転職の内定が出ない時期のメンタルの保ち方|お祈りメールが続くときの対処法

転職活動中、内定が出ない時期のメンタルの保ち方

お祈りメールが続く時期は、誰にとってもつらいもの。乗り越え方のヒントをまとめました。

「本日は誠に残念ながら」という書き出し、もう何十回見たでしょうか。
このフレーズを見た瞬間に肩の力がすっと抜ける、あの感じ。正式名称がないのが不思議なくらいですよね。
知人の中には、あまりにも見慣れすぎて「またこの人か」と、お祈りメールに勝手な人格を見出し始めていた人もいました。
そこまでいくと、もはや悟りの境地に片足を突っ込んでいる気もしますが、笑えない話でもあります。
真面目に、丁寧に取り組んでいる人ほど、この手のメールのダメージは大きいものです。
「たかが不採用通知でしょう」と他人事のように言う人もいますが、応募書類を一枚一枚作り込み、想定問答を練習し、当日は緊張しながらも精一杯自分を伝えた。その積み重ねがまるごと否定されたように感じてしまうのは、まったく不思議なことではありません。
今回は、そんな時期をどうにか自分を保ちながら乗り切るための考え方を、できるだけ肩の力を抜いた形で整理してみたいと思います。

「お祈りメール」が続くとき、何が起きているのか

不採用の連絡が続くと、多くの人がつい「自分には価値がないのではないか」という方向に考えを進めてしまいます。
けれど、本当にそう言い切れるのでしょうか。
実際のところ、不採用という結果の裏側には、応募者本人の努力だけではどうにもならない要因が、案外たくさん絡み合っているものです。
社風とのミスマッチ、そのときどきの募集背景、たまたま並んだ他の候補者との相対的な比較。
極端な話、面接官がその日ちょっと機嫌が悪かった、というレベルの話まで含まれていてもおかしくありません(さすがにそれは言い過ぎかもしれませんが、可能性としてはゼロではないですよね)。
つまり、不採用のすべてが「自分自身の欠点」を意味しているわけではないんです。
実際、まったく同じ職務経歴書を提出していても、応募先が変わるだけで評価がまるきり分かれることは、決して珍しくないといわれています。
そうした事実を頭では理解していても、通知が続けば、やはり気持ちは沈みますよね。
理屈と感情は、そう簡単に足並みを揃えてくれない、実に厄介な同居人のようなものです。
だからこそ、まずは「そういうものなんだ」と、いったんそのまま受け止めることから始めてみませんか。
「なぜ落ちたのか」を100%正確に突き止めることは、正直なところほぼ不可能に近いです。
企業側もすべての不採用理由を丁寧に開示してくれるわけではないですし、そもそも複数の要因が絡み合って一つの結果になっていることがほとんどです。
分からないものを無理やり分かろうとして頭を抱え続けるより、「今回はご縁がなかった」くらいの軽さで受け流す練習をしたほうが、精神衛生上はずっと健全かもしれません。

転職の内定が出ない時期のメンタルの保ち方

落ち込んだときに、やりがちなNG行動

不採用が重なると、焦りから行動そのものが空回りし始めることがあります。
とにかく応募数を増やそうとするあまり、一社ずつにかけるべき準備が雑になってしまうパターン。
逆に、気持ちが落ち込みすぎて、活動そのものがぴたりと止まってしまうパターン。
どちらも、状況をさらに悪化させやすい方向へと自分を追い込んでしまいがちです。
また、ふとした瞬間にSNSを開き、他人の「転職成功しました」という投稿を見て、勝手に比較して落ち込む。これもよくある話ですよね。
「あの人はあっさり決まったのに」と考えたくなる気持ちは分かりますが、他人の結果と自分の状況とでは、条件も背景もタイミングもまったく違います。
比較して得られるものは、実はそう多くありません。
むしろSNSを開く回数と気分の落ち込み具合が正比例していることに気づいたら、それはアプリを閉じるタイミングの合図だと思ったほうがよさそうです。
さらに、不採用の理由を根拠もなく勝手に決めつけて、必要以上に自分を責めてしまうのも、できれば避けたい行動です。

▶ ポイント
不採用が続いたときは、いったん立ち止まって「自分がどの段階でつまずいているか」を振り返ってみましょう。
書類選考で落ちることが多いのか、面接まで進んだうえで落ちることが多いのか。
つまずいている段階が分かれば、次に見直すべきポイントも、おのずと見えてきますよ。

お祈りメールを研究し始めたら、それはそれで一つのサイン

不採用が何通も重なってくると、人は不思議なことをし始めます。
「この会社は割とテンプレ感が強いな」「この会社は担当者の温度が少し感じられて、逆にありがたい」など、お祈りメールの文面をうっすら品評し始めるんですよね。
中には、文末の言い回しだけで「これは一次選考落ちパターン」「これは最終面接まで行ったのに落ちたパターン」と、勝手に分類を始める猛者もいます。
その域まで行ってしまったら、正直に言うと、これは休憩どころかむしろ深追いのサインかもしれません。
分析すること自体が悪いわけではないんですが、そこに時間と気力を注ぎ込みすぎると、本来やるべき「次の準備」から意識がそれてしまいます。
お祈りメールコレクターとしての才能に目覚めかけたら、いったんフォルダごと閉じて、散歩にでも出てみませんか。
その情熱は、次の応募書類のブラッシュアップにこそ使いたいところです。

気持ちを立て直すための、小さな習慣

メンタルを保つために、何か特別なことをする必要はまったくありません。
まず何より優先したいのが、生活リズムを大きく崩さないことです。
睡眠時間を削ってまで求人を探し続けると、判断力そのものが鈍っていきます。
気づけば夜中の2時、求人サイトを眺め続け、結局さっき見たのと同じ求人を、もう一度最初から見返している。
これはもう「転職活動」というより「不眠との闘い」に近いですよね。
そういうときこそ、思い切ってスマートフォンを閉じてしまうのが正解かもしれません。
また、転職活動から意識的に離れる時間を作ることも同じくらい大切です。
好きな趣味に没頭する時間、友人とたわいのない話をする時間を間に挟むだけでも、気持ちは思っている以上にリセットされますよ。
「今日は活動を完全に休む日」とあらかじめ決めてしまうのも、決して悪いことではありません。
罪悪感なく休むためには、宣言してしまうのが一番手っ取り早い方法です。
体を軽く動かす習慣も、気分の切り替えには地味に効くといわれています。散歩でもストレッチでも、とにかく画面から目を離すことに意味があります。
ちなみに、周りで一番効果があったと聞いたのは「お風呂で今日の反省会を一切しない」というルールでした。
湯船に浸かりながら面接の失敗を思い出して悶絶するのは、精神衛生上まったくよろしくありません。
お風呂は湯船とリラックスのためだけの空間、と割り切ってしまうくらいでちょうどいいと思います。

在職中の転職活動を周りにバレずに進める方法

一人で抱え込まないという選択肢

転職活動というのは、放っておくと自然と孤独になっていきやすいものです。
特に在職しながら活動を進めている場合、周囲にはなかなか相談しづらいという事情もありますよね。
「弱音を吐いたところで、誰かに迷惑をかけるだけかもしれない」と、つい遠慮してしまう人も多いはずです。
そんなときは、転職エージェントやキャリア相談の窓口を頼ってみるのも、一つの現実的な方法です。
第三者に話すだけで、自分の頭の中がすっと整理されていく。そういうこと、思っている以上によくあります。
自分では「大した悩みではない」と思っていたことが、話してみたら意外と根が深かった、ということもあります。
また、家族や親しい友人に「今こういう状況にある」と、ただ共有しておくだけでも、気持ちの負担はかなり軽くなりますよ。
一人ですべてを抱え込む必要は、まったくありません。
「心配かけたくないから」と黙っていた結果、久しぶりに会った友人に「なんか痩せた?」と心配されて、そこで初めて涙腺が崩壊した。そんな話もよく聞きます。
我慢は美徳のように見えて、実際のところは単に発散のタイミングを先送りしているだけ、ということも多いようです。
弱音は、こまめに小出しにしておくくらいでちょうどいいと思います。

「内定が出ない=自分の価値がない」ではない

不採用が連続すると、まるで自分という存在そのものを否定されているかのような気持ちに陥ってしまいますよね。
けれど、選考結果というのは、あくまで「その会社の、その時点における一つの判断」にすぎません。
会社が変われば、あるいはタイミングが変われば、まったく違う評価が下されることも十分にあります。
つまり、不採用という結果の多くは「相性の問題」であることが多いといわれています。
好きな食べ物ですら人によって好みが分かれるのに、人材の評価が全員一致になるほうがむしろ不自然かもしれません。
自分自身の価値を、選考の結果だけで測ってしまう必要はありません。
むしろ、これまでの選考で実際に聞かれた質問や、そのときの自分の反応を丁寧に振り返り、次に活かせる部分を探していくほうが、よほど建設的だと思います。
極端な話、恋愛でも「なぜかご縁がなかった相手」というのは誰にでもいるはずで、転職活動もそれとよく似た構造をしているのかもしれません。
一社との相性が悪かったからといって、自分という商品そのものに欠陥があるわけではないんです。
たまたま棚の並びが悪かっただけで、隣の棚に移せば普通に売れる、というだけの話だったりします。

まとめ

内定がなかなか出ない時期というのは、誰にとってもつらいものです。
しかし、そのつらさは、裏を返せば「それだけ真剣に頑張っている証拠」でもあります。
生活のリズムを保つこと、一人で抱え込まないこと、他人と比較しすぎないこと。
この3つを意識するだけでも、気持ちの負担はいくらか軽くなるはずです。
どれも今日からすぐに実践できる、地味だけど効果のある工夫ばかりですよ。
お祈りメールを何十通と受け取っても、あなたの価値そのものが下がるわけではありません。
それはただの「通知メール」であって、あなたの人格を採点した成績表ではないんです。
今はうまくいっていないように感じられても、焦らず、自分自身のペースで進んでいってください。
きっと、そのうち届く一通のメールが、それまでの苦労をまとめて上書きしてくれるはずです。