたときにおへその上まで来るか | 食事のあとに丸まって落ちてくる |
| 素材の混率 | 綿が入っているか、化繊だけか | 汗をかく季節にむれる |
| 裾の始末 | ゴムの帯が太いか細いか | 細い帯は太ももに食い込みやすい |
2つめのウエストの高さは、着けているあいだの快適さに直結します。
低い位置で止まる形だと、座ったときに縁が丸まって、その一本だけが強く当たる状態になりがちです。
座って過ごす時間が長い方は、ここを先に見ておくと失敗が減るでしょう。
やめるサイン
次のような変化が出たら、その時点で使用をやめてください。
- 足先のしびれ、感覚が鈍い
- 皮膚の色が変わる、冷たくなる
- かゆみ、赤み、湿疹が出る
- 外したあと、跡が1時間以上残る
- 着けているあいだ、痛みが続く
これらは「慣れれば収まる」種類のものではありません。
とくに色の変化やしびれは、締め付けが合っていない合図として扱ってください。
いったんやめて、それでも続くようなら受診してもらったほうが安心です。
続けられる形かどうかも先に見る
選ぶ段階では強さやサイズに目が行きますが、実際に続くかどうかは別のところで決まります。
脱ぎ履きにかかる時間、トイレのたびの手間、洗い替えが何枚あるか。この3つが現実的な壁になりやすいところでしょう。
とくに洗い替えは見落とされがちです。
1枚だけだと洗った日は着けられないので、習慣として定着する前に間隔が空いてしまうでしょう。
サイズが合うと分かってから2枚目を足す、という順番にすると無駄が出にくいと思います。
始めていい時期の考え方は、産後の体は、何が戻って何が戻らないのか|時間の目安と受診の目安にまとめました。
よくある質問
強い着圧の製品ほど効果は高いですか
強さと、使ってみたときの満足度は比例しないと考えています。
着けていられる強さでなければ使う時間が減ってしまうので、続く範囲で選ぶほうが現実的でしょう。
サイズ表の境目にいるときは、どちらを選びますか
迷ったときは、大きいほうを選んでおくのが無難だと思います。
小さいほうを選ぶと、食い込みや勾配の崩れが起きやすくなってしまうためです。
寝るときに履いたままでもいいですか
夜用と書かれた製品なら想定の範囲です。
そうでない製品を寝るときに使うのは避けて、日中用と分けたほうがいいでしょう。
洗濯で伸びてきた気がします
生地の性質上、着圧は使ううちに落ちていきます。
買った当初より緩く感じるようになったら、そこが交換の目安になります。
むくみが気になって選んでいるのですが
原因によって手当ての向きが変わるので、まず何が起きているかを見たほうが早いと思います。
片脚だけ、急に出た、痛みを伴う。こうした場合は着圧より受診が先になります。
ガードルとスパッツは、どちらを選べばいいですか
覆う範囲が違うので、気になっている場所で決めてください。
服の下に響くかどうかも実用上は大きいので、手持ちの服と合わせて考えるといいと思います。
サイズが合っているかは、どこで判断しますか
着けた直後ではなく、外したあとの肌で判断してください。
跡が30分ほどで引くなら、その強さは体に合っている範囲だと考えていいと思います。
何枚くらい持っておくと回りますか
毎日着けるつもりなら、2枚あると洗い替えが回ります。
ただ、最初の1枚でサイズが合うか確かめてから足すほうが、無駄が出にくいでしょう。
医療用の弾性ストッキングとは何が違いますか
医療用は治療の一環として、医師の指示のもとで使うものです。
圧の設計も管理の仕方も違うので、市販品を代わりに使うという考え方はしないでください。
着けているあいだだけ細く見えるのは意味がありますか
服のシルエットを整えるという用途としては、それで成立しているでしょう。
ただ、外したあとにも残る変化を期待するものではない、という線は引いておきたいところです。
まとめ
着圧アイテムで最初に決めるのは、強さではなくサイズです。
サイズを下げても圧は上がらず、設計の勾配が崩れて食い込みが増えるだけになります。
実測を取って、迷ったら大きいほう。着け始めは短い時間から。
そして、しびれや色の変化が出たら、その時点でやめてください。
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